別訳【夢中問答集】第四十六問 他人の批判をしてはダメ? 2/3話
他人の批判と自他の区別をやめてしまったとしても、それだけではまだ足りない。 両親が生まれる前まで遡って「自分」を見つけられるのでなければ、...
東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。 意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
室町時代のディアロゴスの軌跡が、七百年後の今に甦る!
時の副将軍である足利直義(尊氏の弟)と鎌倉仏教興隆の立役者である夢窓国師の間で交わされた問答の記録を、読みやすい現代語で再構築してご紹介。
著者:文野潤也
他人の批判と自他の区別をやめてしまったとしても、それだけではまだ足りない。 両親が生まれる前まで遡って「自分」を見つけられるのでなければ、...
足利直義:昔の偉い人は「本当にものごとのわかった人は他人の批判などしないものだ」と言ったそうです。 確かにそれはそうなんだろうとは思う...
足利直義:なるほど・・・ それでは仏教だとかなんだとかを含めた一切を放っておくのが究極の境地なのですね? 夢窓国師:達磨大師は「外部の...
足利直義:その理屈はわからなくもないですが、実際にムカつくヤツを見ればムカつくし、色っぽいネエちゃんを見かけたら声をかけてみたくなるのが人情...
今どきの修行者に大乗仏教について語らせてみると、結局この四つの考え方を出られていないことが多い。 まぁ、当の仏さまもこの四つの考え方で...
足利直義:なるほど・・・ ちなみに和尚が属する禅宗を始めとしたいわゆる大乗仏教ではしきりと「この世は夢・マボロシだ!」と力説しますが、それ...
足利直義:と、いうことであればですよ。まずは環境に振り回される気持ちを落ち着かせることに専念して、それがなんとかなってから「究極の真実」と向...
近ごろ儒教と仏教の融合を唱えて物議を醸した中峰という和尚がおるが、彼の主張の大半が世の人々の日常に対する認識の歪みを正そうとするものなのも、...
こういった物ごとの考え方、つまり世間との折り合いのつけ方は、お経の中に様々な事例として書かれておる。 禅宗の開祖である達磨大師は、これ...
柄杓が大きいとか小さいとかだけの話に限らず、近ごろよく言われる「○○ガチャ」の当たりハズレや寿命の長短、経済的な貧富や世間的な地位の高低、世...