第166話 ショパン「雨だれ」練習中

 3カ月ほど前からショパンの「雨だれ」を練習しています。

 この曲をテーマに漫画を描こうと思ったのがきっかけです。

 「短くて易しそうな曲だな、幻想即興曲でもどうにか弾けるようになったんだから、この曲なら練習すればきっと、漫画を描き終わる頃には弾けるようになってるだろう…」

そんな甘い気持ちで練習を始めて、漫画は9月初旬に仕上がりましたが、ピアノは今もなかなか思うように弾けません。

 この感覚は、私にとって、お習字でひらがなを書く感覚に似ています。難しそうな漢字でもたくさん練習すればなんとなく書けるようになりますが、「ひ」や「わ」は、いくら書いても格好良く書けないのです。

 ショパンの「雨だれ」は、トントントントントントントン…と、一定のリズムで同じ音が鳴り続け、それが聞く人に雨粒をイメージさせます。

弱音で均一に弾くのがとても難しくて、どうしてもうるさくなってリズムもそろわなくて、私の場合…

漫画「Prelude Op.28 No.15 雨だれ」は、最近発売されたアックス(青林工藝舎)に掲載され、作家近況にはこんな文章を載せていただきました。

そんな訳で、次回の第167話「やっとこ!サトコなう」は「雨だれ」漫画解説&ピアノ演奏動画公開を予定しています。アックス第161号は森口裕二「楽園」発売記念特集で、とても美しい折り込みカラーポスター付きです。本屋さんで見かけたら、ぜひお手に取ってご覧ください。

そういえば、ちょうど去年の今頃、第140話「ストリートピアノ発表会」でした。

あと2週間、雨漏りしないよう練習がんばりますのでどうぞ聞きにいらしてくださいませ🎵

(津川聡子 作)


*編集後記*   by ホテル暴風雨オーナー雨こと 斎藤雨梟

津川聡子作「やっとこ!サトコ なう」「第166話 ショパン「雨だれ」練習中」いかがでしたでしょうか。
おおっ、雨だれが音符になったピアノ漫画が「アックス」掲載、そして「雨だれ」発表会予告出ました! これは楽しみですね。この漫画を読んでくださっているみなさん、「ストリートピアノ」が妙に目につくようになったり、していませんか? 何を隠そう私がそれ。ストリートピアノという存在は前からあったのでしょうが、気にしていなかったのですね。でも最近は、イベント予告のチラシに「ストピも登場」などとあるとアンテナがピピピッと反応し、あーサトコさんここで弾いてくれたら楽しいな♪ と妄想する日々です。

ではみなさん、「雨漏り」じゃなかった「雨だれ」への期待を膨らませて、待て、次号!

「やっとこ! サトコ なう」へのご感想・作者へのメッセージは、こちらからどしどしお待ちしております。次回もどうぞお楽しみに♪

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