別訳【夢中問答集】第八十七問 是非を論ずることの是非?

足利直義:和尚はこれまでに何度も「仏さまと一般人は違うものではない」と仰いましたが、一方で世間一般の学者の見識についての是非を論じ、修行者たちに才能のバラツキがあることについて言及されています。
これらは矛盾しているのではありませんか?

夢窓国師:いや、だから「才能のバラツキ」があるといっても世間一般的な意味で言っておるのではないのじゃよ。

たとえ仏の教えを全て理解していても「自分と仏は同じものである」ことを信じることができないのであれば、それは「ダメ」だと言っておるのじゃ。

仏と離れて「ダメなヤツ」が存在すると言いたいわけではない。

学者の見識に関しては、究極の境地では迷いも悟りも同じものであるにも関わらず「オレは悟っているがこいつらは迷っている」などと思い込んでおるヤツは「ダメ」だと言いたいのみ。生まれつきの「ダメ学者」がいると言いたいわけではないのじゃ。

……この類の話は世間一般の感覚でいる限り理解することは難しいものじゃ。
その境地に達してしまえばなんてことはない話なのじゃがな。


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