アックス第164号に、私の漫画「トロイメライ「子供の情景」より Op.15 No.7」が載りました!
6回連続、まるで1年間アックスで連載が続いたようで嬉しいです。
そこで今回は、嬉し恥ずかしネタバレ解説&演奏動画をお届けします。
撮影:八ちゃん
シューマン作曲「トロイメライ」といえば、皆さんご存じ眠くなる曲の代表でしょう。
この曲について調べてみると、「時々あなたは子供に思えます」と、恋人クララ(後の妻)から伝えられたシューマンが、この言葉からイメージを膨らませて13曲の短い曲から成る「子どもの情景」という作品を作ったそうです。
その作品の7曲目に入っているのが「トロイメライ」です。
1曲目の「見知らぬ国と人々について」も耳なじみのある曲だと思いますが、その他、4曲目「おねだり」、10曲目「むきになって」、11曲目「怖がらせ」など、風変わりな曲名もあります。
「トロイメライ」は「夢」「白昼夢」などと訳され、将来の夢やアメリカンドリームではなく、うっとり夢心地、ふわふわ夢気分、という方の夢という意味です。
そして、子どもが夢を見ているのではなく、大人が、夢の中で子どもに戻っているように、私は感じました。
この曲は、私がピアノを習い始めた頃に「エリーゼのために」だけのために買ってもらった楽譜本に載っていると記憶していたので、ページを開いてみるとこんな書き込みがありました。
過去に弾こうとしていたと思われますが、そんなことはすっかり忘れていました。
「ド」にも書き込んでいるということは、音符が読めなかった頃かもしれません。
しかし、1小節だけで書き込みが終わっているということは、すぐに諦めて忘れてしまったのでしょう。
半世紀ほどの時を経て、再チャレンジしてみましたが、幼い頃の自分が断念したのも分かる気がしました。
ゆったりした曲だから易しいと思いきや、想像以上に難しい曲でした。
大事な音が鳴っていなかったりして未熟な演奏ですが、漫画と合わせてどうぞお楽しみください。
ピアノ漫画「トロイメライ「子供の情景」より Op.15 No.7」
「ふぁー」とあくびが出る場面に、ファの音が鳴っていたことに、お気付きいただけたでしょうか。
アックス第164号では第27回アックスマンガ新人賞選考結果が発表され、なななんと!新人賞創設以来、初の大賞受賞作が出ました!
次に大賞が出るのはまた四半世紀後か?
そんな、漫画界の歴史的1冊をどうぞあなたのお手元へ!
(津川聡子 作)
*編集後記* by ホテル暴風雨オーナー雨こと 斎藤雨梟
津川聡子作「やっとこ!サトコ なう」「第179話 ピアノ漫画「トロイメライ「子供の情景」より Op.15 No.7」 ネタバレ解説」いかがでしたでしょう。またまた出ました、津川聡子先生の新表現。動画の中に音に合わせて漫画が挿入される(しかも「ファ」の謎かけつき)スタイル、すごく新鮮ではないでしょうか。子供に帰り、夢の海に還ってしまうような大人たちの群像がタイトルにもメロディにもぴったりです。異色漫画誌「アックス」の中でも異彩を放つピアノ漫画も、演奏動画と漫画というスタイルも、もっと見てみたい!
「やっとこ! サトコ なう」へのご感想・作者へのメッセージは、こちらからどしどしお待ちしております。次回もどうぞお楽しみに♪