【他人の批評】
ある人が大勢の仲間とワイワイと盛り上がっていた時、たまたまそこに居合わせなかった人の話になりました。
その人は、ずっと褒め続けていたのですが、「強いて言うなら、すぐカッとなって後先を考えずに行動することがあるのが唯一の難点かなぁ」と発言したところへ、たまたまその話題の主が通りかかり、これを耳にしました。
話題の主は血相を変えて突撃し、自分の話をしていた人に馬乗りになってボカボカと殴りつけながら叫びました。
「このヤロウ!オレがいつ、すぐカッとなって後先考えないことをしでかしたというのだ!?」
【三階建て】
ある人が立派な三階建ての家を見て、自分も同じものが欲しくなりました。
近所の大工さんに相談すると、その家を建てたのは私だということだったので、喜んで同じものを作ってくれるように依頼しました。
大工さんが土地を測量して基礎固めをしていると、その人は言いました。
「こらこら、私はそんなものは注文しとらんぞ。とっとと一番上の階だけを作ってくれ!
【死の食物】
かつてブッダがウシとして生まれていた時の話です。
そこの主人は一匹のブタをとても大切にしていました。
ご馳走をたらふく食べさせて、甘やかし放題の毎日です。
いつもそれを見ている弟のウシが、グチをこぼしました。
「兄さん、この世は全く不公平にできているもんですね。
我らは汗水たらして働いているというのに、食べ物ときたら粗末な草ばっかり・・・
なのにあのブタときたら、怠けてゴロゴロしているだけなのに毎日あんなご馳走を腹いっぱい食べさせてもらえるなんて。
全くおかしな世の中だ!!
そう思いませんか?兄さん。」
兄さんウシは言いました。
「弟よ、そんなことはちっともうらやましがる必要はない。
あのブタが食べているのはな、「死の食物」というものなんだ。
まぁ、見ていてごらん。」
しばらくすると、主人の一人娘が結婚することになりました。
例のブタは引き出されてくると、皮を剥がれ、肉を裂かれ、皿に盛り付けられてしまいました。
弟ウシはそれを見て言いました。
「なるほど兄さんの言うとおりだ。
これなら我らのように草を食べている方がはるかにマシだ・・・」