別訳【夢中問答集】第十七問 政治と宗教は分離すべき? 3/3話
天下を治める国王や大臣が仏教にのめり込んだという例は、国の内外を問わず昔からたくさんの例がある。 政治をうまくいかせるために仏教を利用...
東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。 意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
天下を治める国王や大臣が仏教にのめり込んだという例は、国の内外を問わず昔からたくさんの例がある。 政治をうまくいかせるために仏教を利用...
いいか? どんな金持ちも貧乏人も、人間に生まれてきたという一点をとってみれば、全員等しく前世で宗教的善行を積んだことに違いはない。 ...
足利直義:なるほど・・・ ところで、それはそれとして、世間では「政治家が宗教にハマるとろくなことにならない。仏教にのめり込んでいる連中などが...
つまり、「坊主のデキが悪いから嫌い」などと言う人は、単なる仏教嫌いなのじゃ! 施しをする者のことを、「福を産出する田」という意味を込め...
ある坊主の人格がくだらないからといって、信心まで失うというのは、冷静に考えてみれば決して正当化できないことはわかるよな? 自分の居住エ...
足利直義:なんだかんだ言ってますけどね、最近の坊さんたちときたら、どうでしょう。 金儲けにばっかり走りやがって、まったくロクなもんじゃ...
かつて、禅宗の大ファンだった北条時頼さんが建長寺をつくった時、宗の国(中国)から招かれて初代住職となった大覚禅師(=蘭渓道隆)は、信者に頼ま...
真言宗は今でも大勢の信者がおるが、究極の真実を求め、世の中のあらゆる演出の裏を見極めて、今のこの生身のままで仏になること(即身成仏)を目指す...
足利直義:そういうものなんですかね・・・ ところで和尚、真言宗には「加持祈祷(かじきとう)」という必殺技があって、呪文や儀式などによっ...
足利直義:しかし和尚、そもそも「あわれみ」とか「慈悲」の心というものは、実際に苦しんでいる人たちがいることを知って初めて生まれる感情ではない...