ウサギと一緒にアスパラ摘み・春の北海道妄想ツアー ぐっちーさんと話そう<79> 

北海道の新しいエコツアー(?)野良アスパラ摘み illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

Twitterでお話しました

こんにちは。今週もよろしくお願いします!

みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。

今回も、ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「ウサギ〜外来種問題でトーマス・オースティンが有名になった理由」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、お伝えいたします。

先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただくとより楽しめる内容です。

ぐっちーさん、どうぞよろしく!

キジ狩り、果物狩り、金魚すくい

最近、「コトブキ旅日記」という新しいポッドキャスをを始められたポチ子さんからコメントいただきました。

ダイアナ元皇太子妃「らしい」と感じるエピソードです。
キジ狩りにウサギ狩り。
英国貴族たるもの、狩らずにはいられない?

果物狩り放題というのもなかなかどうして業を感じる営みではあります。

そんなのあるのか……

ろうそくかと思ったらろうそく風LEDだった、なんてこともよくある昨今。

風情がないという意見もありますが、「風情」の正体って、解剖して切り分けてみるとなかなかに不気味なものも含んでいます。残せるし残したい部分もあれば、これはもうご勇退いただこうという部分もあるのではないかと。

謎のザリガニブーム

ところで私は、外来種といえば気になることがあるのです。

特定外来種に指定される前に駆け込みで何かしようということなのか? でも逆に特定外来種になれば駆除という名目で取ってよくなるから急がなくていいのでは? じゃあ外来種関係ない? と謎がいっぱいです。

名古屋の繁華街の公園といったらけっこう都会だと思いますが、そんなところにもいるのですね。

そうなのです。親子で楽しくザリガニ捕り、というよりはもうちょっと本気というか気合いというかが感じられる人々が公園に集結していたのです。

なるほど。食べるのか。

ちなみに妄想旅ラジオ第80回のテーマはザリガニ。エッセイにも登場しますのでどうぞお楽しみに!

(※追記 調べたところによると、特定外来種の動物を「生きたまま持ち運ぶ」ことは法律で禁じられていて、違反すれば最高で個人の場合3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、法人の場合1億円以下の罰金が科されるそうです。けっこうな厳罰です。ザリガニを捕っていた人たちは、飼うためか食べるためかはわかりませんが「生きたまま」家に持ち運びたかったから、特定外来種指定の前にと考えていたのかもしれません。)

ザリガニ対ウシガエルって、いかにもハブ対マングースみたいな雰囲気があります。見た目といいアウトロー感といい彼らが日本にいる事情といい。そう考えるとプロレスみたいで応援したくなっちゃいますが、茶化してる場合じゃない深刻な問題です。

カメ好きの私としてはミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)の特定外来種指定が身近な問題です。カメはなかなかかしこくかわいい生き物で、家で可愛がっている人たちはみんな心を痛めていますし、何よりカメに罪はないですからね。

現在でも食糧難の地域に新しい生物を持ち込み養殖しようという試みはされています。数多い失敗が生かされていることを願うばかりです。

日本でカエル食はあまり根付かなかったようで、なぜなのでしょう。

そうだ、ザリガニだけじゃなくウシガエルも残っているのでした。

さすがに両生類は自力で海を渡れなそうですから、両生類の生息域が大きく変化したら、それは何かの外的な力が働いたということです。ウシガエルの場合、「人間が運んだ」です。

是、下品。

さて、ポチ子さんから質問いただきました。

さてぐっちーさんのお答えは?

下品。端的なお答えです。

感じたままの素朴さもありますが、これが本質とも思えます。

というのも、地球生物のほとんどが命を命に転じることでしか生きていけません。命のリサイクル、もしくは殺し合いを宿命づけられているわけですが、それをあまりに当然視して開き直ったり娯楽にしてしまうことへの強い抵抗感も、宗教・文化に関わらず人が持つ自然な感じ方ではないでしょうか。人間は裸のままを嫌い衣服を着、装う生物なのですから。人間の成長や進化は「下品」との戦いでもあるのでは。もちろん「こっちは下品じゃない」「そっちのほうが下品だ」という戦いも含めて。

ポチ子さん、どうもありがとうございます!

アスパラ摘みで環境保全?

さて外来種つながりでもう一つ、びっくりするような情報がぐっちーさんから!

!?

アスパラガスってあのアスパラですか?
美味しくて、野菜としてまあまあ高級品の部類である、あの?

にわかには信じがたいです。

北海道すごい。まさか、野良のやつは食べられないというオチではないでしょうね?

なんと!

写真が見たくて検索しました。鳥が運ぶだけあって、畑の近くだけでなく都市部や住宅地にも生えてくるみたいですね。

アスパラは芽が美味しいだけでなく、葉も花束やフラワーアレンジメントによく使われています。利用価値の高い植物だけに、駆除が実益を兼ねられて高いインセンティブがあるのでは。

調べたら、アスパラだけでなくゴボウも「脱走野菜」と呼ばれて、毎年駆除している方々がいるようです。アスパラ・ゴボウ食べ放題なら人員確保も難しくなさそう。

「春のアスパラ採り大会」とか、夢が広がりますね。在来種のいる環境を守る意味でも一石二鳥!? というわけで、最後に今回の絵。

主役なのに放ったらかしだったウサギを描きました。

環境保全のため(?)アスパラ摘みに出かけてもらいました。わが衣手は露に濡れつつ。北海道につゆ(梅雨)はないけど! お後がよろしいようで、今回はこれまでです。

次回のエッセイのテーマは「イネ」。妄想旅ラジオ第80回「イネ」に関連した内容です。

妄想旅ラジオといえば、この記事が公開される頃には「妄想旅ラジオ最終回」という衝撃のニュースが駆け巡っているところかと思います。明日からどうすればいいんだと涙で枕を濡らしている妄想旅ファンの皆さん、それは私も同じですが、今まで続けてくださったぐっちーさん、ポチ子さん、たまさんにまずは感謝を捧げたいです。長い間、楽しい時間を本当にありがとうございました。

ご不調のためお休みされるたまさん、たまさんの人生の幸せより大事なことなどありません! どうぞたくさん食べてたくさん眠って、ゆっくりお休みください。早くお元気になられることを心からお祈りしています。
ポチ子さん、「コトブキ旅日記」も楽しみにしています。
そしてぐっちーさんのエッセイは、まだしばらく続きます。ぐっちーさん、よろしくお願いします。みなさまも、妄想旅ラジオを振り返りつつエッセイを楽しんだり、Twitterでぐっちーさんとお話したり、どうぞこれからも「妄想生き物紀行」をご贔屓に、よろしくお願いいたします。

次回もどうぞお楽しみに!

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