抗コロナのシンボル・ポストアマビエは釘抜きだ! ぐっちーさんと話そう<60>

次世代抗コロナのシンボルは釘抜き。「釘抜きで行こう!」 by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

Twitterでお話しました

こんにちは。今週もよろしくお願いします!

みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。

今回も、ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「ウイルス・細菌〜40歳を過ぎて体調に異変を感じたらすぐに病院に行きましょう」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、お伝えいたします。

先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただくとより楽しめる内容です。

ぐっちーさん、よろしくお願いします

喉は完治だビールがうまい

早速なのですが、エッセイを読んだ方も、妄想旅ラジオ第123回を聴いた方もこれ、気になっているのではないでしょうか。

10月10日はぐっちーさんのお誕生日でした。おめでとうございます!

だけどあれです、抗生物質に耐性を持つ黄色ブドウ球菌がかなりいるということで、結局ぐっちーさんの喉、どうなったの? ラジオでは少し良くなったと言ってたけど、その後ちゃんと治ったの? みなさん、気になりますよね。

治ったそうです。

よかったよかった!

黄色ブドウ球菌は人間の皮膚にも普通に住んでいる常在菌だそうです。それが突然牙をむくかと思うと怖いですけれど、菌自体を撲滅するのはできない相談(それが良いことなのかもわかりません)。体調変化に注意を払って過ごすしかないですね。

あとは「その辺にいくらでもいる」らしい酵母や納豆菌を応援したらいいのか。がんばれ〜!

**は風邪を引かない という言葉は死語に?

ホテル暴風雨風オーナーからのコメントです。

私も、驚くほど風邪を引かなくなりました。みなさまもそうではないでしょうか?

風邪予防にも手洗いが一番効果的だと以前から聞きます。今思えばそれが不徹底だったからしょっちゅう風邪を引いていたのでしょうか。

東京の繁華街は賑わいを取り戻したように見えます。たまに都心に行くとビックリするほどです。私自身の感覚では、マスクなし、席間が近い、大声で話している人がいる、という飲食店はちょっと抵抗がありますが、そこそこ混雑した電車には普通に乗っています。みなさまはいかがでしょう。

海外の動画や写真を見るともうマスクの人はいないですよね。屋外で、至近・対面で話をしなければマスク不要と言われているにも関わらず、日本では大体の人がマスクをしている印象です。でも日本に来る外国人はマスクをしないだろうと思うと、日本における「マスク解除」は外からやってくることになるかもしれません。

はい、かく言う私も、別に「徹底的なキレイ好きの潔癖症」ではなく、そういう風潮をあまり好みもせず、自分自身にも存在はする清潔傾向をむしろ隠していたと思います。でも、解放されちゃいました。風邪引かないという目に見えた実益もあるとなっては、戻れなそうです。

ですよね〜。

風邪オーナー、じゃなかった風オーナー、どうもありがとうございます!

細菌世界の「共生」と「抗生」

シャルル大熊さんからコメントいただきました。

抗生と共生、字面を見れば対義語と納得ですけれど、意表をつかれました。そうだったのか。人の皮膚表面や体内にはたくさんの菌がいるらしいですが、よく考えればそれらはおおむね「共生」しているわけですよね。悪さをする菌がいる時にだけ、それをやっつける(つまり「抗生」の効果を持つ)菌が注目されるわけですが。

現在使われている抗生物質も、ターゲット以外の菌をかなり殺してしまうと聞いたことがあります。傷が化膿したり感染症で抗生物質を飲むとお腹の調子が悪くなるのは、腸の菌種のバランスが崩れるからだとか、そんな話です。今でもバランスを犠牲にしないと戦えないというのに……

「菌何もかも攻撃物質」に頼らざるを得なくなったら大変です。ターゲットも原理も違いますが、重い副作用で有名な「抗がん剤」のような感じになってしまうのでしょうか。

新しい抗生物質がなかなか見つからず耐性菌が増える中、しかし人間の鼻腔内に棲む共生細菌から新しい抗生物質が見つかった(しかも黄色ブドウ球菌に耐性を持たせない傾向がある)という明るいニュースを発見!(ニュースといっても2016年発表の論文より)

「ヒトの鼻から新規抗生物質」(Nature Japan のwebサイトへリンク)

すべての人がこの共生細菌を鼻の中に持っているわけではなく、持つ人の黄色ブドウ球菌保菌率は持たない人の6分の1だということ。医薬品への応用が期待されるようです。

へえ〜!

やはり菌に勝つには菌に頼るしかないのか。

といっても何していいかわからないので、とりあえず酵母と納豆菌と乳酸菌に感謝を捧げ、応援しよう……

シャルル大熊さん、どうもありがとうございます!

抗コロナの新旗手「釘抜き」の世界へようこそ

さて、毎回止まらなくなる私の妄想検索、前回は「蚊帳」でしたが今回は「釘抜き」です。

なぜ釘抜きかって?

先週のエッセイのタイトル画像にもなったこういう写真や概念図、すっかり「コロナの形、イメージ」として定着しています。ボールに釘打った形のあれです。

あの釘抜いちゃえばコロナのやつ無力化するのでは?

と多くの人が潜在的に感じているのではないでしょうか。というか、私はそうです。ああいうビジュアルで描かれると、攻撃力の肝は「釘」部分だという気がしてしまうのです。

つまり、釘抜きで抜いちゃえ、ということです。

さて「釘抜き」といっても実に様々だということ、ご存知でしたでしょうか。

ページトップの絵の中にある「家紋」も、実は「釘抜」という紋なのです。その話は後ほど書きますが、まず私は釘を抜くというと、こんなのを思い浮かべます。

トンカチの、釘を打つのと反対側にオマケみたいについている釘抜き。釘の頭が大きめの場合、あれを使うとテコの原理でスッと気持ちよく抜けます。

頭の小さい、虫ピンのようなものを抜くにはこういう、ペンチ・やっとこ形のタイプ。

このタイプはグリップ力があるので、ネジの頭をつかんで回して抜くこともできたり、ワイヤー等金属を切れるカッターもついていたりと、また別の便利さがあります。

ですがこれら以外にもまだまだあるのですね。

ミステリー・クライムサスペンスファン垂涎の「バールのようなもの」

シンプル・モノパーパス・持ちやすそうで親しみやすいドライバー型

無骨なデザインが素敵。狭いところの釘抜きにいいそうです。

こちらはふすまの張替え道具。釘抜きはハンドルの先のオマケ? ふすまの張替えに活躍中の画像もあるので載せます。

ほれこの通り。比較的気軽に張り替えられる「障子」と違い、ふすまの張替えは引き手や枠から紙を外すのが面倒。適した道具がないとできないですよね。

「釘抜」紋のどこが釘抜きなのか?

さて、日常的にあまり使わないもののまだまだ日本では存在感を放っている「家紋」。自分の家紋は意識せずとも、戦国武将や旧藩主の家紋は知っている方も多いかと思います。

で、「釘抜」という紋があります。基本的な形はこちら。

これが釘抜き

丸に釘抜き

たいがいの紋がそうですが、この「釘抜き」にも数々のバリエーションがあります。

折れ釘抜き

梃釘抜きに閂

違い釘抜き

これらのどのへんが「釘抜き」なの? と気になりつつも放置してきた私ですが、この度思い立って調べました。

これらはやはり大工道具「釘抜き」をモチーフにした紋なのですが、昔の釘は、いずれ抜くことを前提として、抜きやすいように板の上に座金(穴の空いた金属板)をしいて、その上から釘を打ったそうです。抜くときは梃子(てこ)を座金の下に差し入れて抜いたとのこと。つまりこの「座金」と「梃子」がセットで釘抜きと呼ばれたようです。家紋の釘抜きは座金部分のものが多いですが、座金と梃(梃子)が一緒に描かれているものもあります。

このようなペンチ・やっとこ型タイプの釘抜きもあったようで、こちらも「中輪に三つ違い
釘抜き」という家紋です。

あー釘抜き検索面白かった。いかがでしたでしょうか。

COVID-19の表面のあの釘抜いたれ! ということで、アマビエに続く抗コロナのシンボルは「釘抜き」になるのでは、という妄想でした。

こんなアクセサリーだってあるんですよ。

シルバー925製。かわいい。お守りに良い。小さな釘が本当に抜けたりしないものか。画像をクリックした先のページには、着用イメージ写真(チェーンをつけてマネキンの首に飾られた写真です)もあるのでぜひご覧あれ。かわいいから。

ちなみに、どうかしてる感満載(注:個人の意見です)のカルティエの「釘ブレスレット」は、現在だと「コロナの力を我が手に」みたいに見えてしまわないこともない!?

というわけで、釘には釘抜きだ! の心を絵にしたのがページトップの絵なのでした。

今回はこれにて。

次回のテーマは「アオリイカ」です。妄想旅ラジオ第61回「アオリイカ」は、伝説の太公望・ぐっちーさんがインパクト極大の懐かしの漫画キャラクター(宇宙人)とアオリイカの共通点を上げて考察する名作回。こちらもぜひ、エッセイの予習も兼ねて聴いてみてください。

次回もどうぞお楽しみに。

ご意見・ご感想・ぐっちーさんへのメッセージは、こちらのコンタクトフォームからお待ちしております。

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