別訳【夢中問答集】第九十一問 教外別伝って結局どういうこと? 2/4話
文字・言語を使わずに教えを伝えるというのは、なにも禅宗の専売特許ではない。 かつて伝教大師最澄が弘法大師空海から理趣経の解説本を借りよ...
東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。 意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
室町時代のディアロゴスの軌跡が、七百年後の今に甦る!
時の副将軍である足利直義(尊氏の弟)と鎌倉仏教興隆の立役者である夢窓国師の間で交わされた問答の記録を、読みやすい現代語で再構築してご紹介。
著者:文野潤也
文字・言語を使わずに教えを伝えるというのは、なにも禅宗の専売特許ではない。 かつて伝教大師最澄が弘法大師空海から理趣経の解説本を借りよ...
たとえ悟りを開くことができなかったとしても、教外別伝の宗旨を信じることができておれば、「『正しい宗教・宗派』などというものは言葉で説明できる...
足利直義:なるほど…… しかし、というかそもそもの話なのですが、仏教だけでもたくさんの宗派があって、それぞれに違う修行方法をとっていて...
足利直義:なるほど…… そういえば、その「情緒を安定させて集中する」修行法は禅宗に限らず仏教のどの宗派にもあります。 なのになぜ、禅宗だ...
足利直義:なるほど、そんなものなんですかね…… ところで和尚さま、「大乗仏教の修行者はでっかい目標に向かって修行しているわけなので、戒...
足利直義:和尚はこれまでに何度も「仏さまと一般人は違うものではない」と仰いましたが、一方で世間一般の学者の見識についての是非を論じ、修行者た...
足利直義:確かに「禅宗には抑揚褒貶(よくようほうへん)という芸風があって、仏さまや歴代の師匠であってもボロクソに貶したり、逆に必要以上に持ち...
足利直義:そういうことなのであれば、「念仏はアホ向けの方便」などと悪口を言わないで、放っておいてあげるべきなのではないでしょうか? 夢...
足利直義:しかし、実際には大乗の悟りを得ていると評判の立派な人でも念仏修行をしています。 禅師でも念仏に肯定的な意見をお持ちの方がいら...
足利直義:「念仏だって立派な大乗修行だ!」と言っている人もおりますが? 夢窓国師:念仏を唱えるという行為自体には大も小もない。 ...