ぐっちーさんと話そう<14> 隠れても目立つマンボウ

マンボウの絵:う〜〜〜 マンボウ!

マンボウ illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

Twitterでお話しました

こんにちは。今週もよろしくお願いします!

みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。

ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「妄想生き物紀行 第14回 マンボウ〜最弱伝説はどのように創られたのか」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、今回もお伝えいたします。

先週のぐっちーさんのエッセイ、そしてポッドキャスト「妄想旅ラジオ」第14回「マンボウ」もお聴きになるとよりお楽しみいただける内容です。

ぐっちーさん、よろしくお願いします

隠れマンボウに騙される

マンボウがこんにちまで築き上げた独特の地位について大変勉強になる先週のエッセイ。私は読んで何が気になったって、種の名前です。「マンボウ」「ウシマンボウ」「カクレマンボウ」。命名も何というか、絶妙としか言いようがありません。特にカクレマンボウって。本当に隠れるの? どういうこと? これはぐっちーさんに聞いてみないと、と意気込んでいたらオーナー風こと風木オーナーに先を越されました。

それですよ。隠れたって見えるでしょうが。……と思いきや!?

なるほどそういうわけでしたか。

リンク先の記事、もちろん私も読んでみましたがとても面白くておすすめです。

 2017年7月、衝撃のニュースがマンボウ界を駆け巡った。 ある研究者は喜びのあまりインターネット上で暴れ回り、ある研究者はこんなの認められないと怒り狂ったメールを送ってきた。渦中の論文の執筆者の一人...

「カクレマンボウ」命名について、ウシマンボウ博士こと澤井悦郎さんによるこちらの記事から引用します。

 種小名のtectaは「隠れる、欺く」などの意味があり、長い間、他のマンボウ類に隠れて人をだまし続けたことが由来だ(我々が勝手に被害者ぶっているだけで、カクレマンボウは人をだますつもりなんて毛頭ない)。標準和名の「カクレ」も学名の隠蔽種的側面にちなんで命名した。

澤井悦郎さんは新種カクレマンボウ発見に寄与したマンボウ研究者で、和名カクレマンボウの名付け親でもあるそうです。記事中にあった、新種認定までの長い道のり「分類学者あるある」を読んだ後だと、いっそう恨みと苦労が感じられて味わい深い命名です。

風木オーナー、ありがとうございます。

卵3億個伝説に騙される

続いて、トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】さんからの質問です。

いつもながらさすがの着眼点……確かに、よく言われるように卵の数がナンバー1なら、精子の数だってナンバー1のはずですが、あまり聞いたことがないのはなぜなんでしょう。

(産卵場所もわかっていないのにどうして3億個ってわかったんだろう?)

はさておき、卵:精子の比率の定式があるのか、種によって違うのか、どの比率がどんな理由で有利になり得るのか!? うーん、どうなんでしょう。

ご報告しますと、その後調べてみても良くわかりませんでした。

で、わからなかったところで魚の小骨のようにどこかに引っかかっていた疑問が再燃。「卵3億個説が一人歩き」「俗説かもしれませんが」とお二人が書かれていたけれど、卵3億個は嘘なのか?

実は「ジャンプして死ぬ」などの都市伝説は割と最近聞くようになったせいもあり嘘だろうとクールに構えていた私ですが、子供の頃から一度や二度でなくいろいろなところで目にした「脊椎動物の中で卵の数が一番多いのはマンボウ。その数3億個」というのは信じて疑っていなかったのです。

先ほど登場の澤井悦郎さんによると、やはりこれも「伝説」だったようです。詳しくはこちらを。記事中に掲載されたマンボウの稚魚の写真が恐ろしく可愛いのでそれだけでも見る価値がありますぞ。

withnewsとは、あなたと一緒に “気になる”を解決するサービスです。日々のニュースで“気になる”ことはありますか?あなたのリクエストをきっかけに新聞社が一生懸命もっとフカボリ取材します。 いろんなメディアも巻き込んで一緒に “気になる”を解決していきます。つまり、withを大切に、みんなで一緒につくっていくのが...

より詳しくは、是非こちらを。「3億個伝説」のどこがおかしいかを澤井博士がちゃんと教えてくれます。

インターネット上では、「マンボウは1度に3億個の卵を産卵し、成魚まで生き残るのは2匹程度」という知見をよく見かける。これと同様の内容は丸山(2016)の『ざんねんないきもの事典』をはじめとした多くの図鑑や書物に収録されており、マンボウの凄さと残念さを印象付ける有名なトピックになっている。しかし、この知見は人々が伝言ゲー...

ギネスにも載ったのか……そりゃ騙される。マンボウは騙してないのに騙される。隠れてないのに隠れてしまい、それでいてひどく目立つ。不思議な魚です。

トリフィドさん、どうもありがとうございます!

数々の伝説を生んだのはやはり、マンボウの独特なルックスが原因か?

シャルル大熊さんからの質問です。

定説があったらその方が驚きですが、果たして!?

やはり定説はない。というか不明。納得です。伝説を多く生むことに最適化された形と言われたら納得してしまいそうです。

ちなみにマンボウは英語でsunfish 、headfish とも言うそうです。太陽の魚。頭しかない魚。英語圏もマンボウに混乱させられています。そしてこの混乱ぶりを擬態語で表現したかのような「マンボウ」との命名はおっしゃる通り天才的。シャルル大熊さん、ありがとうございます!

それで、このマンボウはどのマンボウ!?

そうなんです、先週のエッセイをfacebookで紹介したところ、友達が「この写真のマンボウはどのマンボウなのか?」とコメントをくれまして(注:下の写真です)、

慌てて私もマンボウの見分け方をググっと検索してみましたが、解釈には幅があると思われ、わかりませんでした。

なるほどこれは「マンボウ」でしたか。スッキリしました。友人K、そしてぐっちーさん、ありがとうございます!

そしてあまり本を探しに出かけることもままならない昨今ですので(これを書いている2021年1月11日現在、私の住む東京では新型コロナウイルス感染者激増のため緊急事態宣言発出中)、なんでもかんでも検索しまくりましたが、マンボウについて信頼できそうな情報を求めるたびに澤井悦郎さんの書かれた文章に出会い、たいへんわかりやすく勉強になりました。

澤井悦郎さん、どうもありがとうございます!

 ぐっちーさんのエッセイでも触れられていた通り、マンボウの研究を続けるのはとても大変なことのようです。

マンボウ好きの皆様、
*ウシマンボウ博士のファンクラブに入会する

*マンボウグッズを購入する

*レンタル博士を依頼する

などで応援できますよ! マンボウ研究の未来のためにぜひ。

マンボウ初心者の私、まずはこれ買って勉強しようかな

こっちも面白そうです

では今回はこれにて。次回のエッセイは「ツキヨタケ」です。初の菌類登場で、いつもとちょっと違う新鮮な回になりそうです。どうぞお楽しみに。妄想旅ラジオ第15回「ツキヨタケ」のほうも、怪しいきのこの都市伝説あり月旅行あり二大月光作曲家の食情報ありのオススメ回です!

ご意見・ご感想・ぐっちーさんへのメッセージは、こちらのコンタクトフォームからお待ちしております。

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