今回は、フンボルトペンギン属に注目します
ペンペン!いつも『白黒スイマーズ』ご愛読ありがとうございます。
火曜日はペンギンの日ですが、今日は『白黒スイマーズ』本編はお休みです。それじゃあ調子が出ない、というみなさまのために、代わって私、ペンギン大好きホテル暴風雨オーナー・斎藤雨梟がペンギン豆知識第二弾をお送りします。
前回のペンギン豆知識では、『エンペラーペンギンとキングペンギンの見分け方・覚え方』を掲載しました。『白黒スイマーズ』読者なら即覚えられる二種の違いは、こちらの記事をどうぞご覧ください。
今回は、「ペンギン目ペンギン科フンボルトペンギン属」の、外見のよく似た四種のペンギンの見分け方をお届けします。
フンボルトペンギン属の特徴
では、『白黒スイマーズ』に登場する、「アデリーペンギン属」と比較しながら、「フンボルトペンギン属」全体の特徴を復習しましょう。
まずは「アデリーペンギン属」の皆さんに登場していただきます。
アデリーペンギン! 奇行と変なコスプレ担当、プロマイド店店主の阿照キュー太さん、阿照さんの奇行の一因? ヒゲ社長の店で勤務中、すんごく可愛い阿照川鈴子さんの種族です。
ジェンツーペンギン! アイドル兼カチューシャ屋(主力商品は魚醤?)の慈円津サエリさん、妻の順子さん、子供のジュリーがこの種族。
ヒゲペンギン! 元ブラック小石店店主、心を入れ替えるもますます商売熱心な比毛ボーボ社長や、娘の比毛房子さんの種族。
以上の三種は近縁で南極や亜南極域に住み、外見にも共通点があります。大きめの中型種で、体の形やプロポーションが似ています。また、お腹が真っ白、背は黒く尾羽が長い、足がオレンジ色、クチバシが細めで尖っている、クチバシのすぐ近く(またはクチバシの先)まで羽毛で覆われている、などの特徴があります。
では次に、フンボルトペンギン属を代表して、ケープペンギンに登場してもらいます!
景布アフ信(けいぷ・あふのぶ)さんの種族ですね。小さめの中型種です。アデリーペンギン属と比べるとやや小さく頭が大きめに見えます。足が黒い、クチバシが太め、クチバシの周りに羽毛がなく皮膚の露出したピンク色の部分がある、お腹に黒い帯や斑点などのもようがある、などが特徴です。比較的暖かいところ〜暑いところに住んでいます。
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フンボルトペンギン属のメンバー:フンボルトペンギン、ケープペンギン、ガラパゴスペンギン、マゼランペンギン
フンボルトペンギン属全体の特徴は上記の通りなのですが、フンボルトペンギン属に属する四種のペンギンはかなりよく似ています。『白黒スイマーズ』には、今のところ「フンボルトペンギン」「ケープペンギン」「ガラパゴスペンギン」の三種が登場しています。イラストで見てみましょう。
う〜ん、似ていますね。モノクロだとわかりにくいので、体色と関係のあるところだけ着彩してみます。
違いがわかりやすくなったでしょうか。
見分けるポイントは「胸にある黒い帯の本数と太さ」「クチバシのまわりのピンク色の部分の大きさ」「顔の白い部分の大きさ」です。もう少し詳しく。
フンボルトペンギン属の見分け方
では、『白黒スイマーズ』には未登場の「マゼランペンギン」も含めて、まとめていきます。
見分けポイントその1:胸に黒帯が1本か2本か
フンボルトペンギンとケープペンギンは1本、ガラパゴスペンギンとマゼランペンギンは2本です。また、ガラパゴスペンギンは黒と白の境界がやや不明瞭な傾向があります。
四種とも黒い帯の下には黒い斑点がありますが、この斑点の数や分布などは、種によって違うというより個体差が大きいようです。
見分けポイントその2:帯の太さ
フンボルトペンギンとマゼランペンギンは黒帯が太め、ケープペンギンとガラパゴスペンギンは細めです。
見分けポイントその3:顔の白い部分が大きいか小さいか
ケープペンギンとマゼランペンギンは白い部分が大きめ、フンボルトペンギンとガラパゴスペンギンは白い部分が細い線状で小さい。
見分けポイントその4:クチバシ周りのピンク色の部分が大きいか小さいか
フンボルトペンギンとガラパゴスペンギンはピンク色の部分が大きめ、ケープペンギンとマゼランペンギンは小さめ。ピンク色はクチバシの色ではなく、羽毛がなく皮膚が露出している部分で、温暖な場所に住むペンギンならではの特徴といえます。
では、さらにわかりやすく図解するべく、なんとなく平均的フンボルト属っぽい白ペンギンさんに登場してもらいましょう。
ではこれから白ペンギンさんが四変化します。
ガラパゴスペンギンだけ少し小型ですのでサイズも反映させています。
以上、4つの見分けポイントと図解でした。
実はこれら、黒帯が2本のケープペンギンもたまに見られるなど、絶対的なものではありません。それもそのはず、フンボルトペンギン、ケープペンギン、マゼランペンギンは、飼育下でも野生でも交配した例があり、同種だという説もあるほど近い種なのです。ですが、同種のペンギンの群の写真から特徴を見つけるなどの場合、以上のポイントを押さえておけば見分けられるでしょう!
でも、結構ややこしいし、覚えにくい……という読者の方に、『白黒スイマーズ』の登場キャラクターのイメージに関連させた覚え方をご紹介します。
もう一度ポイントを復習しますと、
- 黒帯が1本か2本か、太いか細いか
- 顔の白い部分が大きいか小さいか
- クチバシ周りのピンク色の部分が大きいか小さいか
に注目すること。ですが、2と3に関しては、フンボルトペンギン属では顔の白い部分が大きいペンギンはピンク色の部分が小さく、逆に白が小さいペンギンはピンク色が大きいという法則がありますので、「白」か「ピンク」か、片方覚えれば十分です。これを踏まえて、いよいよ覚え方です。
フンボルトペンギン属の見分け方と覚え方
フンボルトペンギン
けなげで一本気、紅いほっぺの分堀戸兄妹、太いベルトで張り切る!
はい、無理のあるダジャレも入っておりますよ。でもこれで覚えられます。かつてはブラック企業だった比毛社長の店で一生懸命働いていたけなげなボルルとルトト。一本気(黒帯1本)な兄妹の紅いほっぺ(目の周りのピンクが大きい)に太ベルト(フンボルトだけに)がお似合い!
フンボルトペンギンの一族がブラックな労働から解放されるお話はこちらを。
ケープペンギン
心も腹も目も真っ白、純真無垢な景布くん!
ペンギン界で大評判、ホドヨイ区の皇帝さん製「おさかなフラッペ」を食べたくて上京した景布アフ信さん。とにかく純真で無邪気。時に人の心を溶かして暖め、時に空気を読まないばかりか破壊する……そんな景布さんが登場する第6章「皇帝のいない世界」はこちらです。
純朴な青年、景布くんには「白」がお似合い。黒帯は1本だけ。しかも細い帯。顔も白いところが多くてピンクのところは少ない。白いフンボルト属、それがケープペンギンです。
ガラパゴスペンギン
一筋縄ではいかない幻惑のス太郎ズ、でも真っ赤なハートは隠せないっス!
トリックスター的存在といえば、ホドヨイ区の阿照さん、そしてアッツイ区のス太郎ズです。呑気者ながらその気分の行方は誰にも予測できず、一筋縄ではいかない(黒帯は1本じゃなく2本)のです。白黒の模様も細くてちょっとモヤっとしていて変幻自在!? でもご存知、アッツイ区のペンギンらしく、熱い真っ赤なハート(目の周りのピンク色にあらわれてしまうのです)の持ち主です。
ちなみに、地球ではペンギンは南半球にしかいないとされる鳥ですが、唯一熱帯に住むガラパゴスペンギンは、赤道をちょっと北に超えたところにもいるとかいないとか……ペンギン界の変り種なのは間違いない!
マゼランペンギンの性格を勝手に予測!?
さて、『白黒スイマーズ』には未登場のマゼランペンギンが残りました。この先登場するのでしょうか。黒帯2本で帯は太く、顔の白い部分が大きく、ピンク色の部分が少ないマゼランペンギン。登場するとしたら、う〜ん、文武両道(または二刀流の使い手)で白黒ハッキリ、超キレイ好きの、クールなキャラクターじゃないでしょうか。
全然違っていたり登場しなかった時には、ここは後に書きかえるかもしれません……。
と、勝手に予測&予告して、豆知識をこれにて終わります。
フンボルトペンギン属の見分け方覚え方、いかがだったでしょうか。
『白黒スイマーズ』、来週は、「ペンギン世界の崩壊」という、タイトルを見るだに恐ろしい、新しい章が始まりますよ。
ご感想・作者への激励のメッセージをこちらからお待ちしております。次回もどうぞお楽しみに。