ぐっちーさんと話そう<5> ゾウムシ新種&仲間たちはどこにいる?

象っぽい虫と虫っぽい象。ほのぼのぶって変な絵を描いてみました illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

今回もTwitterでお話しました

こんにちは。今週もよろしくお願いします!

みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。

先週のぐっちーさんのエッセイ「妄想生き物紀行 第5回 ゾウムシ〜エサとなる植物の数だけ種類が存在するゾウムシ、命名の姿勢を問う」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、今回もお伝えいたします。

先週のエッセイ、そしてポッドキャスト「妄想旅ラジオ」第5回「ゾウムシ」もお聴きになるとよりお楽しみいただける内容です。

ぐっちーさん、よろしくお願いします

心ときめく新種の命名「**ゾウムシ」

みなさまは、もし新種を発見したら、どんな名前にしますか?

先週のエッセイでぐっちーさんは安直な名前が多いことを指摘しています。その生物の性質を的確に表し、なおかつかっこいい名前がつけられたら最高ですが、特にゾウムシのような種類の多い虫の新種を発見した場合、「性質」を的確に表す名前は出尽くしていてなかなか難しいのではないでしょうか?

もうこうなったら好きなように自由に命名するしかありません。ぐっちーさんならどうするか、お聞きしてみました。

ゾウムシならば「ナツゾウムシ」でしょうか。いいですね〜。

シャルル大熊さんからこんなツッコミも入りましたが

安直な命名疑惑(?)は晴れたのでした。
私としては、秋や冬にしか見られないのに名前に「なつ」とつくという謎の虫が誕生してほしいものです。

新種に猫の名前がついた例はあるのだろうかと検索していたら、犬が魚竜の化石を発見したため、「新種ならば魚竜に犬の名前がつくかもしれない」というニュースを見つけました。つくといいな。

英南西部サマセット州の海岸で犬の散歩をしていた男性が、1億9000万年前の魚竜の化石を発見した。新種なら、飼い犬にちなんだ名前を付けてほしいと願っているという。

芋づる式新種グループ ゾウムシ&????

さて、シャルル大熊さんからはこんな質問も。

ぐっちーさんからの回答です。

つまり、既知の植物を食べる新種ゾウムシがいる可能性があるだけでなく、もし新種の植物が発見されたら同時に新種のゾウムシも発見されるかもしれないということ!?

トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】さんからはこんなコメントをいただきました。

特定のものしか食べられないというのはちょっと想像が難しいですよね。人間の「**アレルギー」などかわいいもので、「**以外アレルギー」みたいなものでしょうか。

特異的な共生細菌、いそうです。パンダの体内にもササを消化する細菌がいると聞きますが、元は肉食動物だというのに、細菌のおかげでササを食べられるようになったのか、ササを食べていたら細菌が来てくれたのか!?

続けてこんな記事もご紹介いただきました。

JT生命誌研究館は“生きている”を見つめ“生きる”を考えています。生命誌について、研究館の活動について、生命誌から生れた世界観について、ホームページの構成について、館のメンバーの書いた日記についてなどなど是非ご意見をお願いします。

↑とても面白いのでオススメです。「特定の食べ物を腸内の細菌が消化してくれる」というならまだ想像できますが、外骨格を硬化するのに共生細菌が関わっているとは驚きです。おっしゃる通り、細菌がいなければもはやゾウムシと言い難い何かになってしまいます。細菌、すごいですね……人間にも共生細菌は多くいるらしいですから、自分のアイデンティティは果たして人間のものか細菌のものかと考えると足元が揺らいできて実に楽しいです。

キノコをはじめとした菌類や細菌類に興味の尽きない私としては掘りはじめると長大になるのでこの辺で我慢するとして、これは、もし新種の植物がいると、同時に新種のゾウムシ、だけでなく新種の共生細菌も存在するということになるのでは? ワクワクするお話です。

シャルル大熊さん、トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】さん、どうもありがとうございます!

ぐっちーさんもうなる命名とは?

ホテル暴風雨オーナー風こと風木一人さんからはこんな質問が。

ゾウムシの仲間「オトシブミ」は風情を感じる命名ですね。さて気になるぐっちーさんのお答えはというと、

アリジゴクですか、さすが、ぐっちーさん。言われてみると「アリ目線」や類似の命名はかなり稀有です。アリ目線のサイズ感をインプットされるせいか、アリジゴクという生き物がいると聞いたときは、もっと大きな動物に違いないと思ったものです。風木オーナー、ありがとうございます。

タジン鍋は土鍋鍋、タジンナベビトはドナベナベビト。

さてTwitterでは出番がないかと思われた「タジン鍋」ですが、なんとぐっちーさんとタジン鍋との新たな出会いが。

いっぱいありますね〜、それに安い!

私もネットで検索してみたのですが、通販でもかなり多種のタジン鍋が扱われているのがわかりました。使いやすそうでシンプル・手頃なものから(さすがに300円はなかなかない!)、おしゃれな北欧風デザイン、有田焼や九谷焼など和風の陶製、と付加価値のついた高級感のあるものまで。かつてのように「その辺のスーパーでも売っている」ことはないものの、それなりに日本文化に根付いているようです。レシピも豊富で、「買ったは良いけど眠らせてませんか?」といったキャッチコピーとともに美味しそうな料理と作り方が紹介されています。

それにしてもタジン鍋、やっぱり良い形です。「タジン」ってなんだろうと思って調べて、語源などはっきりしたことまではわからなかったのですが、もともと「土鍋」のことを指す言葉だという情報は得ました。つまりタジン鍋は土鍋鍋です。ガラパゴスゾウガメ(=カメゾウガメ)に続く同義反復ワードの登場です。タジンナベビトはドナベナベビトです。鍋が大好き過ぎです。

あと、ゾウムシが大好きな人が猫に「ゾウムシ」という名前をつけて、ある日新種のゾウムシを発見したので猫の名前をつけようと思うと大変なことになりますね。つまり(以下略)

というわけで、今回はこれにて。

次回は「ヒツジ」です。妄想旅ラジオ第6回「ヒツジ」 に対応しています。ラジオでも解説したヒツジの持つ性質を、ぐっちーさんが思いがけない別の手法でまたわかりやすく説明してくれますよ! どうぞお楽しみに。

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