目がサメるほどおジョーズ! ぐっちーさんと話そう<42>

ウサギがサメに乗っている絵 illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

サメ先輩の新しい戦略 illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

Twitterでお話しました

こんにちは。今週もよろしくお願いします!

みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。

今回も、ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「サメ〜サメ類の繁殖生態は脊椎動物の進化と同じだった?」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、お伝えいたします。

先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただくとより楽しめる内容です。

ぐっちーさん、よろしくお願いします

サメは人類より(顎が)自立した生き物

早速、ホテル暴風雨風オーナーからの質問です。

そうそう、魚はたいてい先端がパカっと開くタイプの口なのに、サメは違います。人間の口に近い感じもしますが?

ええーっ!? 頭蓋骨と顎が離れているってどういう意味だかよくわかりません。ええと、人間の顎は頭蓋骨にくっついている、で合ってるのかな……(自信喪失中)

哺乳類がそうなら人間もそうか。うん、頭蓋骨にくっついてるよね、顎。

大きなものから

小さなものまで

取り揃えているみたいです。Jaws(ジョーズ)ってそう言えば顎という意味でした。人類にとって顎はサメのアイデンティティ。よって崇め奉りフィルムに収め「顎(複数形)」と題して世界行脚、家でも気軽に拝めるよう各種標本までアマゾンで売っているのですね。納得……できるわけがないので(主に頭蓋骨と顎が離れている件)、どこかに何か書いてないかなあと調べているとこんな本を発見。

サメのアゴは飛び出し式

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すごいインパクトの絵ですが、ただふざけているわけではなく、サメの顎の構造をもし人体に移植するならという説明なのです。本の内容紹介の画像と説明だけでもナルホドそういうことかと少しわかった気になるのでぜひ見てみてください。この本読んでみよう。

いきなりサメのすごさにガツンとやられました。風オーナー、ありがとうございます!

サメ先輩とぐっちー先輩が凄すぎてシャークにさわる

続いてふわゆさんからのコメントです。

サメ先輩の戦略、スゴいですよね。ぐっちー先輩のダジャレも、対抗しようにもハードルが高い。G先輩のことはもうそっとしておきたいのはやまやまですが、実際スゴいですからね。

しぶとさ。

そうとしか言いようがないところに落ち着きました。ところで……

どういう方向にサメない興味をお持ちなのか気になります。

ああでも、私もこんなヤツには怖いもの見たさ的興味はあります。

南アフリカのテーブル・マウンテン国立公園で見つかったゴキブリ(学名:Saltoblattellamontistabularis)。ジュラ紀後期以降、初めて見つかったジャンプするゴキブリで、2010年の新種トップ10に選出された。

「ゴキブリ=不潔のイメージで人気はさっぱりだが、このクールなヤツのお陰できっと大ブレークするよ。実のところ、本当に有害なゴキブリは数千種の内ほんの一握りに過ぎないんだから。ジャンプするかわいらしい姿を見て、是非その固定観念を改めてもらいたい」。

(クエンティン・ウィーラー アリゾナ州立大学生物種探査国際研究所所長)

クールなヤツのおかげでG先輩が大ブレークしたのかどうかはよく知りませんが、

!?

思わず検索しました。大阪市立自然史博物館を検索しようとすると、複合検索語候補にGが。有名なのですね。見てみると、グロいというか、シュールなオブジェが出てきましたよ。(グロいのも出るかもしれないので注意) 個性的なアプローチの博物館で面白そうな気がしてきました。

ぐっちーさんは行くそうです。展示の全貌は、そしてお子さんたちの反応は……?

そしてもうひとつ、

フカの湯引き、妙に美味しそうで心惹かれてしまいます。

いろんな呼び名があって全部二文字なので、ぐっちーさん説によれば相当身近な生き物だったということですね。(しかし因幡の白兎、ワニの絵が描いてある絵本見たことあるんだよなぁ……)

凄い先輩方へのこのモヤモヤした気持ちは「シャークにさわる」というものだったのですね。フカいなあ〜。

ふわゆさん、どうもありがとうございます!

サメ先輩の独壇場?

私もサメ先輩の活躍がすごすぎてシャークにさわってきたので質問してみました。サメ先輩ばかりもてはやすけど、他にもすごい先輩いるんじゃないの?

やっぱりスゴイのか。

そこへトリフィドさんが耳寄り情報を教えてくださいました。

カダヤシ科? なんじゃそりゃ。

イラストもかわいく楽しそうだし、さっそくリンクされた記事(日本経済新聞のwebサイト)を読んでみましたがこれがすごく面白かった。進化の道筋には色々な可能性があるのですね。

サメ先輩ほどではなくても、ひょっとして卵産むよりこっちの方がよくない? というトライ(&もしかしてエラー)は色々な生物がしているのですね。

胎盤的なもので栄養を与えられて生まれてくる子どもの状態も様々ですね。人間の子が哺乳類屈指の未熟な状態(一人で何もできないという意味で)で生まれてくるのは、見方によっては卵生への回帰のような。抱っこ紐やゆりかごやベビーカーという卵殻に入れて育てているのかも、と妄想。

トリフィドさん、どうもありがとうございます!

ぐっちー先輩、採点される

今週は、ぐっちーさんのダジャレ(オヤジギャグ)の採点を募集するもしばらく音沙汰なかったのですが……

シャーク点満点、いただきました!

坂の餅さん、どうもありがとうございます!!

サメ先輩の失敗

さて、偉大すぎてシャークにさわり、サメ先輩の粗探しをしていた感のある私ですが、ついに見つけてしまいました。

先ほど話題に上った「因幡の白兎」のお話の詳細を忘れてしまって調べました。

元々は『古事記』に書かれているお話ですが、各所にわかりやすくまとめられています。(たとえば出雲大社のサイトなど)

それによると、

大国主と兄弟の神様たちは、因幡国に八上比売(やかみひめ)という美しい姫がいるというのでみんなで会いに行くことにした。疎まれていた大国主は兄弟たちの荷物を全部持たされ、後からついて行くことになった。途中、サメに皮を剥がれ、さらに兄弟神たちに意地悪されて泣いている白兎に出会い、助けてあげた。大国主はだいぶ遅れて因幡国に到着したが、八上比売が求めたのは大国主だった。

どうです。

どうですって、そんなの知ってるよ! という声が聞こえてきそうですが、これは「ウサギに親切にするとモテる」という教訓ではありますまいか。美しい姫がいるからって兄弟全員で会いに行くのはどうなんだというのはさておき、ウサギを助けた大国主とウサギに意地悪をした他の兄弟神たちの明暗の分かれぶりはかなりのもの。八上比売に選ばれたかどうかだけではありません。かたや「国造りの神」として祀られ、かたや、いっぱいいたから「八十神」と呼ばれていたと十把ひとからげで、全員性格が悪かった、くらいのことしか書かれない始末。サメ先輩、ウサギの皮なんか剥いでちゃダメだ、繁殖形態を進化させて生き残ったのに、これでは先行きが危ないです。ウサギには親切に。

と思って描いた絵がページトップのこれ。

では、今回はこれにて。

次回のエッセイのテーマは「クズリ」です。クズリって何? 以前エッセイで取り上げられたオコジョのようにツワモノ揃いのイタチ科生物の中でも「最強」の呼び声高い生き物です。妄想旅ラジオ第42回「クズリ」を聴いて予習しつつ、どうぞお楽しみに!

ご意見・ご感想・ぐっちーさんへのメッセージは、こちらのコンタクトフォームからお待ちしております。

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