ちなみに、これらのエピソードに対する師匠たちのコメントは以下のとおりです。
石門和尚:「龍牙和尚はツッコミに弱いのだ。弟子にイタイところを突かれて思わず説明っぽくなってしまっている!」
雪竇和尚:「翠微和尚と臨済和尚の得意技は、相手の肝をいきなりひっつかむことだ。ワシが龍牙和尚の立場だったら、戦板だろうが布団だろうが求められるなり真っ向から投げつけてやるぜ!」
五祖和尚:「龍牙和尚のマヌケづらには呆れるばかりだ。よくないことが起こらなければいいが・・・」
黄龍和尚:「龍牙和尚のやりくちは、農夫の牛を逃し、飢えた人から食べ物を取り上げるようなものだ。純金かどうかは火にくべてみればすぐわかるのさ!」
龍牙和尚は翠微和尚と臨済和尚に会った後、徳山和尚のところに行って、以下のような問答をしています。
龍:「もし私が伝説の宝剣で和尚の首を取ろうとしたらどうします?」
徳:「ストン!(首が落ちる仕草)」
龍:「・・・先生、首が落ちましたよ。」
徳:(無言でニヤニヤしている)
その後、洞山和尚のところに行き、以下のような問答をしました。
洞:「どこから来たのかな?」
龍:「徳山和尚のところから来ました。」
洞:「彼は何と言っていたかな?」
龍:「いや、徳山和尚は何もおっしゃいませんでしたが・・・」
洞:「なんと、オマエには徳山和尚の言葉が聞こえなかったのか!? それでは徳山和尚が落とした首をワシに見せてみろ!!」
これを聞いた龍牙和尚は悟るところがあり、徳山和尚の居る方角に向かってお香を焚いて礼拝懺悔したとのことです。
それを伝え聞いた徳山和尚は以下のようにコメントしたとか。
「洞山和尚のアホンダラめ! あの男はとっくの昔に死んでいるのだ。今さら救おうとしても手遅れだよ。(笑) ・・・まぁ、勝手に私の首を持って世界中を歩き回るがよいわ。」
―――――つづく
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