アスク・ホールディングス 山本明美社長第1回

8月の社長インタビューはアスク・ホールディングスの山本明美社長です。「常に未完成のしなやかな創造集団」というキャッチフレーズを掲げ、DTP、デザイン、リラクゼーションサービスと多岐にわたる事業を成功させてきた山本社長に、創業期からのお話をたっぷりうかがいます。


時代の変化をつかみながら
アスクホールディングス山本明美社長

山本明美社長

起業されたころのお話からうかがわせてください。

「独立したのが1988年、福岡市に住んでいました。その前は富士通関連の会社(情報処理)に勤務して、インストラクターとして企業などに技術指導していました。
入社当時は最先端のワープロが360万した時代です。フロッピーが8インチで、ぺらっとした紙のようなカバーに入ってて大きいの。そこから5インチ 3.5インチと小さくなって。。。知らないでしょう?(笑)

出産のため退職して、自宅の一室で起業したんです。
企業側と同じ機器をそろえ、FAXとモデムで通信環境を整え自宅で仕事するのは、当時としては画期的なスタイルでした。
OL時代の経験とノウハウが大いに役に立ったから、独立の不安はなかったですね。

私が自宅で仕事しているのを見て、近所の人が「教えて」と言ってきました。「いいですよ」と教えてたら口コミでどんどん広がって。ブラインドタッチと文書や表計算のやり方などを教え、腕のいい人には下請けで仕事を発注するようになりました。

当時、仕事はいくらでもあったんです。大手電力会社などから企業内で処理できない図面処理や膨大な入力作業等、何百枚もきて大忙しでした。
加えて、専門学校から講師を頼まれたり、派遣会社からは人材紹介を頼まれたりするようになり、事業はとても好調でした。
そうなると自宅の一室とはいかなくなって別の場所に事務所を借り、それが本格的な会社の始まりです。
時代もよかったんです。バブルのころですから」

その後デザインの方へ行かれたのは?

「3、4年ほどしたころ、DTPは労働集約的な仕事ですから、いつまでもは続かないと感じてきました。仕事の幅を広げるため電子組版機を導入して、地元の大手新聞社の仕事を請けるようになりました。プログラムを組むので入力作業と比べると簡単ではありませんでしたが、仕事はやりがいもあり、収入も高く面白かったです。
ただ子育てとの両立はやはり大変でしたね。保育園の送迎、食事の用意、寝かしつけてから事務所に戻り朝まで作業、なんてこともありました。

事業の発展にともなって、広い事務所へ移り、社員も10名程抱えるようになりました。
そのころ登場したのがMACで、それまでのビジネスワープロや電子組版機とはまったく違うものでした。
MACを使えば、お客様にさらに一歩進んだものを提案し、もっとクオリティーの高いデザイン表現ができる。これだ!と思いました」

「絵やデザインは子どものころから好きだったんです。ただ商業デザインはデザインのイロハが判らないとできません。もっとデザインの勉強がしたくなってきて。

友人の紹介で地元の凄腕のグラフィックデザイナーとお会いしました。当時の九州では最先端の方で、チラシとかパンフレットとか、めちゃめちゃいいの作ってたんですよ。
企業の求めているものを的確に捉え表現していく洗練されたデザインに驚きました。私もこういうの作りたい!と思って「教えてください」って頼んだんです。
午前はこちらで勉強、午後からは自分の会社という生活をしばらく続けました。

あるときこの人から「あなたに教えることもう何もない。作りたいように作ったらいいですよ」と言ってもらいました。そのころから、オペレーターでなくデザイナーを採用し始め、事業の中心をデザインへと転換していったんです。

やがて10人くらいのデザイン会社として、東京にも進出、南青山に事務所をかまえました。大手保険会社や証券会社などからも直接仕事をもらい、代理店を兼ねたデザイン制作会社として、忙しい日々を送るようになっていきました」

山本社長インタビュー第2回は8月8日(月)更新です。お楽しみに!


山本明美(やまもとあけみ)
宮崎県出身:ASC創業社長
1988年 富士通FIP退社後、同年「ASC:アスク」を創業。DTP〜IR支援企業の制作プロダクションとして事業を拡大。2002年、リラクゼーション事業を開始。「ボディケア利楽園」を開店、2004年、業界初の株式公開、日米22店舗展開し利楽園ブランドを構築した。また遊休不動産の付加価値事業として日米で40以上の開発プロジェクトを手掛けた。(リンク参照)http://relaken.com/akemi-yamamoto-desgin-produce-work
2009年から開発を手掛けた”米国初の本格岩盤浴”は 日本の温浴文化として地元で話題となった。現在 レイクウッド市、アナハイムヒルズに岩盤浴スタジオを開発中。また居住用不動産の販売管理とバリューアップデザイン開発プロジェクトはテキサス州にも展開している。


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