Twitterでお話しました
みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。
今回も、ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「カエル〜アフリカツメガエルはカエルツボカビ拡散の容疑で濡れ衣を着せられているのか」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、お伝えいたします。
先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただくとより楽しめる内容です。
滅びゆく切なさと、してやったり感
カエルツボカビ病、怖いですよね。病気で絶滅した種ってけっこういるんでしょうか? いやでも絶滅の理由なんて、「恐竜大絶滅」が謎なのと同様、そんなに簡単にわかるものではないのか?
両生類の現生種と絶滅種の分類をボーッと見ながら考えているところへ、ポチ子さんからご質問いただきました。
素朴な質問なのですが、絶滅した種をどのようにして知るのですか?目撃証言から?それとも確固たる物的証言があるものなのですか?温暖で湿度が高い地域の生物は朽ちてしまい形跡が残らない気がするのですが。
— ポチ子 (@mousou_pochiko) December 21, 2021
ですよね! 一つの種が存在したということも、絶滅したということも、決定づけるにはコレという定式があるのでしょうか?
定期的に生物調査を行なっているので、その中で数が少なくなっていたり、長期間見つからなくなったりする種類を絶滅危惧や絶滅したと判断していると思います
これまで見つかっていない種類は人知れず絶滅している可能性があります— ぐっちー (@mousou_guccy) December 22, 2021
絶滅したと判断されるのはすでに存在が確認されている種だけ。考えてみれば「そりゃあそうだ」なんですが、人間の世界の狭さにちょっとクラっときます。深い谷底や海の中を覗いてしまった時のように。
あれれ? でも……
それ気になってました! 「まだ同定されていない種が**%あるとされている」なんて文言もよく見かけますが、それもどうしてわかるんでしょう? 同定されないうちにいなくなってしまったら、絶滅した種の中にも入らないということですよね🤔
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) December 22, 2021
同定された種を数えるのは簡単ですが、よく考えると、同定されない種を数えるという無茶な話も出てきますよね? あれってなんでわかるんだ!?
そうですよね〜研究者の目に留まれば絶滅するにしても名は残せるし、幸運にも保護活動をしてもらえるかもしれない。人が入りにくい場所に生息していたり、目立たない子は不利でしょうね。
— ポチ子 (@mousou_pochiko) December 22, 2021
人間に捕られるかどうか、住処を奪われるかどうか、保護されるかどうか。人間の行動如何に存亡のかかる種はきっと多いですよね。
人間に見つからないおかげで伸び伸び暮らせればむしろラッキーかとは思いますが、名もなき存在のまま住処を奪われたり病気が蔓延したりして絶滅するのは切ないですね。
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) December 22, 2021
人知れず滅びるのは「切ない」とは書きましたが、自分だったら存在を知られることもないまま滅ぶということに、どこか「しめしめ、気づいてないな」という「してやったり感」があるかもしれません。実際、絶滅してゆく生物にしてみれば、切ないとかしてやったりとか、人間みたいなことは考えないのでしょうけれど。
なぜわかる?
ぐっちーさんから、種の数なんてどうやってわかる問題に驚きの回答です!
調べてみました
ザックリ言うと、門、綱、目、科、属などの記載されている分類群を調べて、それぞれのクラスの数を統計的に処理すると種の数が推定できるらしいです
これは地球上の全ての種を対象にしているので両生類はどうかといった個別では計算していないようですhttps://t.co/UFUfc8wEg7— ぐっちー (@mousou_guccy) December 22, 2021
一つずつ調べるとかじゃなく統計処理?
難しいけれど読んでみました🧐種の数がここまで決まったパターンに従うというのは面白い!ただ原核生物はパターンに従わない、その理由が種内の多様性が許容されるせい(ちょっと読解に自信がないですが)で、種が分離しにくいという点も興味深いし何やら示唆的に思えました
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) December 22, 2021
ざっと読んだだけでちゃんと理解したとは言い難いのですが、ぐっちーさんの説明よりももっとざっくり言いますと、「これまでの経験から、まだ見つかってない種も含めてどれくらいあるか推測する」というお話です。ざっくり過ぎて、「統計とは何か」の説明みたいですけれど、それだけに根本で間違ってはいないはずです。ただし、経験が生かせるのは真核生物に関してだけで、原核生物のルールはわからなすぎて手が出ないらしいです。
いろいろすごくて「へえ〜」ポイント満載でした。
考え方の1つですので、宇宙人に地球の生物数を聞かれても「わからない」でいいんじゃないでしょうか
— ぐっちー (@mousou_guccy) December 22, 2021
そんなこと聞かれても誰もわからないに決まってますが、敢えて聞いてくる宇宙人がもしいたら、聞くこと自体が何かの企みであるか、聞いてみたいだけで答の正確さは期待していないか、行き当たりばったりで騙されやすいか、いろいろな可能性が考えられます。それだけに聞かれたらどう答えようかワクワクしますね。
タイムマシンがない限り確証はないですからね〜でも、探求することは大切ですね。
— ポチ子 (@mousou_pochiko) December 23, 2021
今も地道に新種発見に取り組んでおられる方がいらっしゃいますhttps://t.co/q2TCwNkAwe
— ぐっちー (@mousou_guccy) December 24, 2021
地道に新種発見に取り組んでおられる方は、宇宙人に聞かれても真面目に誠実に何日もかけて説明されそうな感じがします。宇宙人も正座して聞くでしょう。足がしびれますね。
考えてみなかったことですが、もし宇宙人に会って故郷の星の生物数を聞いて「**種類」と言われても、間違っている可能性けっこう高いですね😁
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) December 25, 2021
宇宙人に聞かれたら「逆に聞き返す」というのもありだと考えたわけです。「13種類」「57京種類」などと即答されても、それが妥当なのかいかにも嘘っぽいのかという判断基準さえ持ち得ません。が、お互いそれくらい訳がわからない相手に最初にする質問として、「あなたの住むところに生物は何種類いますか」というのは、案外いい選択ではないでしょうか。人間同士が、それを知ってどうするだとか本当のことを答える保証など別にないだとかはさておき、「何人家族ですか?」と聞くようなものです。程よく立ち入る感じの質問です。
宇宙人に会ったら聞かれる前に聞いてみたいものです。
ポチ子さん、どうもありがとうございます!
カエルに池は必要か
続いて、ホテル暴風雨風オーナーからの質問です。
10年前うちの庭にはピザ屋のお兄さんが「怖くて門から玄関まで行けない」と泣きついてくるくらいヒキガエルがいました。でもだんだん減って今はゼロです。#カエルツボカビ病 のせいでしょうか?
— 風木一人@ホテル暴風雨オーナー (@Kazeki_Kazuhito) December 22, 2021
カエル、本当に最近あまり見なくなってしまいました。
むしろ、以前はなぜそこいら辺にいたのかが不思議です。両生類なんだから水がないと生きられないはず。大きな池などないエリアに、なぜカエルが?
ヒキガエルは比較的乾燥に強いので、カエルツボカビよりも周辺環境の影響が強いのではないかと推測します
昔は田んぼや空き地があったものですが、舗装されてヒキガエルの移動もままならない可能性もあります— ぐっちー (@mousou_guccy) December 22, 2021
田んぼがあればカエルは生きていけそうです。ただし、風オーナーや私の居住地域に田んぼはありません。空き地はあっても水場はないですし……
うちの庭に池はありません。近所の家にあった池がなくなったのかもしれませんね。大きな公園の池は約1キロ先です。そこから歩いては来ないですよね。
— 風木一人@ホテル暴風雨オーナー (@Kazeki_Kazuhito) December 22, 2021
途中で力尽きてしまいそうです
もしかしたらある時を境に全く来なくなってしまったのだけど、庭に住み着いた奴らの寿命と共に数が減っていったのかも知れません— ぐっちー (@mousou_guccy) December 22, 2021
成体のヒキガエルならば池などがなくても降雨くらいの水分で生きていけるのでしょうか? 繁殖はせず、住宅地の片隅のじめっとして茂みなどでひっそり生息していたということ? ヒキガエルの寿命を調べたら約10年と書いてありました。う〜ん、10年くらい前はカエルがたくさんいたことと合致するので、そういうことかもしれません。
「身近にいくらでもいた生物をふと見かけなくなる」という現象は、少なくとも都市部ではもう飽和してしまったかのように感じていましたが、今もリアルタイムで起こっているんだなと考えを改めました。
風オーナー、ありがとうございます!
再び、カエルツボカビ病
ところで、またカエルツボカビ病が気になってきたのです。
カエルツボカビ病はアジア発祥の疑いが強い(アフリカツメガエルは無罪)ということで、日本の野生両生類の間では、ペットショップのカエルからカエルツボカビ病が発見された2007年に心配されたほど大きな問題にならなかった。
ということは、日本に住んでいる野生のカエルはカエルツボカビ病に比較的強いと言えるのでしょう。一方、アジア以外の地域から来たカエルやイモリたちはカエルツボカビ病に対して無防備ということになります。かれらがすでに感染していたらそれを広げてはいけないのはもちろんですが、感染していない場合は、逆に野生の両生類から病気をもらわないよう注意が必要なのでしょうか?
ぐっちーさんに聞いてみました。
ぐっちーさん @mousou_guccy に質問です。日本の在来・野生両生類の間ではカエルツボカビが大きな問題にならなかったそうですが、外国から日本に来た両生類にとってはやはり脅威なのですよね?海外の珍しいカエルやイモリを飼っている人などは、広げない方ももらわない方も注意が必要なんでしょうか。
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) December 25, 2021
そうです
ペットとして飼育している動物を放すのは論外ですが、飼育水もできれば塩素などで殺菌してから下水に流す方が安全だと参考文献の宇根氏もおっしゃっていました— ぐっちー (@mousou_guccy) December 25, 2021
なるほど。「広げない」努力としては、飼育水を塩素殺菌して捨てた方が良い。ということは、「もらわない」努力としては、飼育水に水道水を用いれば安全なのでしょうか。野生の両生類と接触させないようにするためには室内で飼育すること、庭の池でカエルを飼いたい場合などは特別な注意が必要そうです。
私は両生類を飼育してはいませんが好きですし、ビオトープを作ってカエルが来てくれたらいいなあという密かな野望を持っています。野生種もペットも、カエルやイモリやサンショウウオたちがカエルツボカビ病にならないよう、自分のできることを気をつけたいと思います。
さて、おわりにページトップの絵について。カエルは水が大好きなので「カエルと雨」を描いた絵は多いですが、「カエルと傘」もけっこう多いことに疑問を持っていました。カエルに傘は不要だというのに。ですがあれはカエルといえども水には注意というカエルツボカビ病の脅威を予言していのか。というそんなわけはない妄想を描きました。
それでは今回はこのへんで。
次回のテーマは「スティングレイ」です。
前々回の「スクリューバリスネリア」同様、「スティン……グレ……何?」という方も多いのでは。ぜひ妄想旅ラジオ第40回「スティングレイ」で予習を! ではでは、今年もご愛読どうもありがとうございました。来年からの妄想生き物紀行も、よろしくお願いいたします。みなさまどうぞ良いお年を。
「妄想生き物紀行」へのお題リクエストまだまだ受付中
ぐっちーさんのエッセイ「妄想生き物紀行」で取り上げて欲しいテーマを募集します。是非ご応募ください!
<リクエスト募集の趣旨>
この「妄想生き物紀行」は、毎回、ポッドキャスト番組「妄想旅ラジオ」で取り上げたテーマに対応した内容のエッセイをお送りしていますが、41回(2022年1月18日公開予定)は対応するラジオ放送が「お便り紹介回」であるため、「妄想生き物紀行」独自テーマとし、みなさまからのご応募から決めます。
<リクエストの内容>
募集するテーマは、
*エッセイ公開日が1月18日であるため、この日付にちなんだもの
*日付にこだわらず、1月、冬、など季節にまつわるもの
*まだ「妄想旅ラジオ」で取り上げられていない生き物
*その他、これというのがあればご自由に
などです。つまり自由です。
<リクエストの方法>
*Twitterで、ぐっちーさんのTwitterアカウント か 斎藤雨梟のTwitterアカウントにリプライ(任意のツイートを選んで「返信」ボタンを押して書き込み・送信する)してリクエスト
*ホテル暴風雨コンタクトフォームから、題名を「妄想お題」としてリクエスト
のいずれかでお願いします。
<リクエスト採用方法について>
ぐっちーさんの執筆欲をビビビッとそそるリクエストが来た時点で採用とさせていただきます。つまりぐっちーさんの気分次第。ですのでお気軽に、お早めに、ぜひぜひご応募ください。お待ちしております!
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