【善財くんがゆく!】第九話 善財くん、空を歩く僧に出会う:第三の善知識・善住比丘 (2)
「落ち着け落ち着け」 善住比丘は呑気に言う。 「最初は皆そうなる」 「皆って誰ですか!?」 善財は半泣きだった。 ...
東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。 意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。 意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。著者:文野潤也
「落ち着け落ち着け」 善住比丘は呑気に言う。 「最初は皆そうなる」 「皆って誰ですか!?」 善財は半泣きだった。 ...
海辺を離れてからも、 善財は何度も振り返っていた。 波の音が、 まだ遠くから聞こえてくる。 海雲比丘は、 最後までこちらを...
海雲は、 しばらく砂浜に描いた線を見つめていた。 波が来る。 線の端をさらっていく。 だが海雲は気にしない。 むし...
善財は、 しばらく海を見つめていた。 波は変わらず寄せては返している。 だが、 もう先ほどまでと同じ海には見えなかった。 ...
その瞬間。 善財は、 ほんの一瞬だけ錯覚した。 目の前の海が、 巨大な“意識”のように見えた。 無数の声。 無数...
善財は、 海雲の横顔を見つめた。 「向こうから…… 見え始める?」 海雲は頷く。 「うむ」 波が寄せる。 ...
潮の匂いがした。 善財は足を止める。 今まで嗅いだことのない匂いだった。 風は湿っていて、 どこか鉄のような、 鉱物の...
善財は、 しばらく黙ったままだった。 自分が今、 何を見せられたのか。 何を聞いたのか。 うまく整理できない。 ...
善財は、 しばらく言葉を失っていた。 山の空気は静かだった。 風が吹き抜けるたび、 木々がざわりと揺れる。 だが、 ...
善財は恐る恐る口を開いた。 「あなたが……徳雲比丘なのですか?」 「ああ、たぶんな」 「たぶん?」 「今ちょっと忙し...