アキ―ルさんのインタビュー第2回です。第1回はこちらへどうぞ。
Q,自国が恋しくなったりしますか?
あまりないですね。そもそも飛行機で約6時間と比較的近いですので、帰りたくなったら帰れます。また、友達もロンドンによく来ますので、彼らにも会えますし、何かクウェートのものがほしくても気軽に持ってきてもらえます。
Q,イギリスに来て感じられた、イギリスの良いところはどんなところですか?
人々の順法精神ですね。基本的に法律をやぶろうという考え方にはなりません。勿論、柔軟性の無さにもつながるのでしょうが、よいことだと思います。
電車などの交通網もクウェートよりもいいです。ただし、クウェートは小さな国でそもそも交通網がいらないということはあります。
車も税金がかからず安く買えますし、オイルも勿論安いですし(苦笑)
また、イギリスはアメリカと比べると、理不尽な理由で入国を拒否されることがないのがいいですね。
アメリカの大学で学んでいる友人たちもいるのですが、中には休暇にクウェートに帰国し、休暇後にアメリカに再入国しようとすると、理由なく入国を拒否されたりするケースがあるようです。
ただし、逆にイギリス人とアメリカ人を比べると、イギリス人はフレンドリーではないように思います。
例えば、見知らぬ人にエレベーターなどでハローと言っても、イギリス人はハローと返すだけです。しかし、アメリカ人だと、よりフレンドリーに話が弾むことが多いです。
Q,逆に、イギリスに来て気づいた自国の良いところはどんなところですか?
クウェートではお店が遅くまで開いていますね。
イギリスでは夜になると、バーやナイトクラブしか開いていませんが、ムスリムはお酒が飲めないので、困ります。
遅くまで開いているシシャ・バー(シシャとは水タバコのことです)、や喫茶店があるといいのですが…。
また、イギリスではソーシャルライフはあまり深くない気がします。職場と家を往復しているだけに見えます。
クウェートでは仕事帰りに様々な人と会い、ドゥワニエというホームパーティなども頻繁に行います。
お年寄りに対する扱いも、クウェートの方が温かいような気がしますね。
クウェートだと、当たり前のように人々がお年寄りに病院などでも順番を譲りますが、こちらではあまり見かけないですね。
Q,自分にとって自国とはどのような存在ですか?
自国はとても大切な場所です。
クウェート人は国から様々な利益を提供されています。そのお返しに国に対して恩返しをしないといけないと思います。
勿論、クウェートにも問題もあります。たとえば政治家の問題です。
クウェートは他のアラブの国と比べても、より民主的になっている国です。
ただし、選挙で選ばれた人々が国のためにではなく、自分の属するファミリーのために活動することが増えてきているのが問題だと思います。
また、クウェートはオイルに依存している国です。
オイルの値段が下がると人々の給料も下がり、政府は国民の統治ができなくなってしまう可能性があります。
※アキ―ルさんインタビューは3回に分けての掲載です。10月2日(日)更新の第3回をお楽しみに!