またまたTwitterでお話しました
みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。
先週のぐっちーさんのエッセイ「妄想生き物紀行 第3回 ヤンバルクイナ 〜飛ばなくてもいいから飛ばない。あなたの周りにそんなヤンバルクイナのような男はいませんか?」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、今回もお伝えいたします。
先週のエッセイ、そしてポッドキャスト「妄想旅ラジオ」第3回「ヤンバルクイナ」もお聴きになるとよりお楽しみいただける内容です。
飛べないのか飛ばないのかそれが問題?
「飛べない鳥」と簡単に言いますが、本当に飛べないんでしょうか? どうしてわかるの? 飛ぶのを見たことがないから?
ぐっちーさんにこんな疑問をぶつけてみました。
ぐっちー様 以前料理の話題が出た時、友達が「私は料理をしたことがないので料理ができるかできないかまだ未確認だ」と言い出し、料理を先天的形質と考える独創性に驚愕したのですが、「飛ぶ」というのは先天的形質でしょうか?ヤンバルクイナは飛んだことがないだけで実は飛べる可能性は?
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) August 4, 2020
つまり、ヤンバルクイナさんのこの主張は正当かということなのですが。
ぐっちーさんからはこんな回答が。
飛べる鳥は飛ばないと生き残れないので、飛べなければ死んでしまうでしょうね
このヤンバルクイナ君はマングースの前でも同じ事を言っていられるのか聞いてみたいです— ぐっちー (@mousou_guccy) August 4, 2020
確かに、マングースを前にして飛んで逃げていたら現在のような種の大ピンチには至らなかったことでしょう。飛べないんでしょうかね、やっぱり。
そして妄想旅ラジオのパーソナリティーのお一人、ポチ子さんからもこんなコメントが!
平日はほぼ専業主婦の私が家事をしますが、週末は我慢比べです。先にお腹が空く夫が担当することが多いです。
もし夫に先立たれたら、収入もなく、世話を焼いてくれる人もいないので、私は野垂れ死ぬと思います。でも夫が私を看取ってくれると言ってくれるので、楽観的に生きています。— ポチ子 (@mousou_pochiko) August 5, 2020
生存競争というと「戦いに勝つ戦略」という攻めの姿勢をイメージするけれど、「ライバルが諦めるまで我慢して持ちこたえる」というのもあるよな〜、などとちらりと連想しつつ、人間は愛と信頼で生きてもいるのだ、と感じる素敵なお話です。
人間以外の生き物は未来を心配することなく今だけを生きてます。ヤンバルクイナもマングースが目前に現れたら、ただただ腰が抜けて動けなくなり、食べられるにまかせるのでしょう。でも、その直前までは楽しく人生を謳歌していると思います。
— ポチ子 (@mousou_pochiko) August 5, 2020
そうですね、飛べる鳥だって「敵の襲撃に備えて飛ぶ練習しよう」と日々思って飛んでいるわけじゃないでしょう。たくさんの生き物が「今を生きた」結果が進化であり地球の現メンバー。そう思うと、槍が降ろうがマングースが来ようが飛ばないヤンバルクイナはやっぱり愛しのダメ息子……でしょうか?
ポチ子さん、どうもありがとうございます!
走る鳥の祖先
続いて、シャルル大熊さんからこんな質問が。
ぐっちーさんに質問です。
ダチョウやモアの先祖は多少は飛んでいた時代があったのでしょうか? 現生ダチョウよりも体重が軽く翼が大きい化石などは発見されているのでしょうか?#ダチョウ #エミュー #飛べない鳥 #妄想生き物紀行— シャルル大熊 (@charles_okuma) August 6, 2020
ダチョウが飛んだらものすごいでしょうね。飛べるダチョウがいたのか、気になります。
最近の研究ではダチョウの祖先は小型の飛ぶ鳥だったことがわかってきました
天敵がいない大地では早いうちから飛ばなくてもよくなり、大型化したのではないかと推測しますhttps://t.co/ffs5kOfpHV— ぐっちー (@mousou_guccy) August 6, 2020
なんと、ダチョウが飛んでいた!?
想像したのとは少し違い、小型の鳥だったようですが。
進化というトライ&エラーはけっこう、あっちへウロウロ、こっちへウロウロ。「最強の生物はこれだ」という決定版などないってことかと思うと大変愉快です。
こちらにもコメントしたように、私はダチョウは最初から飛ばない鳥として進化したと勝手に妄想していたのですが、
*恐竜は鳥類の祖らしい
*ダチョウの骨格など見るとあまりに恐竜っぽい
という聞きかじり&てきとうな印象から勝手に推測して、ダチョウは大型恐竜を直接の先祖とするのかと思ってました! 南半球は鳥半球という気がどんどんしてきた……ダチョウもいるしペンギンもいるし— SAITO Ukyo (@ukyo_an) August 6, 2020
今回のやりとりに触発され、こんな本を見つけて読んでみたところ、
空を飛ばない鳥たち: 泳ぐペンギン、走るダチョウ 翼のかわりになにが進化したのか? (子供の科学★サイエンスブックス) 監修:上田恵介 誠文堂新光社
とてもわかりやすく面白かったばかりか、
「飛べるのにめったに飛ばない鳥もいる」「恐竜絶滅のあと、爬虫類・哺乳類との戦いに勝った大型の飛ばない鳥『恐鳥類』の時代があった」などの興味深いお話が、たくさんの写真や絵とともに載っていました。
「飛べるけど飛ばない」「鳥半球」などが、あながちただの妄想でもないのか? とわくわくする内容でした。
飛ばない鳥って不思議なものですね。シャルル大熊さん、ありがとうございます!
できの悪い息子をさてどうしよう?
ヤンバルクイナはできの悪い息子、という説が大激論を呼ぶのでは? と実は思っていたのですが、案外そうでもなかった今回。
環境保全や希少種の保護にあたり、「地球にやさしい」「地球を守ろう」というあたかも利他的に見えるスローガンを掲げることに違和感を持つ人は多いでしょう。私もまあ、そうかなと思います。ですが環境保護そのものに反対しているわけではないので、「地球にやさしい? ケッ!」とか言ってると、環境にとにかく厳しい派との相対化はあやふやになります。
そこへ行くと「できの悪い息子」説は秀逸。利他的スローガンに疑問を持たない人は「『子どもは大事だからみんな守ろう』と言いつつえこひいきはOK派」、モヤモヤするけど保護した方がいいという人は「できの悪い子は世話を焼いてあげないと(だってかわいいから)派」、環境保護不要論者は「できの悪い子なんか追い出してしまえ派」という見事な相対化が可能。
みなさんは、何派でしょうか?
もっと良い言葉を思い出しました
情けは人の為ならず
巡り巡って自分に返ってくると思えば自然保護も悪くないですね— ぐっちー (@mousou_guccy) August 6, 2020
こんなコメントから察するに、ぐっちーさんは(動機は何であれ)「やればできる子」と信じて保護する派!
というわけで今回はこの辺で。
次回のエッセイは「アルパカ」です。妄想旅ラジオ第4回「アルパカ」に対応しています。どうぞお楽しみに。