新年明けましておめでとうございます。
今年も魔談をどうぞよろしくお願いします。
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今年は寅年。トラといえばタイガーである。そこで年頭魔談はこの機会にひとつ「テーマ・タイガー」で毎回読み切りの短編タイガー談を4本ほどやろうかと。
題して「タイガー魔談」。なんか強そうである。お題は最強だが内容は全然怖くない。
さてタイガーで「魔」とくれば、日本では「タイガー魔法瓶」である。昨今ではステンレスボトルとかマグボトルと呼ぶ人もいるようだが、やはり我々60代世代日本人には圧倒的にタイガー魔法瓶である。
ちなみに前述のステンレスボトルだのマグボトルだのは西欧人に通じない。では彼らはなんと呼ぶのか。アメリカ人は「バキュームボトル」、イギリス人は「バキュームフラスク」なんだそうである。真空構造が特徴のボトルなんで、こうなってしまうのだ。しかし日本ではこのネーミングはノーグッドどころか完全にアウトだ。「バキューム」のイメージが悪すぎる国(笑)というのも珍しいかもしれないが。
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本題に戻そう。タイガー魔法瓶。これは商品名のみならず会社名でもある。「タイガー魔法瓶株式会社」(本社:大阪府門真市)なのだ。さすがに「この道ひとすじ」といった社名で、気合が入ってますな。その公式サイトに掲げられた会社精神はこうである。
タイガー魔法瓶株式会社は、「世界中に幸せな団らんを広める」というVisionのもと、真空断熱ボトルや土鍋の圧力炊飯器など、ぬくもりのある製品を作り続けています。
なぜ「ぬくもりのある製品」を追求する会社がタイガーなのか、なぜ「Vision」だけが英文なのか、両方ともよくわからないが、とにかく「強いボトル!」というイメージでタイガーなのだろう。事実、1923年(大正12年)の創業時に作られた円形マークに登場のタイガーはじつに厳ついタイガーであり、MGM映画オープニングで有名な「吠えるライオン」同様に、お決まりの「ガオーッ」である。
ところで会社創業の1923年(大正12年)と言えば、関東大震災である。タイガー魔法瓶株式会社の創業は大阪府門真市なんで関係ないように思われるのだが、じつは大いに関係があるのだ。それはこの会社のサイトにある「しあわせの魔法瓶/漫画で読むタイガー魔法瓶創立のおはなし」を読めばわかる。
これは1989年(平成元年)に「小学3年生」(小学館)2月号・3月号で連載された漫画ということらしい。じつに丁寧に作られた漫画で、これを読むと会社の創設者・菊池武範さん(愛媛県出身)がいかに大変な苦労を経て大阪で会社創業に至ったか、まさに「小学校3年生でもわかる説明の漫画」となっている。
関東大震災の時、東京の商店に置いていた虎印魔法瓶(当時はタイガー魔法瓶ではなくトラジルシ魔法瓶だった)100本は、なんと1本も割れなかった。これが評判となり、その後、東京で飛ぶように売れたのだ。
25ページの漫画なので20分もあれば読める。ぜひ一読をお勧めしたい。
https://www.tiger.jp/corporate/history/02.html
【 タイガー魔法瓶/完 】