Twitterでお話しました
みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。
今回も、ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「サメ〜サメ類の繁殖生態は脊椎動物の進化と同じだった?」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、お伝えいたします。
先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただくとより楽しめる内容です。
サメは人類より(顎が)自立した生き物
早速、ホテル暴風雨風オーナーからの質問です。
ぐっちーさんに質問です。サメ(とエイ)はなんで口が下がったところにあるんでしょう? ほかの魚はみんな身体のいちばん前に口があるのに。
— 風木一人@ホテル暴風雨オーナー (@Kazeki_Kazuhito) February 2, 2022
そうそう、魚はたいてい先端がパカっと開くタイプの口なのに、サメは違います。人間の口に近い感じもしますが?
一般的な魚類は頭蓋骨と顎の骨が繋がっていて、上顎が頭蓋骨と一体になっていますが、サメの顎は上下とも頭蓋骨から独立しています
一説にはこの方が顎の力が強くなるそうで、噛む力が強い個体が生き残った結果なのかも知れません— ぐっちー (@mousou_guccy) February 2, 2022
ええーっ!? 頭蓋骨と顎が離れているってどういう意味だかよくわかりません。ええと、人間の顎は頭蓋骨にくっついている、で合ってるのかな……(自信喪失中)
なんと! 上あごが頭蓋骨から独立しているのは極めて珍しいのではないでしょうか? 魚類だけでなく哺乳類も爬虫類も鳥類もたいてい上あごは頭蓋骨と一体ですよね。サメ、恐ろしい子……。
— 風木一人@ホテル暴風雨オーナー (@Kazeki_Kazuhito) February 2, 2022
哺乳類がそうなら人間もそうか。うん、頭蓋骨にくっついてるよね、顎。
よく見かけるサメの顎の標本ですが、通販サイトで売られているのですね
確かに頭蓋骨は付いてきません
jawsと複数形なのも納得ですサメの顎 鮫のあご 標本 約15-17cm https://t.co/Fx6FRQfQ7z
— ぐっちー (@mousou_guccy) February 2, 2022
大きなものから
小さなものまで
取り揃えているみたいです。Jaws(ジョーズ)ってそう言えば顎という意味でした。人類にとって顎はサメのアイデンティティ。よって崇め奉りフィルムに収め「顎(複数形)」と題して世界行脚、家でも気軽に拝めるよう各種標本までアマゾンで売っているのですね。納得……できるわけがないので(主に頭蓋骨と顎が離れている件)、どこかに何か書いてないかなあと調べているとこんな本を発見。
すごいインパクトの絵ですが、ただふざけているわけではなく、サメの顎の構造をもし人体に移植するならという説明なのです。本の内容紹介の画像と説明だけでもナルホドそういうことかと少しわかった気になるのでぜひ見てみてください。この本読んでみよう。
いきなりサメのすごさにガツンとやられました。風オーナー、ありがとうございます!
サメ先輩とぐっちー先輩が凄すぎてシャークにさわる
続いてふわゆさんからのコメントです。
サメ先輩の多様な繁殖形態スゴい!
軟弱な卵や稚魚の生存率を、いかにして上げてゆくかの試行錯誤があって、現在まで生き延びているのですね!では、ご長寿のG(ゴ〇ブリ)はどうでしょう?あの卵を食べてくれる、天敵はいなかったのかな?硬いからかな?
さめダジャレが思い浮かびません😑
— ふわゆ (@100kero1) February 2, 2022
サメ先輩の戦略、スゴいですよね。ぐっちー先輩のダジャレも、対抗しようにもハードルが高い。G先輩のことはもうそっとしておきたいのはやまやまですが、実際スゴいですからね。
Gはよっぽど美味しくないんでしょうか……でも蜘蛛とかトカゲとかに食べられるとも聞くので、天敵の捕食を上回る生命力と繁殖力がポイントなのか。理屈がわかってもなかなか真似できるものじゃないですね😅
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) February 2, 2022
しぶとさかも
— ぐっちー (@mousou_guccy) February 2, 2022
しぶとさ、でしょうね( ̄▽ ̄;)
— ふわゆ (@100kero1) February 2, 2022
しぶとさ。
そうとしか言いようがないところに落ち着きました。ところで……
興奮冷めやらぬようですね
Gはしぶといですね
でも北海道にはいないので子供は興味津々ですね— ぐっちー (@mousou_guccy) February 2, 2022
どういう方向にサメない興味をお持ちなのか気になります。
ああでも、私もこんなヤツには怖いもの見たさ的興味はあります。
「ゴキブリ=不潔のイメージで人気はさっぱりだが、このクールなヤツのお陰できっと大ブレークするよ。実のところ、本当に有害なゴキブリは数千種の内ほんの一握りに過ぎないんだから。ジャンプするかわいらしい姿を見て、是非その固定観念を改めてもらいたい」。
(クエンティン・ウィーラー アリゾナ州立大学生物種探査国際研究所所長)
クールなヤツのおかげでG先輩が大ブレークしたのかどうかはよく知りませんが、
北海道の子供達は、カブトムシと同じくらい気になるのかしら(^Д^)
関西へお帰りの際は、大阪市立自然史博物館にお越し下さい。Gの展示が凄いですよ( ̄∀ ̄)— ふわゆ (@100kero1) February 2, 2022
!?
Gの、展示……!?😱
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) February 7, 2022
検索してみて下さい(*´罒`*)
なかなかグロいですよ— ふわゆ (@100kero1) February 7, 2022
思わず検索しました。大阪市立自然史博物館を検索しようとすると、複合検索語候補にGが。有名なのですね。見てみると、グロいというか、シュールなオブジェが出てきましたよ。(グロいのも出るかもしれないので注意) 個性的なアプローチの博物館で面白そうな気がしてきました。
いつも正月だと休みが多いのですよね
今度行きます— ぐっちー (@mousou_guccy) February 2, 2022
ぐっちーさんは行くそうです。展示の全貌は、そしてお子さんたちの反応は……?
そしてもうひとつ、
もうひとつ質問です。
子供の頃、田舎ではフカを湯引きで食べていました。フカとサメは同じですか?「因幡の白兎」ではサメの事をワニと言いますけど、色んな名前があるのかな?— ふわゆ (@100kero1) February 2, 2022
フカの湯引き、妙に美味しそうで心惹かれてしまいます。
サメもフカもワニも同じものと考えられているようです
特に関西でフカと呼び、山陰でワニと呼ぶらしいです
フカヒレはサメヒレでもなく、ワニヒレでもなく、やはりフカヒレですね— ぐっちー (@mousou_guccy) February 2, 2022
いろんな呼び名があって全部二文字なので、ぐっちーさん説によれば相当身近な生き物だったということですね。(しかし因幡の白兎、ワニの絵が描いてある絵本見たことあるんだよなぁ……)
なるほどフカヒレ!
西日本はフカなんでしょうね。寝てもさめてもサメジョークを考えてますが、グッチーさんのようにジョーズに文書が出来ず、シャークにさわる。
— ふわゆ (@100kero1) February 3, 2022
フカヒレを初めて食べたのは関西の人だったんでしょうか?
シャークにさわる!!🤣🤣🤣
私もジョーズなジョークが浮かばなかったけど、シャークにさわってたのには気づかなかったです🤣— SAITO Ukyo (@ukyo_an) February 3, 2022
凄い先輩方へのこのモヤモヤした気持ちは「シャークにさわる」というものだったのですね。フカいなあ〜。
ふわゆさん、どうもありがとうございます!
サメ先輩の独壇場?
私もサメ先輩の活躍がすごすぎてシャークにさわってきたので質問してみました。サメ先輩ばかりもてはやすけど、他にもすごい先輩いるんじゃないの?
ぐっちーさん @mousou_guccy 、私は魚はだいたい卵生なのでサメのような卵胎生は珍しいと習った気がします(たぶん)。さらにこんなに多様な繁殖形態を持つとは知りませんでした。サメの仲間以外にもそういう魚はいるんですか?
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) February 3, 2022
すべてを知るわけではありませんが、他には無いのではないかと思います
サメは本当にスゴイですね— ぐっちー (@mousou_guccy) February 3, 2022
やっぱりスゴイのか。
そこへトリフィドさんが耳寄り情報を教えてくださいました。
卵の形が先で、その後、胎生に分岐したんですかね。それとも、胎生が先で、卵の形は胎生由来だったり?
サメ🦈のように、無精卵をエサとして産み足し?たりするかは分かりませんが、カダヤシ目には卵生種と胎生種が混在しているそうです
擬胎盤をもつハイランドカープ🐟https://t.co/Ak7XJZJl3k
— トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】 (@tri_triffid) February 3, 2022
カダヤシ科? なんじゃそりゃ。
イラストもかわいく楽しそうだし、さっそくリンクされた記事(日本経済新聞のwebサイト)を読んでみましたがこれがすごく面白かった。進化の道筋には色々な可能性があるのですね。
この記事のお話もすごいですね。
カダヤシ目グーデア科っていうのがまずわからず、「栄養リボン(偽胎盤構造)」なんてワードだけでもワクワクします!!😲— SAITO Ukyo (@ukyo_an) February 4, 2022
サメ以外どうなのかな?と、私も今回調べてみて、ハイランドカープがでてきました🙂
グッピーとか、ウミタナゴとか、複数の科や属にまたがって卵胎生の魚がいるみたいで、ぐっちーさんが言われるように、胎盤状の器官の起源も、種で異なる場合があり、とても面白いです。
— トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】 (@tri_triffid) February 4, 2022
サメ先輩ほどではなくても、ひょっとして卵産むよりこっちの方がよくない? というトライ(&もしかしてエラー)は色々な生物がしているのですね。
そういうのも、「収斂進化」というのの範疇なんでしょうか? 胎盤的なものは、体内で育てるためのグッドデザインなのですね。面白いです!😀😲
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) February 4, 2022
哺乳類の胎盤は母親由来ですが、サメの胎盤は卵由来らしいです
進化に伴い確実性が増している気がするので、卵が先のような気がします— ぐっちー (@mousou_guccy) February 4, 2022
胎盤的なもので栄養を与えられて生まれてくる子どもの状態も様々ですね。人間の子が哺乳類屈指の未熟な状態(一人で何もできないという意味で)で生まれてくるのは、見方によっては卵生への回帰のような。抱っこ紐やゆりかごやベビーカーという卵殻に入れて育てているのかも、と妄想。
トリフィドさん、どうもありがとうございます!
ぐっちー先輩、採点される
今週は、ぐっちーさんのダジャレ(オヤジギャグ)の採点を募集するもしばらく音沙汰なかったのですが……
ぐっちーさんのサメシャレは…
…シャーク点満点!!
お納めください。
— 坂の餅 (@korogaru40) February 5, 2022
シャーク点満点、いただきました!
坂の餅さん、どうもありがとうございます!!
サメ先輩の失敗
さて、偉大すぎてシャークにさわり、サメ先輩の粗探しをしていた感のある私ですが、ついに見つけてしまいました。
先ほど話題に上った「因幡の白兎」のお話の詳細を忘れてしまって調べました。
元々は『古事記』に書かれているお話ですが、各所にわかりやすくまとめられています。(たとえば出雲大社のサイトなど)
それによると、
大国主と兄弟の神様たちは、因幡国に八上比売(やかみひめ)という美しい姫がいるというのでみんなで会いに行くことにした。疎まれていた大国主は兄弟たちの荷物を全部持たされ、後からついて行くことになった。途中、サメに皮を剥がれ、さらに兄弟神たちに意地悪されて泣いている白兎に出会い、助けてあげた。大国主はだいぶ遅れて因幡国に到着したが、八上比売が求めたのは大国主だった。
どうです。
どうですって、そんなの知ってるよ! という声が聞こえてきそうですが、これは「ウサギに親切にするとモテる」という教訓ではありますまいか。美しい姫がいるからって兄弟全員で会いに行くのはどうなんだというのはさておき、ウサギを助けた大国主とウサギに意地悪をした他の兄弟神たちの明暗の分かれぶりはかなりのもの。八上比売に選ばれたかどうかだけではありません。かたや「国造りの神」として祀られ、かたや、いっぱいいたから「八十神」と呼ばれていたと十把ひとからげで、全員性格が悪かった、くらいのことしか書かれない始末。サメ先輩、ウサギの皮なんか剥いでちゃダメだ、繁殖形態を進化させて生き残ったのに、これでは先行きが危ないです。ウサギには親切に。
と思って描いた絵がページトップのこれ。
では、今回はこれにて。
次回のエッセイのテーマは「クズリ」です。クズリって何? 以前エッセイで取り上げられたオコジョのようにツワモノ揃いのイタチ科生物の中でも「最強」の呼び声高い生き物です。妄想旅ラジオ第42回「クズリ」を聴いて予習しつつ、どうぞお楽しみに!
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