Twitterでお話しました
みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。
今回も、ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「サル〜サルのダジャレ2連発に、もうこりごりら」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、お伝えいたします。
先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただき、そしてポッドキャスト「妄想旅ラジオ」第31回「サル」もお聴きになるとより楽しめる内容です。
蚊最強・鵜最ありがた説
早速、シャルル大熊さんから「身近な生物ほど名前が短い説」へのコメントをいただきました。
「蚊と鵜は特定特別生物」
卓見と思います。
自然言語は一元的ではないので地方によっては蚊以外のものを「カ」と呼んでいた可能性もありますよね。時が流れ2つの「カ」が邂逅したときどちらがより「カ」の一音にふさわしいか決戦が行われたのでしょうか。勝ち残ったのが蚊だったのでしょうか。— シャルル大熊 (@charles_okuma) September 1, 2021
同じ生物が**地方では〇〇と呼ばれ、※※地方では▲▲と呼ばれる、ということもあるし、違う生物が場所を変えると同じ名前になっているのもよくありそうなこと。「一音節」という競争率の高そうな名称を勝ち取ったからには、「身近」以上のわけがある?
耳元で蚊の羽音を聞くと発狂したように手を叩いて殺そうとしてしまいます
先祖は相当この蚊に苦しめられていたのだろうと想像します
その意味では現在蚊と呼ばれている生き物は最強なのかもしれません— ぐっちー (@mousou_guccy) September 1, 2021
最強ゆえに短い名前を勝ち取ったということですね、ぐっちーさん。
鵜が最強である理由はまったく想像もつきません。深淵なる謎です。
— シャルル大熊 (@charles_okuma) September 2, 2021
じゃあ、鵜は? という理由、私もまったく思いつきません。思い返すと、鵜なんて「鵜飼」という特別な漁法の知識とともに知った鳥で、あまり身近でもないですし、なぜなんでしょう?
そこへ zuno/UdonAngya さんからこんなご意見が。
古代、水辺の採取生活で、魚や貝の居場所を教えてくれる鵜・海鳥(カモメ)は、神様の使いのような存在だったのではと、根拠のない妄想をしてみました。
青森に善知鳥(うとう)神社と言うのがあって、当て字と思われますが、妄想のタネになりました。
— zuno/UdonAngya:ポッドキャスト、饂飩、北海道、青森、新潟、富山、徳島、宮崎、名古屋好き (@medama_yaki) September 2, 2021
あの鳥のいるところに魚がいる! 「鵜飼」に使われるくらいですから、鵜がそういう鳥だった可能性は十分にありますね。海をじっと眺めて「アッ、ウがいるぞ!」と叫ぶかわりに「ウ!!」と叫べば、掛け声も短縮化できて合理的……かどうかはよくわかりませんが、「ありがたくて役に立つから名前が短い」は納得してしまう説。
カモメは神の女(め)?
確かにイワシの群れなど、魚がいる場所を教えてくれますね— ぐっちー (@mousou_guccy) September 2, 2021
もしや、カモメも「カ」の候補だったけれど現在の蚊に負けたのでは……?という妄想も広がります。魚の居場所を教えてくれるというありがたさにも勝つ蚊の脅威。
語尾の「め」と「す」は、鳥類を指すようですね。
すずめ、つばめ、かもめ
うぐいす、ほととぎすけれど、語源・語義までは不明のようです。https://t.co/dnKEp0ccHM
— zuno/UdonAngya:ポッドキャスト、饂飩、北海道、青森、新潟、富山、徳島、宮崎、名古屋好き (@medama_yaki) September 2, 2021
「すずめ」「つばめ」は語感も可愛らしく印象的な名前でしかも似ているので、鳥と「め」の間には何かがあると妄想していましたが、本当だったとは。しかし「す」にも何かあったとは気づきませんでした。言われてみると、鳥と魚の名前は少し似ていて、獣の名前とは違うという印象ならば漠然と持っていたのですが、「鳥っぽい」と感じさせる語感が共通してあるのかと思うと面白いですね。
シャルル大熊さん、zuno/UdonAngya さん、どうもありがとうございます!
おまけ:
善知鳥とは、当て字にしても素晴らしい字、と興味を持ちました。ウと関係あるのかと思いきや「ウトウ」という海鳥がいるのですね! 写真を見ていると、黒い頭に眉毛とひげのような白い羽がすっと入っていて、確かに神様の使いらしい風格がある(ような気がしてきます)😀
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) September 2, 2021
一度ある名前や知識に対して意識が向くと、突然あらゆるところでそれをよく目にするようになるという現象がないでしょうか。私は、今回のTwitterのやりとりで「善知鳥(ウトウ)」なんて鳥がいるのか、知らなかった、と思った翌日、たまたまそういうタイトルの小説を読み(読もうと思って置いてあった短編集に収録されていました)、そのタイトルが能の演目「善知鳥」を下敷きにしているようだと知り、どういう話か調べたら、能「善知鳥」なら前に観たか話を聞いたような気がしてくるという(ある意味物忘れの酷さをつきつけられただけか?)興味深い体験をしました。海鳥の善知鳥(ウトウ)はとにかく外見に特徴があって不思議な魅力のある鳥なので、見たことがないという方はぜひ画像検索してみてください。
「善知鳥」が収録されているのはこちらの本。アガサ・クリスティに同名の作がありますが「善知鳥」が入っているのは柳広司著『象は忘れない』。東日本大震災の際の福島第一原発の事故を題材に、そこにいて何らかの関わりを持った人々の姿を、まさに「能」同様、抽象的な情念の器のように描いた連作短編です。
いずれ短くされるもの
もうひとつ、「身近な生き物の名前は短い」説に対してポチ子さんからはこんなコメントをいただきました。
先日家の外に置いてあるゴミ箱近くにゴキブリを見つけ殺虫剤をシューしたら、あちこちからコオロギが出てきて死んでしまいました。毎晩心地よい鳴き声を聞かせてくれてたのに申し訳なさでいっぱいになりました。ところで、ゴキブリもコオロギも身近な存在なのに4文字もあります。どう思います?
— ポチ子 (@mousou_pochiko) September 2, 2021
コオロギ、あわれ、とばっちり死。「コオロギ」「ゴキブリ」不本意ながら(主にゴキブリが)どちらもとても身近でありふれているのに4文字。確かにもっと短い名前で呼ばれておかしくなさそうですが、なぜ?
今でこそゴを忌み嫌っていますが、昔の人は血を吸われたり、食料を食べられたりする、ゴよりももっと凶悪な虫に悩まされていたはず
コオロギの声を聴くほど心の余裕が無かったのかもしれません
そう考えるとゴを嫌うことができるくらい豊かになったと言えるかも知れません
良かったですね— ぐっちー (@mousou_guccy) September 2, 2021
昔はゴキブリの存在感など大したことがなかった説。なるほど。良かった良かった……!?
健康は害されませんが、精神的にはよくありませんよ〜〜
— ポチ子 (@mousou_pochiko) September 2, 2021
ですよね。
しかしあの虫にあれほどの不快感を感じるのはなぜなんでしょう。見た目だけならコオロギとかカナブンとかカミキリムシとかカブトムシとかと、大きく違いはしない気もするのですが。病気を媒介するなど衛生的な問題、体が大きい割にどこからでも入ってくる神出鬼没さとスピード感、驚異の生命力と繁殖力、などの知識と経験でだんだん怖く思えてくるのでしょうか。
ゴキブリなんて「ゴ」で十分だと思います。
— ポチ子 (@mousou_pochiko) September 2, 2021
「ゴ」。うん、「ゴ」という名前、空いていますしそれでいいですね。というか、なるべく口にしたくないから短く済ませたいので、あの虫を表す短い隠語というか符丁というか、そういうものが津々浦々、ローカルに存在する気がします。たとえば……と思っていたら、ふわゆさんからもコメントが。
ウチでは「G」と呼びます
— ふわゆ (@100kero1) September 2, 2021
それそれ! うちでもGと呼んでいます。毎年「Gキャップ」を設置し、「Gジェット」という武器も常備しております。
うちでは子供達が私の実家に帰るとGがいるか聞いています
冬なので見かけませんが
私も30年近くGを見ていません— ぐっちー (@mousou_guccy) September 2, 2021
北海道にはGがいないというのは本当なのですね。うらやましい! お子さんたちなどは、好奇心で一回見てみたいくらいなのか、一度たりとも遭遇したくないのか、どっちなんでしょう。
Gってカッコいいですね。Gメン75みたいです(知らないですよね?)
— ポチ子 (@mousou_pochiko) September 2, 2021
えーとGメン、なんか聞いたことあるけれど、ダメだ、GメンときくとGの面(あの虫のお面。書いていて気持ちが悪い)の絵が浮かんできてしまう……
もちろん知ってますよ笑
丹波哲郎— ふわゆ (@100kero1) September 2, 2021
あ、伝説の刑事ドラマでしたね。なんでGなのか思わず調べてしまいましたが、英語で捜査官のことを”Goverment-Man”という言い方があるからという記事がたくさん出てきました。なんだか意外でした。
Gの語感が強そうですよね。私の友人はゴのことをMr.G 蛾(相当苦手らしいです)のことを Mrs.G と呼んでいて、その呼び方もちょっとカッコいいと思いました😆
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) September 2, 2021
「蛾」も一音節ですね。これも身近な虫には違いない。Gはゴジラとかゴリラとかを連想させ、強そうな感じがします。だからちょっとかっこいいのか。
「ゴ」や「G」という呼び方はよく聞きますよね(私はG派)。身近なものは短く呼びやすく、という傾向もある一方、良いものには立派な名前をつけて、できたら見たくないものには忌み言葉的な短い呼び名、というケースもあるのかも? どうでしょう(特に例は思いつかないですが😓)
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) September 2, 2021
はい、思うに、「その名をなるべく口に出したくない」という存在は、正式名称はさておきこういう短めの別名が勝手に、無数に、ついていくものではないでしょうか。
確かに我が家では、犬のことを「タマオくん」という立派な名前をつけて呼んでます。
— ポチ子 (@mousou_pochiko) September 2, 2021
名前を呼ぶと、発音してるあいだもかわいい という幸せな気持になりますから、ちょっと長いのもまたいいですもんね。「タ」より「タマオくん」ですね!☺️
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) September 2, 2021
うちのかわいいかわいい子、の場合、正式名以外の愛称はつきますが、身近だからといって呼び名が究極の短さにはならないですね。「寿限無」式に長くなりすぎると困りますが、名前を呼んでる時間も幸せなのです。「タマオく〜ん」は程よい長さ。
私ごとですが、先日21年連れ添った愛猫を亡くし、悲しみに暮れております。「麦(ムギ)」という名前なのですが、「ムギ」って言ってるだけでかわいいですし、「蕎麦」とか「小麦粉」とか「麦焼酎」とか、そのへんで「麦」って漢字を見るだけで身悶えするかわいさ。なんなら「ム」とか「ギ」だけでもかわいい、という猫バカまっしぐらな人生を送ってまいりました。もうそこにいるだけでかわいいというのに、今となっては、(物質界に)いなくたってかわいいという驚愕の事実に直面する日々、驚いたり泣けてきたり忙しいったらありゃしません。好きなものは拡張し、増殖します。
ついに宇宙に帰ってしまったうちの宇宙一の美女(注:猫)「ムギ」の慢性腎臓病闘病記、電子書籍にもなりました。
脱線しました。
逆に「G」を連想させるものがそこいら中にあったら嫌なので、縮小させたい。いずれ「ゴ」が辞書に載る日も来るのでは。
ポチ子さん、ふわゆさん、ありがとうございます!
身近な生物ほど名前が短い説 資料
こちらのぐっちーさんの労作もぜひご覧ください。すごいです。「二文字の言葉」大調査。いや〜、むしろこれが副反応? ぐっちーさん、おかしくなった!? と思いましたよ。
ワクチン接種の副反応で朦朧としながら作ったので適当ですが、2文字の言葉と生物をまとめてみました
意外だったのは約7割が空白だったことと、「へ」で終わる2文字の言葉が無いということ
感想を聞かせて下さい#ホテル暴風雨 #妄想旅ラジオ pic.twitter.com/QG9rO3He5c— ぐっちー (@mousou_guccy) September 2, 2021
私は「ん」で終わる2文字の生物名(とても言いやすいので)がもっとあるかと思っていたのでそれが意外でした。みなさまどう思われますか?
ラジオドラマの記憶
最後に、風オーナーからのコメントです。
「サウンド夢工房」懐かしい響きです。ぼくも昔ラジオドラマが好きでした。音だけで想像が広がるのがいいんですよね。「猿がヂャラヂャラ」以外で印象に残っているタイトルはありますか? ぼくは「愛と幻想の小さな物語」(佐野洋子・原作)です。#サウンド夢工房
— 風木一人@ホテル暴風雨オーナー (@Kazeki_Kazuhito) September 3, 2021
うーむ、「サウンド夢工房」、そういう番組があると人から聞いたことはあるものの、番組を聴いた記憶がありません。聴いていた人は多いでしょうから、つついて掘り返すと盛り上がりそうな話題だけに、参加できず残念なのですが、果たしてぐっちーさんの思い出の一作は?
タイトルは全く覚えていないのですよ
今回も色々調べて正確な題名がわかったくらいで、記憶よりもワクワクやモヤモヤした気持ちだけ覚えています— ぐっちー (@mousou_guccy) September 3, 2021
細部はまったく覚えていないけれど気持ちだけ覚えているというのも、ある意味すごい印象の残し方だと思います。ぐっちーさんのラジオ愛のルーツのひとつなのに違いない。
そういえば、岸田今日子さんが朗読されていたのは印象的でした
森繁久彌さんや声優の塩沢兼人さんなどが出演されていたのは、今思えば豪華でした— ぐっちー (@mousou_guccy) September 3, 2021
なんですと! 私のキョンキョンこと岸田今日子さんが(ファンです)。
ラジオだけに声のみで勝負、実力のある方が起用されていたのだと思います。
— 風木一人@ホテル暴風雨オーナー (@Kazeki_Kazuhito) September 5, 2021
そういえば、ラジオだったと思いますが、井上真樹夫さん(TVアニメ『ルパン三世』の石川五ェ門の声でおなじみの方です)のラジオドラマの番組を聴いたことがあります。内容はすっぽり忘れましたが、あの美声、雰囲気、気分を何となく覚えています。ぐっちーさんの体験と同じですね。「声」で語られる物語にはそういう作用があるものでしょうか。ラジオドラマ聴きたくなってきました。
風オーナー、どうもありがとうございます!
おわりに、何だか毎度恒例になってしまったタイトル絵の解説もどきですが、今回はこちら。
先週のエッセイにあった、もしも映画『猿の惑星』が”Planet of the Apes”ではなく”Planet of the Monkeys”だったら、ほのぼのしたハッピーエンドの可愛いお話になっていそうだ、というぐっちーさんの妄想話が非常に面白く魅力的でしたので、かわいいMonkey たちの惑星を描いてみた次第です。
では今回はこれにて。次回のエッセイのテーマは「カラス」。妄想旅ラジオ第32回「カラス」も予習がてらぜひお聴きください。私はこれを聴いて、ハシブトガラスとハシボソガラスの区別がばっちりつくようになりました。たまさんとポチ子さんの「意外な切り口」ぶりも絶好調で楽しいです。エッセイもどんなお話になるのか、どうぞお楽しみに。そしてまた Twitter でもお会いしましょう!
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