巌頭:「ハイハイ。頼むからそういうことに気をとられるのはやめてくださいな。
少なくともあと30年は。」
雪峰:「・・・じゃあ、これはどうだ?
オレ様はな、かの洞山禅師が水に映る自分の姿を見て悟った時に詠んだという詩を読んだだけで、かなり悟るところがあったんだぜ!!」
巌頭:「・・・もしそうだとしたなら、お前はもう手遅れだよ。」
雪峰:「なんだと!?・・・じゃあ、これはどうだ。
オレ様はな、かつてあの有名な徳山禅師に鋭い質問を投げかけて、棒で殴られたことがあるんだぜ!
「臨済の喝・徳山の棒」で有名なアノ「徳山の棒」を受けたんだぜ!
どうだ、参ったか!!」
それまでおとなしく聞いていた巌頭さんでしたが、ここでついにブチ切れました。
巌頭:「この、大バカヤロウめ!!さっきから聞いてりゃ、なんだいそれは?!
お前が言っていることは、よそからかっぱらってきたモノを握りしめて「これが我が家に代々伝わる家宝なのです」というのとおんなじだ!!」
雪峰:「・・・じ、じゃあ、いったいどうしたらいい?」
巌頭:「全ての事柄について、お前の胸の中からあふれ出すものだけを頼りにしろ!
そして、それでもって天地を覆い尽くしてしまえ!!」
それを聞いた雪峰くん、巌頭さんに深く頭を下げると勢いよく立ち上がりました。
そしてすっかりハイになって、こう叫びまわったそうです。
何回も、何回も。
雪峰:「ワーオ!オレは悟ったぞ!!今、初めて全てがわかった!!
オレは悟ったぞ!!ヒャッホーイ!!最高だ!!
今、初めて全てがわかった!! 」