僕は、いわゆる「まちおこし」の場だけでなく、大学で授業をする際にもコール&レスポンスを行なっています。今回は、その学生たちとの一コマを紹介しましょう。
これまでに、一橋大学、立教大学、鹿児島大学、大阪大学、立命館大学ほか十数の大学で、コール&レスポンスのリズムコミュニケーションの実践・デモンストレーションをやってきました。
特に立教大学では、2006年あたりから「マイノリティと宗教」という授業を担当し、米国のBlack Musicを題材として、人が表現することの意味を学生と一緒に考えるひとときを持ちました。
この授業の後半では、「自分のブルース詞をつくる」というプログラムも入れました。
☆ ☆ ☆ ☆
ブルースの曲は、4小節が3ブロックで計12小節。これが、ブルースの基本です。
詞の形式も、A-A-Bというシンプルなものです。
例えば、Reconsider Baby(「考え直して」)という曲の歌詞は、次のようになっています。
意味は「サヨナラだね。お前が去っていく姿を見るのは辛いよ。でも、俺がどんなに淋しい思いをするかなんて、お前はこれっぽっちも知りはしないんだよなあ」という具合です。
A) So long
….Oh how I hate see you go
A) So long
….Oh how I hate see you go
B) And the way that I will miss you
….I guess you will never know
Aに対してBが、ちょっとしたコメントや感情の吐露になっているところがポイントです。
これは、
(A)置かれた状況の把握・対峙(コンフロンテーション)と、
(B)その状況の打開・展開・対応(インプロヴィゼーション)という構造になっています。
2015年秋学期、淑徳大学での文化論の授業の中でブルース詞作成ワークをやってみました。
ある男子学生が、「ヨッ友」という詞を書いてきました。
大学入って友達できた すれちがっては声かける
大学入って友達できた すれちがっては声かける
でも君は名前も知らない「ヨッ友」
ヨッ ヨッ (ヨッ ヨッ)ヨッ ヨッ (ヨッ ヨッ)
ヨッ ヨッ (ヨッ ヨッ)ヨッ ヨッ (ヨッ ヨッ)
すれちがっては ヨッと声かける
授業では、この詞にギターで節をつけ、全員で歌います。もちろん、「ヨッ!」の部分は元気よくシャウトします。お互いの顔を見ながら。
こうして授業では、大学のキャンパスで知らない相手にも明るく「ヨッ!」と挨拶することが、友達づくりの一歩だということを学ぶわけです。
学生たちの詞からは、本当にたくさんのことを教えられます。
こんな授業、やめられませんよね。
コール&レスポンス!
Eric Clapton が歌うReconsider Baby はこちら↓