将棋ストーリー「王の腹から銀を打て」第21回
お願いします、と礼をして、また将棋を指した。組み合わせは同じ、トモアキ対カズオ、アサ子対トオルだ。 初心者はあまり考えないのでそれほど時間...
心しか泊まれないホテルへようこそ
お願いします、と礼をして、また将棋を指した。組み合わせは同じ、トモアキ対カズオ、アサ子対トオルだ。 初心者はあまり考えないのでそれほど時間...
それからシュウイチは将棋を指すときに守らなきゃいけないものが二つあるという話をした。 ルールとマナーだ。 「ルールを守る。これは当た...
近頃、「脳の年齢を判定する」とか、「脳を鍛える」とかいう言葉をよく聞きます。そういうゲームも発売されているようで、よほど「脳」が流行...
「新庄くん、お兄さんと歳はなれてるんだね」 シュウイチが一階に下りたとき、アサ子が意外そうに言った。 「うん、説明すると長いんだけど――...
ベッドのはしにすわって、カズオは続ける。 「兄さんは詰め将棋の問題出してくれたり、本で定跡教えてくれたりするでしょ。同好会の人は指すだけな...
「どうも佐野の言う方が正しいよ。同じメンバーでがんばろうぜ」 と、トモアキは言った。 もともとトモアキはチームを強くするために、メンバー...
「だって、負けたときと違うメンバーでかたきを討ったってしかたないでしょ?」 アサ子は言った。理屈はもっともだ。しかし、昨日あれほど嫌がった...
「ジュン、ニュースだ」 トモアキは朝学校につくとすぐジュンに報告しにいった。ジュンはランドセルから出した教科書とノートを机につっこみながら...
勝った相手は、ほっとしたせいか、無神経なことを言った。 「まあ二歩打たなくてもこっちの勝ちだったけど」 トモアキはむかっと来た。せめ...
青葉小+1は二回戦に進出した。二回戦は準決勝でもある。 今度の相手「と金倶楽部チーム」は見るからに強そうだった。将棋の強さは顔ではわからな...