教え方について、吉ちゃんに伝えたいことはいっぱいありましたが、吉ちゃんは自分のやり方で結果が出ると思っているみたいだったので、春休み中はあまり口出ししませんでした。
と言うか……
……口出しする機会がありませんでした。
しかし、春休み残り二日という時に……
吉ちゃんは自分のやり方ではうまく行かなかったと気付きました。
そこで、あと20ページを、平日1日1ページのペースで1ヶ月くらいかけてやればと提案しました。
八ちゃんも吉ちゃんも、それなら出来そうだというので、やる時間もだいたい決めて、夜ご飯を食べ終わってから始めることにしました。
八ちゃんの勉強中は隣で見てあげる、ネガティブなことは言わないなど、気になっていたことも全て伝え、吉ちゃん先生と八ちゃんの漢字特訓が再開しました。
……と、調子が良かったのは春休みが明けて、三日くらいでしょうか。
いつの間にか、やらなくなってしまいました。
先日のこと……
八ちゃんは四年生の漢字を学べて、吉ちゃんは勉強の教え方を学べれば、3万円のアルバイト代は高くないと思っていましたが、どちらも叶わず、私は無料で、「二兎追うものは一兎も得ず」を学びました。
(津川聡子 作)
*編集後記* by ホテル暴風雨オーナー雨こと 斎藤雨梟
津川聡子作「やっとこ!サトコ なう」「第127話 八ちゃんの春休み漢字特訓 後篇」いかがでしたでしょうか。
うーむ、サトコさんは教訓を得られ、吉ちゃんはギターをゲット、八ちゃんは漢字を覚えずに済んで三方良し、なのか!? うまいこと言うに言えない、これがリアルというものでしょうか。漢字を覚えるのも漢字を教えるのも……うん、わかるよ、めんどくさいよね。でも、面倒で避けて通りがちだからこそ大人になって面白さに気づく人も多くて、漢字検定がブームになったりするので、何があるかわからないなあと、結局ちゃんと書けない漢字ばっかりのくせに、私は思ったのでした。
みなさまはどうお感じになったでしょうか。
「やっとこ! サトコ なう」へのご感想・作者へのメッセージは、こちらからどしどしお待ちしております。次回もどうぞお楽しみに♪