今回もTwitterでお話しました
みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。
先週のぐっちーさんのエッセイ「妄想生き物紀行 第4回 アルパカ〜家畜化の過程で排除できなかった『唾を吐く』習性は今後改良できるのか?」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、今回もお伝えいたします。
先週のエッセイ、そしてポッドキャスト「妄想旅ラジオ」第4回「アルパカ」もお聴きになるとよりお楽しみいただける内容です。
アルパカの唾吐きの威力
今回の大きなテーマは「家畜化」。まずはこんなのいたらいいなという「家畜」についてゆるゆる語り始めたところ、ポチ子さん、トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】さんから続けてこんなコメントが。
羊や牛は野生動物に襲われても、メーとかモーと鳴くだけで抵抗できなさそうですが、臭い唾で威嚇するアルパカは根性があるんですね〜。とはいえどうなのですか、腕っぷしのほどは?
— ポチ子 (@mousou_pochiko) August 20, 2020
唾液を吐きかける行動を不要な特性と現地の人が考えているか知りたいです。慣れた飼い主には吐きかけず、初対面のアルパカ泥棒には吐きかけるなら、生体認証&防犯機能として有用な特性かもしれないです。
「品種改良で攻撃性をほぼゼロにできるか」を考える家畜化のお話、とても興味深いです。
— トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】 (@tri_triffid) August 20, 2020
なるほど、鳴くだけでは想像するだに切ない。野生動物に襲われたり悪い人間に連れ去られそうになったりした時、攻撃力ゼロよりは多少あったほうがいいという考え方もできます。
アルパカの臭い唾吐き攻撃、実際のところ威力はどうなんでしょう。ぐっちーさんの見解は……?
多くの家畜は野生では生きていくのが難しいとは思いますが、アルパカ?の唾攻撃は少しくらい役に立つかも知れないですね
腕っ節がからっきしダメなヤンキーもいると思うので、アルパカもいざという時は鳴くだけかも知れません— ぐっちー (@mousou_guccy) August 20, 2020
ヤンキーから離れようとしないぐっちーさんでした。
アルパカは腕っぷしがダメなヤンキー説、なかなかの説得力です。とはいえ、野生動物は人間よりも鼻が利きそうですから臭い唾は嫌でしょう、多少の攻撃力は持つかもしれませんね。
一方、現地で「唾吐き」がどう捉えられているかの問題に関しての続報が!
調べてみたら、最近はアルパカの毛質改良目的で「優秀個体」の概念や、良い種雄共有も始まっているようでしたが、気質は重要な評価項目にはなっていませんでした。
中央アンデス高地ペルーにおけるアルパカの「遺伝的改良」と種畜の取引(PDF)https://t.co/oZcLSEew9X
— トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】 (@tri_triffid) August 20, 2020
ご紹介いただいたリンクは、南山大学人類学研究所「年報人類学研究」に掲載された論文
「中央アンデス高地ペルーにおけるアルパカの『遺伝的改良』と種畜の取引 佃 麻美」
なのですが、とてもわかりやすく興味深いです。アルパカの改良に関して「体格」と「形」、「毛」が考慮されるのですが、体格と形がかなり大雑把なのに比べ、毛質については詳細に分類されています。そして「唾吐き」などの気質・習性に関してはまったく触れられていません。唾を吐くくらいのことは許容されている(気にされていない?)のでしょうか。
個人的に、「ここ20年、アルパカの毛が重量あたりで買い取られてきた結果毛質が悪化した」という記述が印象的でした。中空の軽い毛の方が質が良いところ、重たい毛の方が収益が高くなるためそうなったということらしく、20年という、人為選択による淘汰のスピードの速さにビックリです。
ポチ子さん、トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】さん、どうもありがとうございます!
田中一郎(仮名)さんのその後
ぐっちーさんに質問です。
悪の道に堕ちる寸前ヤンキーのおかげで助かった田中一郎(仮名)さんはその後どうなったのでしょう? 行く末が気になってしかたありません。アルパカの質問でなくてスミマセン。— シャルル大熊 (@charles_okuma) August 20, 2020
先週のエッセイの主役級だったのに忘れてた(スミマセン)田中一郎(仮名)さんについて、忘れてなかった心優しいシャルル大熊さんから質問です。どうなんでしょうぐっちーさん?
おそらく、そのコンビニでバイトしつつ再就職先を探しているのではないかと思います
真面目に仕事をするので、きっと良い再就職先が見つかると思います— ぐっちー (@mousou_guccy) August 20, 2020
おお! つまり唾吐きヤンキーの功罪について「万引き防止」と「来客抑止」のバランスだけで語っては不十分。「優秀な人材(バイト)を引き寄せる」という素晴らしい功績があると言えるのでは?
安心いたしました。
— シャルル大熊 (@charles_okuma) August 20, 2020
うーん、なんか丸く収まったみたいだからまあいいか。ヤンキーから離れようとしないのは私でしょうか。シャルル大熊さん、ありがとうございます!
グアナコ、彗星のように現れて主役を食う
そしてホテル暴風雨オーナー風こと風木一人さんからの質問。
アルパカ・リャマ・グアナコ・ビクーニャ。
なんというか、命名の系統がみごとにバラバラなことに感銘を覚えます。これらはそれぞれ何語でついた名前なのでしょう? 具体的な意味(例:もじゃもじゃな奴)があったりするのでしょうか?— 風木一人@ホテル暴風雨オーナー (@Kazeki_Kazuhito) August 20, 2020
見た目そっくりなのに名前が違うと気になる。そんな素朴な質問がまさかの展開に!
というのも、ぐっちーさんのお答によると……
アルパカとビクーニャについては不明でしたが、スペイン語でラマ(llama)は炎、グアナコ(guanaco)は愚かでシンプルな人という意味がネットで見つかりました
合ってますか?わんださん@wandanandamx— ぐっちー (@mousou_guccy) August 20, 2020
何それ。
リャマとグアナコの待遇違い過ぎなのでは。
調べていただきありがとうございます。
グアナコ。。。強く生きるんだよ!— 風木一人@ホテル暴風雨オーナー (@Kazeki_Kazuhito) August 20, 2020
グアナコが本当に愚かでシンプルなやつなら強く生きてくれると思いますが。どうなの、そんなに愚かでシンプルなの、グアナコ……?
そしてぐっちーさんからわんださんチェックの要請がありましたが、わんださん、果たしてお答えくださるのか?
さすが、ぐっちーさん。あと何で炎とリャマが同じスペルなんだろうって思ったらアンデスの神話由来っぽいです。ちゃんと調べて出直してきまーす。
— わんだ (@wandanandamx) August 20, 2020
メキシコ在住・スペイン語に堪能なわんださんのチェックを無事通過したもようです! アンデスの神話にリャマが出てくるのでしょうか? すごく気になりますね〜。
わんださん、風木オーナー、ありがとうございます!
今回はアルパカについて予想以上に勉強になったなあ〜と思っていたら、主役・アルパカ、影の主役・ヤンキーを押しのける勢いで愚かでシンプルな人「グアナコ」登場というハプニングもあって楽しかったです。ちなみにリャマによく似た(アルパカにも似ている)グアナコとはこんな動物。
では、今回はこれにて。
次回のエッセイは「ゾウムシ」です。妄想旅ラジオ第4回「ゾウムシ」(ぐっちーさんがタイムマシーンを発見します。必聴!) に対応しています。どうぞお楽しみに。
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