芋虫(前編)
芋虫は葉っぱを食べ続けた。 何も考えずに、ひたすら葉っぱを食べ続けていた。 周りを見渡すと、植物の葉は芋虫に食べ尽くされていた。 しかしそれでも、芋虫の食欲は収まる事はなかった。 芋虫は他...
芋虫は葉っぱを食べ続けた。 何も考えずに、ひたすら葉っぱを食べ続けていた。 周りを見渡すと、植物の葉は芋虫に食べ尽くされていた。 しかしそれでも、芋虫の食欲は収まる事はなかった。 芋虫は他...
ある日の事、少年の家に通称『時紙(ときがみ)』と呼ばれる郵便が届きました。 『時紙』の正式名称は『時間召集令状』といい、それを受け取った者は、自分の所有している最も重い時間を王様の直属機関である『時...
時間を増やす実験に成功した、という話を聞き、王様は時間学者の研究所へと向かいました。 『財団法人・時間研究所』という看板を掲げた研究所の扉をノックすると、扉が開き、時間学者が顔を出しました。...
王様が、とても大きな大きな時計塔を建てました。 時計塔は国のどこからも、その姿が見え、正確な時を知ることができたので、人々は喜びました。 他の国々でも「あの国は、とても正確な時を刻む ! ...
今日は事情によりラジオ・クレーンズの放送はお休みです。 申し訳ありません。 そのかわり良いニュースがございます。
―― 今日は年に一度の「コトバ狩り」の日だ。 長かった夏も終わり、秋風が木々を通り抜けるこの日、狩人達は山の神々に祈りを捧げ「コトバ狩り」へと赴く。 「コトバ狩り」は僕の住む村では、昔...
ある国にとても強い戦車がいました。 戦車の大砲は、それは強力で敵に恐れられていました。 戦車は自慢の大砲を撃ち、次々に敵を倒していきます。 ――ある戦いの日、敵の砲弾があたり、戦車は大...
――今日も客が一人も来なかったな......、と針灸師がぼやきながら、そろそろ店じまいをしようと考えていると、診療所のドアがギーッ、と音をたてて開き、随分と見かけない客が現れた。 その客は元...
「これは美味ではないか!! まったりとして、こってりとして、舌がとろけるようだ! シェフ、これは何という料理なのかね? 」 悪魔が、ナプキンで口を拭いながら、厨房に向かって声をかけた。 ...
森の中に、若いけれども、とても見窄らしい木がたっていた。 その木は貧弱であまり実を実らせる事が出来ず、したがってその木には鳥や動物は見向きもしなかった。 その若い木はまわりにいる、立派な木...