ジャッカルは何を踊るのか ぐっちーさんと話そう<99>

ラグビーだけじゃありません。阿波踊れ、ジャッカル!illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

X(旧Twitter)でお話しました

こんにちは。今週もよろしくお願いします!

みなさまこんにちは。「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。

今回も、ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「ジャッカル〜ジャッカルとイナバウアーとヒッグス粒子」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、お伝えいたします。

先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただくとより楽しめる内容です。

ぐっちーさん、どうぞよろしくお願いします

「Aじゃん」でええじゃないか!

いや〜、すごいんですよ。何がすごいって、

ぐっちーさんが「フロントサイドトリプルコークフォーティーンフォーティ」というスノーボードの技に名前をつけたいとコメントしていたので何だそれは、と動画を見てはみたものの、すごいという感想しか出てきません。

まったくですね。すごいでんぐり返りジャンプできちゃう選手はみんなすごいので、みんな「すごいでんぐり返りジャンパー」ってあだ名をつけちゃいそうです。ますますいい命名は遠ざかっていきます。

ポチ子さん! ナイスアイディアありがとうございます。
絶叫系アトラクションも、怖さを売りにするだけでなく、「あのアスリートの感覚が体感できる」というアピールもありですね。K点超えコースターとか。もれなく怖そう。

私はぐっちーさんのこのコメントを見て、「知り合いを六人たどれば世界中の人と繋がれる」説を思い出しました。連想を広げるとほんの二つ三つのプロセスでとんでもないところへ行き着くので、もし今の連想から「フロントサイドトリプルコーク1440」が「太陽の塔」という名前になっていたら、その由来を辿るのは至難の技でしょう!

連想も1プロセスで止めておけば、命名の由来がこのようにいい具合に納得できるエピソードに収まりますね。

ものの名前の由来がたいていは「諸説あるが不明」なのは、連想のスピードが速いからなのかもしれません。

スノボと有機化合物の共通点

トリフィドさんからコメントいただきました。

確かにスノボの技、妙に系統だってスッキリしていますよね。

「フロントサイド」は前側

「トリプル」は三回転

「コーク」はコークスクリューという斜めに回転する技

「1440」は合計の回転角度を表しているそうです。

有機化合物は、基本となる鎖状や環状の炭化水素がどこで分岐していて、どこに何が結合しているかで名前が決まり、名前を聞けば構造式がわかるという仕組みでした。忘れたけど昔習いました。忘れたけど。2回言っといた。

あ、それ気になります。

「ベンゼン環」って芳香族の基本の構造で、ベンゼン環のどこに何が結合しているかで「エチルベンゼン」などと名前が決まるんでした。じゃあベンゼンってどこからきた名前なんだ?

はい、ベンゼンは材料由来の名前だそうです。料理名で言うと「芋の煮っ転がし」タイプ。

系統どこ行った! と突っ込みたくなりますが、最初から系統立てられるもんじゃない。そういうものですね。

体操といえば「月面宙返り」という命名は名作ですね。

ポチ子さん、どうもありがとうございます!

専門用語の花園

!?

シクロアワオドリン? 何それ……

そうですよね、重要です、わかります。でもシクロカサオドリン? 今日はエイプリルフールだっけ?

驚きました。本当にあるんですね、そんな物質名が。

ちなみにシクロアワオドリンの構造式はこちら。

輪になって阿波踊りを踊る人たちに似ている、ということらしいです。

実際似てますよねこれがまた! すばらしいネーミング。

系統立った命名があり、一方面白い慣用名もある。素晴らしきかな有機化合物の世界。

専門用語ってはたから見るとワクワクするところがあります。わかる人にはわかるんだろうなと想像する楽しさといいましょうか。専門性の花畑も美しいし、「阿波踊り」みたいな、素人にもわかる卓越したセンスの花が一輪、咲いていたりするのも素晴らしい。科学やスポーツにはまだまだ秘密の花園、いっぱいあるんだろうなあ……

えっ、デジタルイラスト!?

そんなところにも花畑が広がっているのかしらん。

エフェクトの組み合わせにも、私が無知なだけで百花繚乱・専門用語の花園がすでにあるのかもしれません。複製したりぼかしたりレイヤー効果変更したりアレしてアレする「グロー効果」とかは知ってます。あと、「ライトセーバーの描き方」とか「魔法陣の描き方」とか、デジタルイラストの先達たちがネット上に記事や動画を公開しているのを目にすることはよくあります。ああいうの大好きですが、自分独自の名前をつけている人をあまり見ないのは、みんな謙虚だからか? デジタル絵の世界に独自の「技」を生み出せるのはすごいことなのですから、先達の功績をリスペクトすべく、密かに命名しようかと思います。

意外と身近なところに花園の土壌を見つけてわくわくしてしまいました。

トリフィドさん、どうもありがとうございます!

さてページトップの絵ですが、ジャッカルです。本企画ではままあることですが、お題となった「ジャッカル」は放ったらかしの今回。ですが、「ええじゃないか」に「阿波踊り」に「傘踊り」と、妙に踊りが登場したのは、これはもうジャッカルが踊りたがっているに違いないと思った次第。次第と言われても、とお思いでしょうがぐっとこらえて。かわいいですよね、踊るジャッカル。ね?

ラグビーだけじゃありませんのよ。踊りは得意。特に阿波踊り。というわけで、今回はこれにて。

次回のテーマは「ホタテガイ」です。妄想旅ラジオ第100回「ホタテガイ」と関連した内容になります。すでにお知らせしている通り、約4年間ご愛読いただいた「妄想生き物紀行」ですが、100回目をもっていったん終了となりますので、次回は最終回です。エッセイもXでぐっちーさんとお話しよう企画もいよいよ最後。みなさま、ぜひエッセイを読んで、ぐっちーさんとお話しましょう! ホタテガイは「妄想旅ラジオ」の原点に帰るテーマ。ラジオのほうも、エッセイの予習がてらぜひ、初めての方もヘビーリスナーの方も、聴いてみてください! 次回もどうぞお楽しみに。

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