伝説の羊の木

みなさまこんにちは。
フロントのメエサクです。

今日は、見せたいものがあるとかで、造園係のアルブルさんとラウさんに呼ばれているんです。いったいなんなんでしょう。美味しい草でも生えてきたんでしょうか、ワクワクしますね、フフフフフ……。

こんにちは〜

アルブル:「メエサクさん、お待ちしてましたよ。大変なんです」

メエサク:「どこにどこに美味しい草が?」

ラウ:「メエサクさん、しっかりしてください。面白い草が生えてきたんです。美味しいかどうかはわからないんですが。これが写真です、見てください」

メエサク:「んん!?これ、そんなに面白い草ですか」

ラウ:「ともかく、実物を見に行ってみましょう」

アルブル:「これ、普通に見えるかもしれませんが、今まで見たこともなくて、図鑑にも載っていない草なんですよ。新種かもしれません」

メエサク:「ふ〜ん。匂いを嗅いでみれば、何かわかるかもしれないなあ。でも、ぼくよりもっと植物に詳しいひとに聞いた方がいいんじゃないですか」

アルブル:「それが、バベルさんに聞いたら、育つと実がなって、中から羊が出てくるという草に似てるなんて言うんですよ」

メエサク:「バベルさん、また真面目な顔して変なこと言うからなあ。その話、聞いたことがあるけれど、古くからある伝説でしょう、本気で言ってます?」

ラウ:「まあまあ、面白い植物が生えてきたら皆さんに見せたいけれど、まずはメエサクさんにということですから。それにここは暴風雨の島です。ちょっと不思議なものが生えてきてもおかしくないじゃないですか。あ、着きました、ここに出ている芽なんです。写真より少し大きくなってますね」

メエサク:「あっ!!」

ラウ:「メエサクさん?」

メエサク:「この葉っぱのつき方に色、葉脈の形、茎の硬さ、それに匂い!生き別れた母とそっくりです。間違いない!ぼくはここから生まれてきたのか、おかあさ〜ん!!」

アルブル:「ええっ……!?」

メエサク:「……冗談ですよ]

アルブル:「…………」

メエサク:「そんなに美味しくなさそうな草ですねえ」

ラウ:「……羊の木だからでしょうか」

アルブル:「チヨさんは、サンプルを顕微鏡で見たり遺伝子を調べれば、何の草か、新種かどうかなどがわかると言ってますが」

メエサク:「面白いからもう少し置いときたいんですね」

アルブル:「そういうことです。みんなに見せたり、今の話を披露したり、どんな花が咲くか予想したりして楽しみたいですからね」

メエサク:「ですよね」

ラウ:「ね〜」

というわけで、この草がどんなふうに育つのか、またご報告いたします。どうぞお楽しみに!メエサクでした。


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