トリリンガル!

新年のメジロ

みなさま、明けましておめでとうございます。

ベルキャプテンのメジロです。

ニッポンなどアジアの一部地域では、今年は「トリ年」だそうですね。毎年何か動物の年が来るなんて、面白い考え方ですね。そして、いいですね、トリ年!トリ年!思わず興奮してしまいます。

さて、新年のホテル暴風雨は大忙しですが、どうも自分で大忙しの原因を作ってしまってもいるようで。

と言いますのも、ホテル暴風雨トップページ新年の「ホテルだより」をご覧になった方はお気づきかと存じますが、只今総支配人が休暇中につき、新年臨時総支配人が代理を務めております。

ホテル暴風雨新年臨時総支配人 illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

臨時総支配人 ふしぎなトラ紳士 illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

ところが、ベルスタッフだけで決められない問題が起こると、ついいつものくせで「総支配人に相談して」と言ってしまうのです。ついさっきも、メアオくんに言ってしまったんですよね。それのどこが「大忙しの原因」かと申しますと……あ、早速やってきました。

メアオ:「キャプテン〜!どうしましょう」

メジロ:「どうしたの」

メアオ:「例の、大型飛行船でのご来館のお問い合わせの件、臨時総支配人にご相談したのですが」

メジロ:「うん、で、なんだって?もしかして『トランポリン』とか『トランペット』とか、おっしゃったのかな」

メアオ:「……キャプテン、あの、わかってるならどうして総支配人に相談しろと?」

そうなのです。臨時総支配人のふしぎなトラ紳士は、古くからのお得意様にして総支配人のご友人と、当ホテルにとっては特別な存在です。スタッフにもとても親切で礼儀正しい立派な紳士で、信頼に足る方だということは重々承知しているのですが、何といいますか、言葉がちょっと難解です。仰ることといえば「トランポリン」とか「トランペット」とか「トランク」とか……。総支配人は何を思ってあの方に後をお任せになったのやら。当ホテルには「万能翻訳機」という自慢の発明品があるのですが、未知の言語に対しては既知言語の法則に当てはまるところを頼りに推測するのみでして、

メアオ:「キャプテン、いったい誰と話しているんですか」

メジロ:「ごめんごめん、何でもないよ。やっぱり『トランポリン』だったかあ」

メアオ:「いえ、ちょっと違うんですけどね」

トリリンガル1 illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

トリリンガル1 illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

メアオ:「トライアングル!とおっしゃいました」

メジロ:「あまり効果はないと思うけれど、万能翻訳機は試したの?」

メアオ:「はい。自動的に辞書モードになっちゃったんですが、それによると、『三角形や三角形の打楽器を意味する英語・フランス語。語源はラテン語。なお、ニッポンの言葉としても定着しており『トラ』がつく語句として6番目に短い』だそうです」

メジロ:「…………」

メアオ:「…………」

メジロ:「『トラ』がつく言葉として解説してくるあたり、さすがチヨさんの発明品だなあ〜。もしかして言葉の長さが大事なのかな?で、結局どうしたの」

メアオ:「私ももうやけくそになってしまいまして」

トリリンガル2 illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

トリリンガル2 illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

メアオ:「トリリンガル!!と言ってしまいました。そうしたら満足そうにニコニコしていらっしゃいました」

メジロ:「……トリ年だからね。それでいいんじゃないかな。飛行船の件は、チヨさんに相談してきて」

メアオ:「はい」

というわけで、大忙しながら今日も平和なホテル暴風雨です。メジロでした。


ふしぎなトラ紳士はこちらの回にもちらりと登場していますよ。テンペストさんとはなぜか会話が成立しているようにも見えますが……!?

今回も、国際色豊かすぎるホテルの様子をお伝えします。常連、**さんのコミュニケーション力が試される!?

もう数日、総支配人テンペストさんは休暇を取っているもようです。
いつもとちょっと違うホテル暴風雨ですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

ホテル暴風雨ではみなさまからのお便りをお待ちしております!

「ホテル暴風雨の日々」続きをお楽しみに!暴風雨ロゴ黒*背景白


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