「般若心経の秘密」 第12話(出典:般若心経秘鍵)

3.行(修行の行為):「菩提薩埵」~「得阿耨多羅三藐三菩提」

<修行者たちが獲得できる功徳を説くパート>

修行者が獲得できる功徳には二つある。「人」つまり修行者と、「法」つまり修行の方法(内容)だ。

修行者は、その修行の方法によって七種に分類することができる。前述した「建・絶・相・二(声聞と縁覚の二種)・一」に、オレが持ち込んだ真言宗の仲間たちを加えた七種類だ。

また、レベルによって修行者を四種に分けることもできる。「理解力の低い人」「見聞きしたこと以外は理解できない人」「進むべき道を見出した人」「新境地を開いた人」の四種類だ。

修行の方法も四種に分けられる。先にも触れたように、「悟りを求める」「悟りに向かう」「悟りの証を得る」「涅槃に入る」の四種類だ。

「般若の智慧」とは「悟りを求める」ことであり、かつ「悟りに向かう」ことでもある。

「無礙」つまり思考や行動に一切の障害がないことは、そのままで「涅槃に入る」ことになり、「悟りの証を得る」ことをサンスクリットで述べているのが「アヌッタラー・サムヤク・サム・ボディ(阿耨多羅三藐三菩提)」の部分だ。

まぁ、この辺は書いてある通りなので読めばわかるだろう。

これをつなげて現代語訳するならば、以下のようなものになる。

修行者は七、修行の方法は四。

全ての人に「究極の安らぎ」と「悟り」そのものが予め備わっているのだ。

足りないものなど、何もないのである。

―――――つづく


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