Twitterでお話しました
みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。今回も、ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「妄想生き物紀行 第21回 ウナギ〜絶滅危惧種のウナギを食べているのは誰だ」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、お伝えいたします。
先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただき、そしてポッドキャスト「妄想旅ラジオ」第21回「ウナギ」もお聴きになるとより楽しめる内容です。
ウナギ、進化中
「ウナギ」といえば私、実はぐっちーさんに是非お見せしたい情報をつかんでいたのです。
我らが「妄想生き物紀行」とは関係ないツイートのような顔をしてまずはこのとっておきの情報を投下いたしました。
今年の始め近所の公園の池で「かいぼり」をしていた。池の水を抜いて干すやつである。それはいいのだが捕獲された生物を報告する張り紙に驚愕した。これ、驚いていいやつだよね、違うんだろうか……? pic.twitter.com/nTMrjX71bu
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) April 14, 2021
驚いたのはこれです。公園の池になぜニホンウナギが? wikipediaによるとこの池、昔は近くを流れる川の水源だったが今は水が少なく地下水を揚水して水量を維持しているとある。川を遡上した上ジャンプした? それとも誰かがこっそり捨てたか養殖してたのか。 pic.twitter.com/yPHiiyUPtj
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) April 14, 2021
はい、これがページトップにも載せた写真です。
ツイートにも書きましたがちょっとわかりにくいので池と川の関係を整理しますと、
*この池は昔は近くを流れる川と接続しており、その川の主水源のひとつだった。
*しかし池の湧き水が減り、川の本流に至る流れが枯れてしまった。
*現在は池の水量は地下水を汲み上げて維持しているが、川とは繋がっていない。
ということです。地図で見たところ池と川の距離は200メートルくらい。かつてはつながっていた川は下流で今まさに「春のうららの」隅田川に合流し、東京湾へ流れます。
さてこのような池になぜウナギが!? すごくないでしょうか。
そこへぐっちーさんが期待通り登場してくださいました。あーよかった。
陸上でも皮膚呼吸でしばらく移動できるので、チャレンジャーの一人かもしれません
— ぐっちー (@mousou_guccy) April 14, 2021
なんと、東京湾から隅田川を遡上し、支流に入り、陸上を200メートル移動してきたと!?
もしかして進化の途中!?
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) April 15, 2021
ウナギは陸上生物になろうとしているのでしょうか、ぐっちーさん?
そうかも
— ぐっちー (@mousou_guccy) April 15, 2021
おお、うかつに使うとぐっちーさんが憤るでおなじみのワード「進化」ですが、お墨付きを得ました。ウナギ、進化中。もうね、海や川にいるの飽きた。陸に上がりたい……と上陸。やっぱり息切れして(エラ呼吸だからね)池に飛び込む。なんだけっこういいところじゃないのと新天地(いや新天池か?)を楽しんでいたら池の水全部抜かれて捕まる。波乱万丈。お疲れさまです。捕獲した在来種は池に帰すとは書いてあったが、今このウナギはどうしているやら。
次郎の行く末
前座が長くて失礼しました、ここからが本編です。
風オーナーこと風木一人さんからの質問です。
雨オーナーに先を越されないよう急いでぐっちーさんに質問です。「うな次郎」その他の「ウナギの蒲焼そっくりさん」を食したことがありますか? ない場合、興味はおありですか?
— 風木一人@ホテル暴風雨オーナー (@Kazeki_Kazuhito) April 15, 2021
おや、先を越された。
うな次郎、食べたことはありませんが興味あります
本物を食べる文化が衰退した後、代替食品が流行した事例もありそうな気がします
なんかあった気がします
私たちは、もしかしたら文化の転換期にいるのかもしれません— ぐっちー (@mousou_guccy) April 15, 2021
こちらが先週もご紹介した一正蒲鉾製「うな次郎」。以前までは原料にうなぎエキスを使っていたところ、昨年からはついに「うなぎフリーになりました」と声高らかに公式サイトで宣言しているところも好感度高し……というよりただただリスペクトです。うなぎとはちょっと違うけど美味しい。サイトのレシピ集も充実していて、やわらかい食感なので確かに「う巻き」なんか本物よりうまくできそうです。
シャルル大熊さんからも質問です。
世界人口の1.5パーセントにすぎない日本人が60パーセント以上のウナギを食べているとは驚きました。こっちにもよこせと言う外国の人はいないのでしょうか? そもそもウナギを美味いと思うのは日本人だけなのでしょうか?
— シャルル大熊 (@charles_okuma) April 15, 2021
ウナギといいマグロといい絶滅するまで食べ尽くす恐ろしい魚食民族、それが日本人!?
鰻のタレのベースが砂糖、醤油、みりんでいかにも日本的ですよね
あのタレでなければ鰻は美味しいと思わない気がします
他国に知られないようにしないといけないですね— ぐっちー (@mousou_guccy) April 15, 2021
特に醤油ではないでしょうか。つまりウナギ消費のカギを握っているのは醤油であり大豆なのでは。
あの美味しさを世界に知られたら一瞬で絶滅してしまいますね?
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) April 16, 2021
秘密はタレにあり。ウナギのタレでかまぼこをいただきましょう。
— シャルル大熊 (@charles_okuma) April 16, 2021
そうですね。みんなでうな次郎を食べよう。
さてうな次郎以外の「代替食品」へと話題は移り、
ああ、あった気がしますね。代替食品として開発したものが本家より美味しくできてしまうことだって普通にあり得ますものね。具体例はすぐには浮かびませんが。
— 風木一人@ホテル暴風雨オーナー (@Kazeki_Kazuhito) April 15, 2021
がんもどきはどうでしょう
元々は精進料理に入れるため雁の肉を真似て作ったようなので合致するのでは— ぐっちー (@mousou_guccy) April 15, 2021
それですね。今では雁の肉の代わりだと思っている人は誰もいません。まさに代替食品から過去を振り捨てて出世した「出世料理」です。
— 風木一人@ホテル暴風雨オーナー (@Kazeki_Kazuhito) April 16, 2021
代用肉も、もしかしたら今後メジャーになり肉を食べる文化が貴重になるかも知れないですね
— ぐっちー (@mousou_guccy) April 16, 2021
がんもどきって、「これ、雁の肉に似てないだろう?」と疑問は抱くものの、雁の肉を食べたことがないから何も言えないという不思議な食品です。美味しいからいいけど。
代用肉といえば、私は肉は普通に好きで食べますし健康のために肉を控えようと思ったことはないですけれど、大豆でできたこういうタイプの代用肉
で作る唐揚げは、何なら鶏の唐揚げより好きなくらいです。大豆でできているだけあって、かために戻した乾燥湯葉みたいな食感なのです。大豆と湯葉がばかみたいに好きな人(私)には非常にオススメです。おろし生姜をたっぷり入れたタレにつけて衣をつけて油を引いて焼く(揚げるより焼いたほうが湯葉っぽい食感が残る)のがいいです。
がんもどきは新たな美味しさを獲得していますね。「マシュマロ」(本来のマロウの根で作るマシュマロはもはや超レア)「葛餅」「わらび餅」(葛粉やわらび粉の入ったものもあるが、他のデンプンを使ったものも多く、それも美味しい。材料より形状や食感で区別されている)なども合致するような
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) April 16, 2021
マシュマロは「マロウの根」で作るそうなんですよ。植物の根のでんぷんのとろみや食感をよしとする文化は多かったと見えます。
色々出てきましたね
ありがとうございます?
青のりもアオサに置き換わっているのでまだまだありそうです— ぐっちー (@mousou_guccy) April 16, 2021
青のりの方がより海苔っぽいというか香りが高いですが、アオサも美味しいですよね。
「みんな違ってみんないい」「どっちも似ててどっちもいい」このふたつ、全然違うようで同じようなことを言ってるのかもしれません。
風オーナー、シャルル大熊さん、ありがとうございます!
うなぎ、雁、そしてタコ
続いて坂の餅さんから非常に興味深い情報が寄せられました。
たこ焼きを美味しく食べてたら、タコだと思ってたのがコンニャクだった事を知った時の悲しさははかり知れません。
食感でごまかすなんて許せません?— 坂の餅 (@korogaru40) April 17, 2021
たこ焼きといえば大阪のソウルフードでは!? そこにタコ入れずにコンニャク入れちゃうところがすごい。すごくてけっこう好きですそういうの。
それはタコンニャクというものです。美味しいことを喜びましょう(^-^)
— 風木一人@ホテル暴風雨オーナー (@Kazeki_Kazuhito) April 17, 2021
オヤジギャグでたしなめる人、登場。
確かに、美味しくて悪いわけはないですね。
どうせソースとマヨネーズをたっぷりかける訳ですし。「大阪といえばタコンニャク焼きだよね!」と言われる時代が来るかも知れませんね。
— 坂の餅 (@korogaru40) April 17, 2021
フムフム、タコンニャク焼き、けっこう美味しそうではないですか。コリコリと歯応えがあるけれどタコより噛み切りやすいところも食感のバランスとして優れているのでは。
タコの漁獲量も世界的に減少して高価になっているので
「たこ焼きって、なんでたこ焼きって言うの?」
「昔はたこ焼きには本物のタコが入っていたんだよ」
「うそー!」
という会話が聞かれる日が来るかもしれません— ぐっちー (@mousou_guccy) April 17, 2021
たいへん、タコも減少しているのか! 海に残っているメンバーは誰なのか逆に気になってきます。
「タコって火星にいるっていわれてる幻の生物のことでしょ?!」
みたいな?
— 坂の餅 (@korogaru40) April 17, 2021
H.G.ウェルズの『宇宙戦争』に端を発すると言われるタコ型火星人のイメージ、あれはタコが人の手を逃れ火星を目指すという未来を予見していたのかもしれませんねえ……
なんだかどんどんタコンニャク焼き食べてみたくなってきたんですけど??
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) April 17, 2021
妙に美味しそうです、タコンニャク焼き。坂の餅さん、どうもありがとうございます!
タコンニャクといえば、タコとコンニャクの煮物も美味しいです。食感の似たものコンビが殺し合わず引き立てあうパターンです。醤油の味のしみ具合が違うところがまたいい。
今回はすっかり私の好物大公開と化してすみません。しかしアレだ、ウナギのタレの醤油といい代用肉といいやはり食は大豆にありといえましょう。魚類との関係を必死に修復しようとしている(けど危うい)人類ですが、大豆、のみならず植物とも仲良くしておかねばなりません。
無理にまとめたところで、今回はここまで。次回のテーマは「ツバメ」です。 妄想旅ラジオ第22回「ツバメ」もぜひ聴いてください。 ウナギは回遊、ツバメは渡りと、旅をする生き物の話、「燕尾服」及びよく似た礼服たち、ツバメの巣料理、など、聴いて楽しく、誰かについ話したくなる面白さです。 では次回もどうぞお楽しみに。
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