1974年という名のバー(後編)
◆前編はこちら◆ 常連はほぼ顔見知りで、あいさつするだけの人からつい話しこむ人までさまざまだが、不快な人物にあったことはない。年齢も、...
心しか泊まれないホテルへようこそ
◆前編はこちら◆ 常連はほぼ顔見知りで、あいさつするだけの人からつい話しこむ人までさまざまだが、不快な人物にあったことはない。年齢も、...
行きつけのバーを持たない人が気の毒だとは言わない。 ただ、こんなときどうするのだろう? 一日の用はすんだ。結果はどうあれ力はつくした。し...
◆第2話はこちら◆ 夢を見ているような気分のまま、おじいちゃんとぼくは歩きまわりました。 学校にも、神社にも行ってみました。 どこ...
◆第1話はこちら◆ 夜になって、おじいちゃんとぼくは、薬を飲んで外へ出ました。 ぼくは砂浜のときを思い出して、あしあとをたどってみよ...
ぼくは幼いころに両親を亡くし、おじいちゃんに育てられました。 おじいちゃんはおばあちゃんに先立たれていましたから、まあ、今思えば、さみしい...
落とし物はたいてい海の底にあります。 どんなものも、高いところから低いところへ、転がり落ちるからです。 山で落っことした水筒のふただって...
作家というのはおはなしを作る人だと思っていませんか? じつはちょっと違うのです。作家は自分でお話を作るのではありません。おはなしの国に行っ...
もしも空がなかったら 鳥のつばさも役立たず 夏のさかりにパタパタと うちわの代わりができるだけ だって空がなかったから むかし...
いつかぼくは佐野さんがエッセイや短編小説も書いていることを知った。絵本とはまた異なった世界がそこにはあり、そして、そちらもまた魅力的だった。...
まだ学生の頃だったと思う。不思議なラジオドラマを聴いた。相性が完璧であったゆえにこの世にいられなくなり、海に飛び込んで鯨になった男女の話。波...