ブッダことゴータマ・シッダルタ(以下、ゴ):
「・・・なんだいその蛙にかけられたションベンみたいなツラは!?」
コーサラ国のパセーナディ(波斯匿)王(以下、パ):
「つまらない冗談はやめてくれよ、今はとてもそんな気分になれないよ・・・」
ゴ:「どうした? 奥さんとケンカでもしたか?」
パ:「いや、夕べな、女房にふとたずねてみたんだよ。 「オマエが一番大切に思っている人は誰だい?」って。」
ゴ:「へっ、何かと思えばノロケ話かい! やめてくれよ、イヌも喰わねぇぜ。」
パ:「違うんだよ、そうしたら女房のヤツ、こんなことを言うんだ。「私にとって一番大切な人? そんなの自分自身に決まっているじゃない! あなただってそうでしょ?」って。
で、オレ、反論しようと思ったんだけど、考えれば考えるほどその通りに思えてきてな・・・
なぁ、「愛」って、なんなんだろうね?」・・・
ゴ:「けっ、おきやがれ、このスットコドッコイ!
なるほど、オマエの嫁さんはたいしたタマだ。オマエみたいな青ビョウタンにはもったいねぇくらいな。
自分も愛せねぇ人間が、他人を愛せるハズなどねぇってことよ!
とっとと家に帰って堂々と嫁さんに言いな、「そうだとも! オレもオレ自身が一番大切だ!」って。」
<一番大切な人 完>