毎年、東京都豊島区にある大正大学の「光とことばのフェスティバル」のお手伝いをしています。
これは、大正大学表現学部の1年生250人で様々な造形物をつくって展示しステージイベントを行なう、いわば学生たちの表現祭り。
今年は、竹灯籠でキャンパスをともすという企画でした。9月21日の夕刻、西巣鴨のキャンパスに、約6000個もの灯りが揺らめきました。
(大正大学「光とことばのフェスティバル」のPVはこちら↓
http://www.tais.ac.jp/guide/latest_news/20160921/44485/)
北海道や熊本の被災者にも思いを馳せ、つながりを大切にしたいということで、2016年度のテーマは「つなぐ」になりました。
佐渡島・岩首地区で行なわれている「竹あかりの集い」で使った竹灯籠と、竹林から切り出して作った新たなものを合わせて、それらを学生たちが考案したデザインで並べ夜のキャンパスを彩るひとときは、とても幻想的なものでした。
18時からのイベントでは、かぐや姫の斬新な解釈をコスプレで披露する「かぐや姫コンテスト」や、竹から創案したキャラクターを楽しむ「バンブーマン・ショー」など、趣向を凝らした出し物もあり、一般の来客者も楽しんでいる様子でした。
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僕は、フェスティバルに参加する学生たちのたくさんの言葉をギュッと編集し、それを詞に仕立ててメロディをつけて“歌う”という役目で、ステージイベントの後半に登場しました。
竹あかりの中でドッカーン!と盛り上げるには、相当の力量が要ります。それはちょっとやり過ぎになるので(笑)、今年は揺蕩(たゆと)うあかりの中で「つながり」を思い、感じる、そんな「光とことばのフェスティバル」になるよう静かな調べで歌いました。
光や灯りや輝きというメタファーは、暗闇を怖がる動物の人間にとって、とても希望や期待感や元気をもたらしてくれます。
その一方、灯は死者と生者を結ぶシンボルでもあり、迎え火、送り火などの盆行事には欠かせません。
まぶしいほどに生を謳歌する学生たちの言葉のあとに、僕は以下のような詞を添えました。
あわいの光に照らされて あちこちそちこち つながって
あなたにこの声が届くように いつもいつも ずっとずっと……
災害地の被災者へはもちろんのこと、亡くなった人たちにも届けと思い歌を歌い、たくさんの皆さんと一緒に竹あかりの夕べを過ごすことができました。
もちろん、ステージ上ではこんなことを話したりはしません。あくまでも、歌って伝えるだけです。
歌ったあと、素敵なレスポンスがありました。
佐渡から訪れていたご来賓が、「サトウさん、来年、岩首へ来て歌ってくれよ」と言ってくれました。その方が歌から何を感じたのか、まだ何も伺っていません。でも、レスポンスは嬉しいですよね。
実りの秋になりそうで、竹あかりをさらに温かく感じることができました。
来年の「光とことばのフェスティバル」、ぜひ皆さんもいらしてください。
コール&レスポンス!