ふくながじゅんぺいさんの快作『へび ながすぎる』が本当に長すぎる
読者は知っているけれど登場人物は知らない。そこから面白さが生まれてくる。このテクニックを使った絵本はときどき見かけます。有名どころではたとえばパット・ハッチンスの『ロージーのおさんぽ』です。ぼくも『おしゃれなのんのんさん』で試みています。
心しか泊まれないホテルへようこそ
読者は知っているけれど登場人物は知らない。そこから面白さが生まれてくる。このテクニックを使った絵本はときどき見かけます。有名どころではたとえばパット・ハッチンスの『ロージーのおさんぽ』です。ぼくも『おしゃれなのんのんさん』で試みています。
絵本コンテストの審査は応募された作品を評価するものです。しかし新人発掘を目的とする賞なら将来性も視野に入ってくるのは当然でしょう。できれば1作だけでなく作り続けてほしいのです。審査員としては受賞者がその後活躍してくれるほど嬉しいことはありません。
けいたろうさんはコロナでなかなか人と会えなかった去年今年の体験からこの絵本を構想したそうです。会えないからこそ会うことの大切さが身に沁みてわかる。会えないからこそやっと会えたときの喜びが倍にも三倍にもなる。とても共感できますね。
前回はペットロスのさなかにある人(ぼくだ)におすすめの猫絵本を紹介したが、今回はペットロスとは関係なく、とにかくかわいい猫絵本、楽しい猫絵本を紹介しよう。優れた猫絵本を読むのは幸せで満たされた気持ちになるための最高の方法のひとつだ。
虹の橋はとても有名だからご存じの方が多いだろう。インターネットを通じてまずアメリカで、それから世界中で知られるようになった作者不詳の詩がもとになっている。虹の橋をテーマにした本は複数出版されているが、その中でぼくがいちばん好きなのがこれだ。
これは大人向けの絵本なのか? いや作者はこの寓意に満ちた話を子どもに向けて書いている。80冊以上の絵本を手掛けてきたテッケントラップは、このテーマが子どもにとって難物であることを熟知しているに違いない。それでもあえて書いたのはなぜか?
わからないものを正面からすごい熱量で描いたことが『めんぼうズ』を見たことのない絵本にし、シュールな絵本の傑作にしました。同時にその「わからないもの」への愛は、『めんぼうズ』をきわめて今日的な作品にもしています。
『びりびり』(東君平・作 ビリケン出版) 「いちまいの くろいかみを びりびり やぶいていたら へんなどうぶつが うまれました...
『もぐてんさん』(やぎたみこ・作 岩崎書店) ぼくは子どものころ昆虫少年でした。頭から触覚が生えていたわけではありません。バッ...
『えらぶえほん』です。文はとても少なくて単純です。最初の見開きにはこれだけ。「きみがいってみたいのはどこ? うみ? やま? じゃんぐる? ゆびをさしておしえてね」絵は細かく細かく描きこんであります。同じ見開きに海も山もジャングルも街も宇宙も