別訳【夢中問答集】第八十二問 大乗仏教の修行は難し過ぎる? 1/3話
足利直義:……話を変えさせてください。 「昔のことはいざ知らず、今どきの人にとって大乗仏教の修行は難し過ぎる。さしあたり念仏を唱えてさ...
東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。 意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。 意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。著者:文野潤也
足利直義:……話を変えさせてください。 「昔のことはいざ知らず、今どきの人にとって大乗仏教の修行は難し過ぎる。さしあたり念仏を唱えてさ...
足利直義:なるほどですね…… 和尚の話を聞いていて思ったのですが、禅宗ではよく教導手法において「理致」「機関」という区別を用いますが、...
本当にもののわかった高徳の師匠にとって、「お釈迦様自身の考え」を説くにあたって一番大切なのは宗派の区別ではなく、受け手のレベルや性格に合った...
足利直義:そういえばお釈迦様の説法には二つの種類があると聞いたことがあります。 ひとつはお釈迦様が相手のレベルに応じた話し方をする「随...
足利直義:教祖であるお釈迦様も、そんなやり方をしていたんですかね? 夢窓国師:禅の立場から言わせてもらえば、歴史上実在したブッダである...
足利直義:なるほど……。 しかし、禅の師匠たちの問答を見ると、お互いに褒めたり貶したりしあっているようです。 禅師同士の批判はよくて、修...
足利直義:・・・・・・失礼しました。では質問を変えます。 今、「禅宗は五派に分裂してしまった」と仰ったかと思いますが、なぜそんなことが起き...
「教外の別伝」というのもこれと同じことじゃ。 あらゆる人々の日常生活の中にあり、様々な経典の教えから離れたものでもない。 ただ、...
かつてワシは出張のついでに同僚の坊主を七、八人連れて富士山の麓にある西湖に観光に行ったことがある。 そこはまさに神仙境というべきところ...
昔の師匠は言ったよ。「『達磨大師が中国に来て、人々のために何か特別なことを伝えた』というのは間違いだ。彼は『オマエが必死に求めまわっているも...