
別訳【夢中問答集】第六問 祈りはかなうか? 3/5話
世界の北の果ての国では、何もしなくても毎年大豊作なのだそうじゃ。だから食べ物に苦労することもなく、着る物にも困らず、病気になることもない。平...
東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。 意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
室町時代のディアロゴスの軌跡が、七百年後の今に甦る!
時の副将軍である足利直義(尊氏の弟)と鎌倉仏教興隆の立役者である夢窓国師の間で交わされた問答の記録を、読みやすい現代語で再構築してご紹介。
著者:文野潤也
世界の北の果ての国では、何もしなくても毎年大豊作なのだそうじゃ。だから食べ物に苦労することもなく、着る物にも困らず、病気になることもない。平...
そもそも仏や菩薩の「本当の願い」は何かといえば、それは悩める人々に「真の救済」を与えることではなかったか。冷静に考えてみると、我ら人間たちが...
足利直義:和尚様、そこまでおっしゃるのであればお尋ねします。 私は幼い頃から、仏様や菩薩様は皆、民衆の願いをかなえてくれる存在であると...
足利直義:いや、それもそうなんだろうとは思いますが、人間が生きていくためには食料が必要ですし、寒さをしのぐ衣服や雨風をしのぐための住居だって...
足利直義:いやいや和尚、そりゃ「欲」をなくすことができるなら全てが満足するに決まっていますよ。「足りない」と思う気持ちこそが「欲」の正体なの...
夢想国師:悲華経に、このような話が載っておる。 遠い遠い遥かな昔、「アランナ(心に葛藤なし)」と名乗る強大な王が君臨する世界があり、王...
足利直義:しかし和尚、みなの目的はつまるところ「幸せになる」ことです。 そしてその目的を実現するために、あれこれと手段を講じて努力して...
足利直義:うーん、そう言われてしまうと、返す言葉もありませんが・・・ まぁ確かに、「自分だけウハウハになりたい!」などというさもしい考...
こんな話を知っておるか? 昔々、天竺(インド)にスダッタ(須達長者)という名の大富豪がおった。 彼はもの凄い大金持ちじゃったが、...
<<別訳【夢中問答集】>> <筆者より> 今回より「夢中問答集」の超訳チャレンジを開始いたします。 「夢中問答集」とは、室...