馬大師の四句百非 4/5話 (出典:碧巌録第七十三則「馬大師四句百非」)

そんな言葉づらしか見ないような連中に対し、禅の師匠たちは容赦なく痛罵を浴びせます。
いわく「このウルシ桶め!」、また「狐憑きが!」、また「めくらヤロウ!」・・・

果たしてこれらは杖でぶん殴るのと同じでしょうか?

禅の師匠たちの指導方法は実に千差万別ですが、これらが全て「同じ」だということがわかった時、アナタはもう無敵です。

このエピソードに関し、私の師匠の雪竇和尚は次のようなポエムを詠みました。

「智藏は真っ白け、百丈は真っ黒け」なんて、達人たちでも意味不明。
馬が暴れりゃ全員即死。臨済さんも裸足で逃げ出す。
四句と百非を使わずに?
答えを知るのは世界で「オレ」だけ。

流石は雪竇和尚! 謎めいた「智藏は真っ白け、百丈は真っ黒け」に上手くオチをつけたもんです。いわく、「そんなの誰もわからんよ」と。w

これは一見投げやりな回答のようですが、これこそが「神仙の秘訣」とも呼ばれる最高の奥義なのです。あのお釈迦様だって数十年に渡ってアレコレ語った挙げ句に「心印」と呼ばれる言語外の奥義を伝えたではないですか。

なかなか理解されにくいことではありますが、実のところ、「仏教の真髄」には何のクダクダしいこともないのです。

今回、馬大師ら三人が寄ってたかって一人の僧をたらい回しにしたのも、あくまでも仕方なく、親切心からそうしたまでのこと。

その辺のことがしっかりと理解できたなら、あらゆる束縛から解き放たれ、世界を自由に飛び回ることが可能となるのです。

逆にそうでないのなら、何をどうやったって「真実」は遠のく一方です。

―――――つづく

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