
別訳【夢中問答集】第五十六問 万事と「工夫」は何が違う? 2/2話
だから本物の修行者は、一瞬たりとも「今は座禅の時間じゃないから」などと言ってボサっと時間を浪費したりしない。 食事、着替え、お経の研究...
東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。 意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
だから本物の修行者は、一瞬たりとも「今は座禅の時間じゃないから」などと言ってボサっと時間を浪費したりしない。 食事、着替え、お経の研究...
足利直義:なるほど・・・ ちなみにですが、和尚は今、「工夫」と仰いましたよね? しばしば「万事の中に工夫する人」とか「工夫の中に...
さて、究極の真実を求める気持ちがロクにない今どきの連中じゃが、コイツらはただなんとなく日を送ることに対しても何の疑問も持ちはしない。 ...
足利直義:そういえば碧巌録を焚書にした大慧和尚の一派は、「趙州無字(じょうしゅうむじ:「犬に仏性はあるか?」という問いに対して趙州和尚が「無...
足利直義:なるほど・・・・・・ それではついでにお聞きしますが、「初心者は必ず公案から入るべし」という師匠と「公案なんかどうでもよい」...
足利直義:そうそう、その公案についてもお聞きしたいことがあります。 公案というのは昔の偉い人のシュールな言行録のことだと理解しているのです...
昔の修行者は今どきの連中とは違い、迷いは捨てきれていなくても「本分は誰でも必ず備わっている」ということを疑うことはなかったので、自分の修行の...
足利直義:いや、だからその辺りがよくわからないのですよ! 禅宗は「両親が生まれる前」だとか「仏という概念が発生する前」だとかを有難がる...
足利直義:・・・なんだかもっともらしくは聞こえますが、「用心しない」ことこそが真の「用心」ということになると、日々何も考えずに暮らしている人...
足利直義:しかし和尚、お経に書かれている修行方法はといえば、程度の差こそあれ心身を用いたものばかりです。 和尚はそれらを否定しようとおっし...