Psychic VR Lab 山口征浩社長インタビュー第1回

「誰もが超能力と魔法を使える時代が来る」――そう話すのは株式会社Psychic VR Lab(サイキックVRラボ)の山口征浩社長です。VR(ヴァーチャル・リアリティー)を活用した商品・サービスが話題となりVR元年と言われる今年、トップランナーの一人である山口社長にVRの現在と未来をうかがいます。


VRとは何か? そしてどこへ向かうのか?
株式会社Psychic VR Lab(サイキックVRラボ)山口征浩社長

山口征浩社長

サイキックVRラボはどんな会社でしょうか?

「ファッションVRショッピングサービスSTYLY(スタイリー)を手掛けるスタートアップ企業です。

社名にあるサイキックは超能力のことで、ぼくはVRを「人間が潜在的に持っている力を引き出してくれるもの」と考えています。
VR技術によって、ファッションデザイナーをはじめとするクリエイターは現実世界では表現しきれなかった魅力を伝えられるようになり、そして利用者は魔法にかかったようにその世界を楽しむことができます。
創造力も感受性も高められた世界で、今まで使えなかった力が使えるようになる。つまりサイキック、超能力と魔法を使える時代が来たわけです」

株式会社Psychic VR Lab(サイキックVRラボ)

サイキックVRラボのロゴ

「会社のロゴをご覧になってください。丸と四角、白と黒。対極にあるものが混ざり合っているイメージです。

対極にあるもの、たとえば現実と非現実。自分と他人。過去と未来。生命とコンピュータ。生と死。
テクノロジーの行き着く先は、それらが融合すること、違いを意識しなくなることだと思うんです。
AI(人工知能)と生命の違いは益々あいまいになり、今の子どもたちが大人になるころには、もう区別すること自体に意味がなくなっているでしょう。

近い将来、10億人を超える人々が日常的にVRデバイスを身につけ利用する、現実と仮想現実の混在する多層世界で生活する時代が必ず来ると思っています。そこでは現実と仮想現実は融合してそもそも区別されないんです。

一昔前ならSFだったかもしれない。映画や小説の話だろって言われたかもしれない。
でも今はそういう未来をリアルに感じている人が世界中に何万人もいて、ぼくもその一人くらいの感覚です。突拍子もないことを言ってるつもりはないんです。

現実と仮想現実を同時に生きるというと大変な変化のようだけれど、意外とちょっとしたことかもしれないんですよ。
今ぼくたちが感じている現実だって、完全に客観的なものではなくて、かなりの程度脳が作り出しているものです。
だから自分の心や身体の調子で同じものも違って見えたりするでしょう?
そこに、もう少し新しい要素が加わるだけ。人間の脳は、案外やすやすと対応するだろうという気がしています」

近い将来って何年くらい先ですか?

「10年。10年でないとしても20年。
今年2016年はVR元年と言われています。これはビジネスとしても成立する時代が来たということです。
VR自体はずいぶん昔からあったんです。でも実益を生まないもの、ビジネスにならないものは進歩が遅い。
いろんな条件がそろって、経済を巻き込んで加速するはじめの年が今年でしょう。

ぼくらも単なる研究開発ではなく完全に事業として立ち上げています。ビジネスを通して人々の役に立ちながら未来を創っていきたい。
2016年、将来振り返ったとき記念すべき年になるんじゃないでしょうか」

山口征浩社長インタビュー、来週14日(月)更新の第2回へと続きます。お楽しみに!


山口征浩(やまぐちまさひろ) 1977年生まれ
株式会社Psychic VR Lab代表取締役。VRを用いて超能力と魔法の使える社会の実現を目指す。13歳よりプログラミングを始める。同志社大学工学部中退。20代後半にマザーズ上場テクノロジー企業の経営を経験。31歳のときMITへ2年半の留学。2014年VR研究開発部門Psychic VR Labを立ち上げ2016年法人化。