別訳【夢中問答集】第四十二問 世間と向き合うのか? 究極の真実と向き合うのか?
足利直義:と、いうことであればですよ。まずは環境に振り回される気持ちを落ち着かせることに専念して、それがなんとかなってから「究極の真実」と向...
東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。 意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
足利直義:と、いうことであればですよ。まずは環境に振り回される気持ちを落ち着かせることに専念して、それがなんとかなってから「究極の真実」と向...
近ごろ儒教と仏教の融合を唱えて物議を醸した中峰という和尚がおるが、彼の主張の大半が世の人々の日常に対する認識の歪みを正そうとするものなのも、...
こういった物ごとの考え方、つまり世間との折り合いのつけ方は、お経の中に様々な事例として書かれておる。 禅宗の開祖である達磨大師は、これ...
柄杓が大きいとか小さいとかだけの話に限らず、近ごろよく言われる「○○ガチャ」の当たりハズレや寿命の長短、経済的な貧富や世間的な地位の高低、世...
また、別のヤツの例もあるぞ。 それも同じ頃の話なのじゃが、ワシの下宿先にはフロがなくてな。いつも近所の坊さんの家までフロを借りに行って...
足利直義:そりゃ確かに根が優秀な人ならば、環境に左右されたりすることはないでしょう。 とびきり優秀、とまではいかなくても、シッカリした...
さて、それでは「真実の道心」とはいったい何か? それは「無上菩提(最高の悟りの境地)」を求める心を起こすことじゃ。 それでは「無上菩...
足利直義:なるほど、世間並みの富や名誉を追うことの虚しさについてはよくわかりました。 話は変わりますが、仏教、特に和尚の属する禅宗にお...
足利直義:なるほど・・・ どれだけ知識が豊富だったとしても行動が伴わなければ「そこら辺のアホウとおんなじ」ということであれば、いわゆる智者は...
クドいようじゃが、最近の連中ときたら「仏教を信じています!」などと言ったところで結局は世間並みの名誉や利益を得たいだけというのがほとんどじゃ...