スズキさんが10名夜道を歩いており、足の合計は8本でした。さて魚のスズキさんは何名? ぐっちーさんと話そう<84>

二大人名っぽい魚 スズキとイトウ illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

(旧)Twitterでお話しました

こんにちは。今週もよろしくお願いします!

みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。

今回も、ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「キジハタ〜ポチ子さん、耳石集め頑張ってください。応援しています。」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、お伝えいたします。

先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただくとより楽しめる内容です。

ぐっちーさん、どうぞよろしく!

世界のスズキ、否、山田太郎ポジションを探せ!

魚類ナンバー1の種数を誇るスズキ目。スズキ目に属する魚というと、マグロとかタイとかサバとか、いかにも私たちがイメージする「魚」という姿をした魚たち。いわば魚類の象徴では。

一方、スズキ(鈴木)さんは日本の姓ナンバー2で、とても多い名字ではありますが、日本人の名前の象徴といえば「山田」さんではないでしょうか。山田さんは日本の姓の数でいうとおよそ12位で、佐藤さんや鈴木さんより数は少ないですが、「山田太郎」さんや「山田花子」さんは、日本人を表す仮名の代表となっています。

山田太郎さん以外に、たとえば千代田区の区役所で書類の記入例として挙げられがちな名前には「千代田一郎」さんや「千代田花子」さんがありますね。そういう「仮名」文化は外国にもありそうですが、こういうの調べるの大変そうだなあ……と考えていたら、トリフィドさんから素晴らしい情報が。

おお、こんな知識がすでにまとめられているとは!

リンクの文字列が途中で途切れて表示されてしまったようですので改めて、

↓こちら↓です。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/仮名_(人名)

各国の多数派の名前なのか、多数ではないが象徴的な名前なのか、とにかく各種ズラリと並んでいるのは見るだけで面白いです。

John Doe やJane Doe が、海外ミステリドラマで身元不明の死体をとりあえず呼ぶのに使われているのを耳にしたことがあります。それで英語スラングを知った気になっていましたが、アメリカ限定だったようです。シャーロック・ホームズやエルキュール・ポアロが登場するのはイギリス文化圏の作品。原著を読めば、そういう状況ではFred Bloggsなどの名が出てくるのかもしれません。

「斎藤」姓は昔、全国10位で、フルネームランキングでも「斎藤実」さんが10位くらいに入っていた記憶があります。しかしあれから数を減らしているのだろうか?

組織由来の仮名考えるゲーム、ただ考えて言い合うだけでも十分面白いですが、ルール設定次第でものすごく盛り上がる楽しいものになりそうです。

ゲームを作ることは世界を作ること。どなたか作ってみませんか?

権兵衛さんのナゾ。その正体はアバター!?

さて話をちょっと戻して権兵衛さんの話。

山田太郎さんよりも「匿名」ニュアンスの強い名としてよく使われる「名無しの権兵衛」さん。これってどこから来たんでしょ。よくある名前だったの?

えっ、「権」にそんな意味が!? あらやだ全然知りませんでしたよ〜。権大納言と大納言どっちが偉いのか考えたことがなかったですが、どうも正解は「大納言」。

感じとしてはどっちも偉い感じがします。「中吉」と「吉」はどっちがいいのか、に似ていませんか? うーん、似てないか。

正と副の「副」的な意味であると書いてある辞書もありました。

権化や権現。納得です。

権兵衛さんは匿名性の高い仮のアバター。つまりはじめからその正体はこういうモノだったのでしょうか?

日本の子どもは池を周回するか

さてメジャーな仮名であるところの山田太郎さんがしがちなことといえば、役所の書類記入だけではありません。

これですよ! 算数の問題で謎の買い物や追いかけっこ、水槽に水を入れながら排水したり、植木とその隙間を数えたり、鶴と亀の合計個体数と足の数の合計を数えたり。

おお、お国柄ですね。これは面白いです。

ヤード・ポンド法だったりよくわからない通貨だったり、小説だったらつい、出てくると読み流しちゃうやつです。

このリンク先に紹介された問題、小学生が犬の散歩バイトをしたりデリにチーズ買いに行ったりというカルチャーショックはさておき、最後に載っている問題が本当に難解です。状況に合っている数式を選べという問題、消去法で正解はわかるのですが、本当に問いたいことがよくわからないんですよね……何だろう、外国語の読解の奥深さを感じます。

そうそう、算数の問題に登場するシチュエーションが実態と合っているとは限りません。アメリカの小学生も、そうそうデリにチーズ買いに行かないのかもしれません。

面白い設定の算数の問題作りゲームも面白そうです。

松月院麗子さんが三つ目五本足の怪人と一つ目七本足の宇宙人合計五名と一緒にピクニックに行き、川を渡る時にボートが必要なことに気がつきました。ボートは、水に特別弱い種の場合、足の数の合計数だけ必要で、それ以外の種の人は一艘に二人まで乗れます。この時ボートが足りなかったので、ボートに乗れなかった人たちは泳ぎました。泳ぐ際、足の数と同じ足ひれと、目を2つまで覆うことのできるゴーグルが要ります。結局、ボート**艘と足ひれ〇〇個、ゴーグル××個が必要でした。さて1)怪人は何人? 2)水に弱い種は? 3)麗子さんの目の数は?

なんて問題作りたいですね。麗子さんが人間と決めつけてかかるとハマる設定にするといい感じです。

こういう問題作りもゲームになりそうです。ゲームのアイディアはいろいろなところにありますね。あれ、何の話でしたっけ。

ともあれトリフィドさん、どうもありがとうございます!!

スズキ・ザ・アンタッチャブル

さて、ホテル暴風雨風オーナーからの質問です。

魚の名なのにいかにも人名っぽいだけに、これ、気になる人は多いのでは。

アンタッチャブル……

尾ひれで立ち上がったスズキに取り囲まれる絵が浮かんでしまいました。

本当に怖いです。風オーナー、ありがとうございます!

進化の系統樹はどうなる?

スズキ目の数の多さに改めて驚きまして、いわゆる「進化の系統樹」をネット上でいろいろ探して眺めてみて、考えたことがあります。

実際の樹木の樹形もそうです。幹が同じくらいの太さの二本の枝に分かれ、双樹のような樹形になるかと思いきや、一本が枯れてしまい、くねっと曲がった形になったり。人類はこの先、太い枝の根元にいる種になり得るのかどうか。もちろん、本当のところは誰にもわかりませんが。

もっと排他的な新人類と寛容な新人類とに分化した場合、排他的な方が生き残る確率が高いのでしょうか? しかし生き残りには多様性の維持が大切。寛容な方が「一人勝ち」ですでに偏ってしまったバランスを元に戻し、繁栄するパワーを秘めていそうにも思えます。

結果をこの目で見ることは今生きている人の誰一人にもできないでしょうが、できることならば知りたいものです。

というわけで、今日はこれにて。

今回の絵ですが、人名っぽい魚といえばスズキの他にこのひともいた! と思い出して描いてみました(夜道でスズキに囲まれる絵を描こうと思ったけど怖すぎてやめた)

伊藤さん伊東さんは比較的多い名前ですが、魚のスズキが多数派なのに対してイトウは幻の魚だそうで。人間界と魚界の名前は当然、対応していません。スズキさんと鈴木さんの多数派ぶりが符合したのが奇跡なのか、発音のしやすさとかに秘密があったのか、それは謎です。

次回のエッセイのテーマは「アリジゴク」。妄想旅ラジオ第85回「アリジゴク」に関連した内容です。アリジゴクって名前が恐ろしげなので、私は昔、きっとアリクイくらいの大きさの生き物だろうと思っていました。どうやら小さな虫らしいと知ったのはだいぶ後のこと、詳しい生態を知ったのはもっと先で、そのきっかけが何を隠そう「妄想旅ラジオ」でした。みなさん、ラジオもぜひ聴いてみてください。妄想旅リスナーの方も、復習&エッセイ予習にもう一度。次回のエッセイもどうぞお楽しみに!

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