
別訳【夢中問答集】第七十四問 大・小、真実・方便は区別すべき?
足利直義:なるほど…… ところでテキストを重視する宗派においては「大・小、真実・方便を区別して扱う」のだそうですが、これはなぜでしょう...
東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。 意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。 意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。著者:文野潤也
足利直義:なるほど…… ところでテキストを重視する宗派においては「大・小、真実・方便を区別して扱う」のだそうですが、これはなぜでしょう...
足利直義:お、和尚さま、落ち着いてください。ヒートアップし過ぎですよ! 悟れていない人が世界を見たときには縁生、つまりみせかけだけのマ...
「あらゆるものごとの本質」には二種類あってな、この性徳における「識」というヤツこそが「真の心」であって、それ以外の要素は全て「みせかけだけの...
足利直義:悟った人とそうでない人が見ている世界は、いったいどのように異なるのでしょうか? 夢窓国師:禅宗は真実そのものをズバリと提示す...
足利直義:なるほど…… 話は変わりますが、お経には「あらゆるものごとの本質は、みせかけだけのマボロシなのだ!」と書かれたものもあれば、...
禅宗はまさに「教外別伝」じゃ。 だから禅宗における「見性(けんしょう):性を見る」の意味するところは、その他の宗派とはひと味違う。もちろん...
足利直義:なるほど、そういうもんなんですかね…… ところで和尚、よく「インドからやってきた達磨大師は、文字・言語を使って教えを示すこと...
まぁ、「初めから『真の心』に目覚めるのはなかなか難しいというのであれば、まずはカンチガイでもいいから自分が『心』だと信じるものをとことん追い...
足利直義:菩薩の化身である孔子や老子などの古代中国の聖人たちもまた、世間ずれしてひん曲がってしまった「知覚・考慮・分別するハタラキ」をまっす...
そしてブッダはアーナンダにこう言った。 「遥かな昔から今まで、生きとし生けるものが漠然と輪廻転生の渦に巻き込まれ続けてきたのは、真の心...