サイキックVRラボが開発するSTYLY(スタイリー)はどのようなものか? こればかりは言葉で説明するのは難しいということで――なんと体験させていただきました!
ファッションの魔法を加速するVR
今年9月、新宿の伊勢丹でVRショッピングを体験できるイベントを開催されましたね。
「はい。昨年暮れにやはり伊勢丹新宿店で『ようこそISETAN宇宙支店へ』という企画をやりました。VRによって伊勢丹を宇宙に出店したんです。それが大変好評だったので、今年の企画につながりました。
HATRA、BALMUNG、chlomaの3ブランドのデザイナーと協力し、それぞれのブランドコンセプトを表現した仮想空間で、ブランドの世界観を楽しみながら服を選び購入することができるサービスです。
どんなものかというと――こればかりは言葉で説明しても伝わりません。ぜひ風木さんも体験してみてください」
今体験できるんですか!
「もちろんです。下の階に行きましょう」
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テック・ラボ・パーク(注1)の6階に来ました。広々したフロアの一角に体験スペースがあります。 山口社長がパソコンを使いセッティングしてくださいます。
ぼくが着用するのはゴーグル型のデバイスと、ヘッドフォン。
デバイスをつけたとたん――別空間にいます。
足元から遠くの方まで、さざ波ゆれる海の上です。
イルカが美しい弧を描いてジャンプします。
中空にはドラゴンのような生き物が静かに浮かんでいます。
そして目の前には何着もの服がちょうどいい高さに並んでいます。
高精度3Dスキャンされた立体映像は、回りこむと側面も背面も見えます。
近づくと拡大し、質感の違いまでわかります。
手に持ったコントローラを近づけると素材や値段等の情報が表示されます。
さすがに手に取ることはまだできないけれど、つい触ろうとしてしまう実在感です。
これはすごい。これは楽しい!
(左:目の前の?服に目を近づけています。 右:中空のドラゴンを見上げています)
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「いかがでしたか? 体験したらおわかりいただけたと思います。VRショッピングサービス『スタイリー』は単なるeコマースのVR版ではないんです。VRによって、デザイナーは現実の制約を超えてさらにクリエイティヴになることができるし、お客さんはその世界観を全身で味わいながらショッピングを楽しむことができます。
ぼくらはスタイリーを『ファッションの魔法を加速するサービス』と位置付けています」
※筆者(風木)はVR初体験でした。VRに入るときと出るとき(デバイスを着けるときと外すとき)の異世界へ跳ぶ感じが実に印象的でした。
山口社長インタビューは28日(月)更新の第4回へと続きます。どうぞお楽しみに!
(※渋谷にあるテック・ラボ・パーク(TECH LAV PAAK)はリクルートが運営するオープンイノベーションスペース。インタビューはここで行われました)
山口征浩(やまぐちまさひろ) 1977年生まれ
株式会社Psychic VR Lab代表取締役。VRを用いて超能力と魔法の使える社会の実現を目指す。13歳よりプログラミングを始める。同志社大学工学部中退。20代後半にマザーズ上場テクノロジー企業の経営を経験。31歳のときMITへ2年半の留学。2014年VR研究開発部門Psychic VR Labを立ち上げ2016年法人化。