
別訳【夢中問答集】第六十三問 本分の田地ってどこにあるの?
足利直義:和尚は「完全な本分の田地が全ての人に漏れなく備わっている」などとおっしゃいますが、私はいまだかつてそんなものを見たことがありません...
東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。 意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
室町時代のディアロゴスの軌跡が、七百年後の今に甦る!
時の副将軍である足利直義(尊氏の弟)と鎌倉仏教興隆の立役者である夢窓国師の間で交わされた問答の記録を、読みやすい現代語で再構築してご紹介。
著者:文野潤也
足利直義:和尚は「完全な本分の田地が全ての人に漏れなく備わっている」などとおっしゃいますが、私はいまだかつてそんなものを見たことがありません...
足利直義:「本分の田地」は、テキストを重視する宗派がいうところの心地(しんぢ)や仏性とは違うのでしょうか? 夢窓国師:教義の究極の部分...
足利直義:禅宗ではよく「本分の田地(ほんぶんのでんぢ)」という言葉を使います。 字面だけ見れば「本分」は本来果たすべき義務や役割のこと...
また、死に方が悪くてその後も状況は悪いままという人がある。 これは生前に仏教を信じなかったばかりでなく、ただひたすらに悪いことばかりし...
また、こんな話もある。 昔、お釈迦様が散歩していたところ、何やら人だかりがしているのが目に入った。 覗いてみれば道端の草むらに品...
足利直義:なるほど了解です!(笑) すみませんが少し話を変えさせてください。 私は「真の悟りを得た人は、よい死に方ができる」と聞...
昔の師匠は言ったよ。 「たとえ六つの神通力を得たとしても、まだそれ以外に「あの」神通力があるということを忘れるな!」、とな。 「...
足利直義:真の悟りを得た人は、神通力、つまり超能力が使えるようになるのでしょうか? 夢窓国師:・・・なんじゃその八歳児のような質問は?...
足利直義:かつて私が聞いた講義では「万事のほかに工夫なし。余計なことさえ考えなければOK」と言っていましたね。 さらには「善だとか悪だ...
中国人は総じてお茶が大好きなのじゃが、これは消化を助けるため、また気分転換に適しているからじゃ。 まぁ、薬に決まった分量があって過剰摂...