アックス最新号の第163号(青林工藝舎より2月26日発売)に、私の漫画「Etude Op.25 No.11 木枯し」が載りました!
5回連続掲載、大フィーバーの浮かれ気分で、今回も作品解説(ネタバレ大あり)をお届けします。
さて、アックスの作家近況に、こんな不吉なコメントを書いたのですが……
……まず、私がその呪いにかかってしまいました。
その結果、ピアノ漫画には、なるべく文字を書かないと心掛けていたにもかかわらず……
……こんな原稿を描かずにはいられませんでした。
メロディがどうしても、「こーがーらしーがー ふーくーぞー」と聞こえてしまうのです。
これを作曲したショパンはポーランド人なのに、どうして日本語の歌詞がこんなピッタリな曲を作ってくれちゃったのか不思議です。
皆さんもちょっと、かてぃんさんの素晴らしい演奏を聞いてみてください。
こーがーらしーがー ふーくーぞー
こーがらしーがー ふーくーぞー
ハァ…
ピュルルルルルルルルルルルル〜
そう聞こえたらあなたも仲間!呪われてます\(^^)/
今後、いつ、いかなる素敵な場面でこの曲が流れても、「こーがーらしーがー ふーくーぞー」という雑念に囚われることでしょう。
ちなみに同類の呪いに、
・バッハ作「トッカータとフーガ」からの「ちゃらりー 鼻から牛乳」
・オッフェンバック作「天国と地獄」からの「カステラ1番 電話は2番 3時のおやつは文明堂」
・ベートーヴェン「田園第一楽章」からの「今夜は 麻婆が食べたいなー」
……等、多数あります。
ところで漫画のストーリーは、男の帽子が風に飛ばされたり着地したりしながら展開します。
ちなみに、「木枯し」の楽譜の最後はこのように記されており……
……どんどん空高く遥か彼方に飛んでいくように聞こえます。
漫画の最後は、この2小節をイメージして描きました。
……という訳でオチまでバラしてしまいましたが、ピアノ漫画は名曲同様、一度ならず繰り返し味わうほどに深みが増すに違いないので心配ご無用です。
具伊井戸夫さんの表紙が素敵なアックス第163号は、逆柱いみり、ドブリン!、おんちみどり、後藤友香、森口裕二、福士開 他、錚々たる人気作家がエッセイ&イラストで偏愛風景散歩を綴ってます。ぜひお買い求めいただき、とくとご堪能あれ〜〜〜!
上記ストア他、Amazon等でも絶賛発売中!
〜♪〜
最後になりましたが、アックス第163号の編集後記にもあるように、編集部の志村勝紀さんが今号で定年退職されます。私は1995年にガロで入選する前の、持ち込み活動をしていた頃から、ずっと志村さんに原稿を見ていただいていたので、30年以上も、本当に、大変お世話になりました。
寂しいですが、志村さん、ご定年おめでとうございます。
お疲れ様でした。
今までどうもありがとうございました。
(津川聡子 作)
*編集後記* by ホテル暴風雨オーナー雨こと 斎藤雨梟
津川聡子作「やっとこ!サトコ なう」「第175話 ピアノ漫画「Etude Op.25 No.11 木枯し」ネタバレ解説」いかがでしたでしょうか。私もまんまと呪いにかかりました。冷たい風がショパンの旋律に聴こえ、さらに言葉が浮かんでくるという2段階呪い。悔しいので追い呪いをひとつ。名作呪い、ケネス・アルフォード作『ボギー大佐』からの「サル・ゴリラ・チンパンジー」♪
他の追随を許さない秀逸さ。なんで霊長類マーチなのかまったくわからないところもいいですね。誰が考えたんでしょう。
そして「アックス」編集部の志村勝紀さま。私たちを津川聡子さんの漫画に出会わせてくれた方といってもいいのかもしれません。本当にありがとうございます、お疲れさまでした!!
「やっとこ! サトコ なう」へのご感想・作者へのメッセージは、こちらからどしどしお待ちしております。次回もどうぞお楽しみに♪