将棋ストーリー「王の腹から銀を打て」第14回
勝った相手は、ほっとしたせいか、無神経なことを言った。 「まあ二歩打たなくてもこっちの勝ちだったけど」 トモアキはむかっと来た。せめ...
勝った相手は、ほっとしたせいか、無神経なことを言った。 「まあ二歩打たなくてもこっちの勝ちだったけど」 トモアキはむかっと来た。せめ...
青葉小+1は二回戦に進出した。二回戦は準決勝でもある。 今度の相手「と金倶楽部チーム」は見るからに強そうだった。将棋の強さは顔ではわからな...
アサ子は人差指の腹で歩を一つ前に押し出した。なれないから、きれいにピシッと打つなんてことはできない。 (一生けんめいやって負けてもくやしい...
電話からもどったトモアキは口をとがらせていた。 「なってねえよ。ママさんが出てさ、ヒロキはまだ寝てます、だってよ」 「寝てますじゃねえだ...
「え、なんでぇー? 四年生でしょ。一人で行けるよ」 「ついてってあげなさい。トオルは一人で行ったことないんだから」 「ママの過保護」 ...
こうしてメンバー五人をそろえたトモアキとジュンは、土曜日、カズオのうちに行った。チームの大将を決めるためである。 カズオのうちは坂の上...
さて、五の三の将棋クラブでは、ジュンがさっそくトオルをすわらせ本将棋を始める一方、トモアキが苦戦していた。こちらは将棋ではなく、勧誘活動だ。...
青葉小学校では、水曜日の午後がクラブ活動の時間だ。将棋クラブが活動する五年三組に、アサ子は弟のトオルをつれていった。 月曜日に林トモアキが...
トモアキは佐野アサ子とは三四年のとき同じクラスだった。勉強がやたらとデキる上に、整った顔立ちで大人っぽく見えるから、当時からどうも苦手だった...
歴史上の実在の人物がフィクションに登場することがあります。今回は中でも「悔しがり役」として登場した二人を取り上げ、勝手に勝負です!