「善悪と因果の関係について」 第2話(出典:善悪因果経)


ブッダ「アーナンダよ、それはだな、ひとことで言うなら前世での心がけ次第ということだ。

言い方を変えるなら、前世での行いが人によって色々と違うから、生まれ変わった先にも異なった影響が現れているということだな。色々と異なったことをすることができるという点、また、その影響が確実に次の人生に及ぶという点において、人間はみな平等なのだ。

例えば顔かたちが美しい人がいるとするならば、その人は間違いなく前世では辛抱強い人だったハズだ。

逆に醜い人がいたならば、その人は間違いなく前世では怒りん坊だったハズ。

貧乏な人は前世ではケチンボだったハズだし、社会的地位の高い人は前世で信心深かった人のハズ。

逆に社会的地位の低い人は間違いなく前世で調子に乗りすぎた人なのだ。

誰にでも丁寧に接して来た人は来世で背丈の大きな人に生まれるし、ルールや規則を破ってばかりいた人は来世で背の低い人に生まれてくる。

好んで殺生をするような人は来世では必ず短命だ。

なんでも気前よく人にあげてしまう人は来世では大金持ちに生まれてくるだろうし、学問が好きな人は生まれ変わった先でも賢く生まれてくる。

アーナンダよ、吐く息がくさい人は前世でどんな人だったかわかるか?

そうそう、人の悪口ばかり言っていたような人だな。(笑)

他人の奥さんを寝取るような人はガチョウに生まれ変わる。

他人に本を貸してあげなかったり、知っているのに教えてあげないような人は土や木の中に住む虫に生まれ変わる。

食事のマナーの悪い人はイノシシに、言葉尻をとらえてバカにするような人はオウムに、迷惑ばかりかけるような人は毒虫に、それぞれ生まれ変わることだろう。

心持ちには「善い心」と「悪い心」の2種類ある。

悟った人がいれば素直に尊敬し、道を学ぼうとしている人に対しては丁寧に接し、自分で考えてもわからないことはわかるまで質問してしっかりと学び、反省の心を忘れない、というのが「善い心」だ。

そんな人は歩こうとして足をあげた瞬間、極楽浄土の方から足元に滑り込んでくることだろう。

逆に金や食い物にしか興味がなくて、道を学ぶ人の邪魔ばかりし、挙句には人の食べ物をかっぱらっていく、というのが「悪い心」だ。

そんな人が速攻地獄行きなのは言うまでもないだろう。

―――――つづく

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