
別訳【夢中問答集】第五十五問 昔からの公案にコメントを付け足してもいいのか? 1/2話
足利直義:そういえば碧巌録を焚書にした大慧和尚の一派は、「趙州無字(じょうしゅうむじ:「犬に仏性はあるか?」という問いに対して趙州和尚が「無...
東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。 意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
足利直義:そういえば碧巌録を焚書にした大慧和尚の一派は、「趙州無字(じょうしゅうむじ:「犬に仏性はあるか?」という問いに対して趙州和尚が「無...
足利直義:なるほど・・・・・・ それではついでにお聞きしますが、「初心者は必ず公案から入るべし」という師匠と「公案なんかどうでもよい」...
足利直義:そうそう、その公案についてもお聞きしたいことがあります。 公案というのは昔の偉い人のシュールな言行録のことだと理解しているのです...
昔の修行者は今どきの連中とは違い、迷いは捨てきれていなくても「本分は誰でも必ず備わっている」ということを疑うことはなかったので、自分の修行の...
足利直義:いや、だからその辺りがよくわからないのですよ! 禅宗は「両親が生まれる前」だとか「仏という概念が発生する前」だとかを有難がる...
足利直義:・・・なんだかもっともらしくは聞こえますが、「用心しない」ことこそが真の「用心」ということになると、日々何も考えずに暮らしている人...
足利直義:しかし和尚、お経に書かれている修行方法はといえば、程度の差こそあれ心身を用いたものばかりです。 和尚はそれらを否定しようとおっし...
足利直義:いやいや和尚さま、「禅宗の修行は身体や口でやるものではない」というのはわからないではないですが、「頭も使わない」ということになって...
座禅修行は禅宗の専売特許ではない。 浄土宗でも密教でも座禅がある。外道たちにもある。 いずれもじっと動かずに座り余計なことを考えない...
足利直義:「昔のエライ人が『集中力のないヤツは座禅をしたって仕方ない』と言っている。だからそこら辺のアホウを壁に向かって座らせたところで何の...