Twitterでお話しました
みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。
ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「妄想生き物紀行 第16回 シカ〜生物学革命の真っただ中で、古典的なエゾシカの食物連鎖を叫ぶ」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、今回もお伝えいたします。
先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただき、そしてポッドキャスト「妄想旅ラジオ」第16回「シカ」もお聴きになるとより楽しめる内容です。
もしも千葉県と栃木県が合併したら!?
今回のエッセイの冒頭でさっそくびっくりしたのは、「シカは偶蹄目」という知識がもう古いということ、そして新しい分類が「鯨偶蹄目」という、なんじゃそりゃ!? とあからさまに謎めいた名称だということでした。同じように感じた方も多かったはず。そこでお聞きしてみました。
ぐっちーさん @mousou_guccy に質問です!「鯨偶蹄目」と聞くとものすごい不思議生物を想像してしまいますが、「クジラ目」と「偶蹄目」が統合されたからと知ってな〜んだ、と思いました。自治体の統合みたいです。分類が見直されている昨今、こういうケースって多いんでしょうか?
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) February 3, 2021
前回のマンボウの時も分類上のニューウェーブの真っ只中にいるんだなと実感したものですが、もはやこんなの、日常茶飯事だったりするのか。だったらびっくりですが。
属単位や種単位での分類見直しはたくさんあると思いますが、目単位はなかなか無いのではないでしょうか
千葉県と栃木県が合併したような、あるいはイギリスとアイルランドが合併したような、そんなインパクトがあります— ぐっちー (@mousou_guccy) February 3, 2021
ですよね〜、鯨偶蹄目って!
つくづく学生の時に教科書にあった知識がどんどん古くなる時代って面白いです。進んで得ようとする人だけが、そして得ようとしさえすれば誰もが現実の手触りを知れて、得ようとしない人はむしろバーチャルな世界に生き続けているような感じがたまらないです。
現実といえば、ぐっちーさんは通勤中によくシカと出会うと以前ラジオで聴いたのですが……?
やっぱりそうなんですね。しかも「千木県」や「栃葉県」ではなく「千葉栃木県」形式ってところが面白いですが、地名じゃないからその方がむしろ自然なのか?
ところで、最近日常でシカと遭遇しましたか?— SAITO Ukyo (@ukyo_an) February 5, 2021
通勤路で時々見かけます
いつ飛び出してくるかヒヤヒヤしています
今の時期、路面凍結で急ブレーキは命取りになってしまいますね
スピードを落として安全運転に心がけています— ぐっちー (@mousou_guccy) February 5, 2021
やはり今もシカと出会う日々、路面が凍ってツルツルの今はシカも人間もお互い、交通事故に最も注意を払うべき季節なのですね。
今回の写真は人間とシカの距離が近いことがわかる写真にしました
— ぐっちー (@mousou_guccy) February 5, 2021
エッセイのページの冒頭に載せた、この写真ですね。
これは春の始め頃か、まだ道に氷が残っています。シカ、存在感ありますね。
シカは本当に人間の近くにいる生き物なんですね。ちなみに、ぐっちーさんシティのあたりでも、「今年は多いな」など、頭数の増減を感じることはあるんでしょうか?
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) February 6, 2021
多い気がします
毎年近くで駆除をしていますが、環境に負荷をかけているからといって、シカを殺していいものかわかりません— ぐっちー (@mousou_guccy) February 6, 2021
「駆除」は害虫・外来種の魚・ネズミなどでもかなり何かを思わされる行為ですが、シカとなるとますます生々しく感じられます。「妄想旅ラジオ」のリスナーはみなさんご存知と思いますが、人間と他種生物の最適な共存とは何か、という答えの出にくい問いはぐっちーさんの大きな関心事。シカなど自然を身近に感じることでそれらが現実の手触りを失うことなくいつも頭にあるんだろうなと感じ入ったのでした。
寝ている間に鯨偶蹄目
シャルル大熊さんからご質問いただきました。
ぐっちーさんに質問です。クジラの先祖が4本足の陸上生物だったと聞いたときは心底驚きました。いったいどれほどの年月が牛やシカのような生き物を魚のような姿に変えたのでしょうか?
— シャルル大熊 (@charles_okuma) February 5, 2021
それ、不思議ですよね。シカとクジラが近いと言われてもにわかには信じられません。
調べてみたのですが、だいたい5000万年前くらいじゃないかと思います
地球の歴史を1年に例えると、12月28日頃でしょうか
もう仕事納めですね— ぐっちー (@mousou_guccy) February 6, 2021
5000万年が長いんだか短いんだかわからなくなってきます。
5000万年後には人類もタコとワシを足して100倍したような生き物になれるかもしれませんね。
— シャルル大熊 (@charles_okuma) February 7, 2021
たしかに、人類の進化のスピードを考えれば、それくらいは行ける! かも?
だってこれですよ。
私もちょっと調べた(といっても例によって検索ですが)ところ、 この「パキケトゥス」は5300万年前ほどに生息していた、最古の原始的クジラ類だそうです(Wikipediaより)。
大きさはオオカミくらいで、水陸両域にいたけれどどちらかというと陸上生活に適していたとのこと。見るからにそうです。頭が大きくて首が太い犬みたいです。目の位置が高かったので体の大部分が水に浸かっていても周囲を視認できたということですが、うーん、5000万年あったとはいえこうなるとは……
もし私が神だったら
どんな生物が生まれるか、楽しみですね— ぐっちー (@mousou_guccy) February 7, 2021
仕事を終えて海に還ったみたいですね?
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) February 6, 2021
仕事納めと聞いて上の画像二枚を見比べると、やれやれ一仕事終わった、海行こう、海! みたいに見えてきませんか。
というようなわけで描いたのがこのページの冒頭の絵です。
クジラの先祖がシカの先祖を海に誘ったがシカの先祖は断ったの図、であります。シカの先祖じゃなくてシカじゃないかと怒られそうですが、共通の先祖を持つ近い種なのだから当然といえば当然ながら、真面目にシカの先祖を描くとクジラの先祖と大して姿が変わらず限りなく意味不明な絵になりそうだったもので……ほかにもあれこれおかしなところのあるフィクションということでひとつ、よろしくお願いします。いや〜、シカがあの時海に行っていたらと思うと。
ホモサピエンスの誕生は12月31日23時37分だそうで、私はもう寝ています
— ぐっちー (@mousou_guccy) February 6, 2021
人類が自滅することなくこの先数千万年の進化をしたならば、子孫はどんな姿になっているのでしょうか? タコとワシを足して100倍したような?それとも……
分類学、という概念がまだあるならば、それも面変わりしていることでしょう。人間は霊長目と思われていたがむしろ昆虫に近かった、と判明しているかもしれません。
シャルル大熊さん、ありがとうございます!
人類の未来に思いを馳せつつ、今回はこの辺で。
次回のエッセイは可愛い可愛い森のアイドル「オコジョ」がテーマです。どうぞお楽しみに!妄想旅ラジオ第17回「オコジョ」も、オコジョの生態のみならず、オコジョと紋章の知られざる深い関係、唐揚げで世界平和、など楽しさ満載の回ですのでぜひ予習がてらお聴きください。
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