鬼が鬼大好きな国ニッポン オニ〜ぐっちーさんと話そう<50>

鬼かわいい鬼ごっこ illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

Twitterでお話しました

こんにちは。今週もよろしくお願いします!

みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。

今回も、ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「オニ〜鬼ヤバな生物が鬼アツ」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、お伝えいたします。

先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただくとより楽しめる内容です。

ぐっちーさん、よろしくお願いします

鬼の食べ物編〜鬼うまい鬼まんじゅう

ポチ子さんから、鬼といえばこれ、「鬼おいしい」食べ物についてコメントいただきました。

ああ、鬼まんじゅう、おいしいですよね!  オニグルミは写真で見ると普通のクルミとの違いがよくわかりませんでした。普通のクルミの殻だって十分に硬いのに、いったいどれだけ硬いのか!?

ウイロウと鬼まんじゅう。両者とも私の思う名古屋スイーツの真髄「まったり感」を体現したお菓子です。いいなあ。

断られた~!

でもそんなに簡単に作れるなら、私も作ってみようかな?

鬼の地形編〜ゴツゴツトゲトゲは鬼の暴れた形跡

ところで私は「鬼まんじゅう」を見ると思わず連想する鬼スポットがあるのです。

浅間山麓の「鬼押し出し園」。小学校の時の林間学校的な旅で行きました。黒くてゴツゴツしていて溶岩がむき出しなところにレンゲツツジが咲くというコントラストの鮮やかさもますます鬼っぽく、印象的でした。

鬼岩公園 は写真を見るに、巨岩祭り! 鬼が暴れたというより、鬼の遊び場みたいな感じでしょうか。ツツジの開花やモミジの紅葉の時期には巨岩と植物のコントラストがこちらでも楽しめるようです。対して、デビルズマーブルは砂漠の中に赤茶色い巨岩という、非現実的な風景です。どちらも確かに鬼っぽいです。https://twitter.com/mousou_pochiko/status/1529328502658326531

世界中の人たちが、スケールが大きい、美しい、以上の「奇景」に、創造主的な神様とはまた別の、人ならぬものの気配を感じるのかもしれないですね。

ポチ子さん、どうもありがとうございます!

鬼の遊び編〜足の速さだけでなく、戦略で戦う鬼ゲーム

ふわゆさんから、「鬼」遊びについてコメントいただきました。

いろいろな「鬼」ありましたね。今もああいう遊び、あるのでしょうか。

ふつうの鬼ごっこは足の速さがほぼ全てですが、「鬼」が出てくる遊びには、いろ鬼、たか鬼、かくれんぼ、など戦略で勝てるものも多かったですね。

ちなみにハイアカムラサキはやや赤みの強いくすんだ薄紫です。いろ鬼で大活躍した後はあまり耳にすることがない色です。

鬼の正体編〜鬼と人間を行ったり来たり?

遊びの「鬼」は交代制です。足の速さのみで勝負が決まるシンプルな鬼ごっこでは、一番足の遅い子が鬼になった時点で鬼が動かずゲームが終わってしまってつまらないのが難点で、だからこそ「たか鬼」「いろ鬼」など交代しやすい遊びが好まれたのでしょう。交代するものに「鬼」と名付けた理由を考えると興味深いです。

あ、追いかけてきて怖いから「鬼」なのかも?

体色は赤や青だし、元人間とは思えませんが、それを言ったら般若だって相当のもの。

社会から外れた者、体制側に不都合な者などを「鬼」と呼んだという説はよく聞きます。その鬼のビジュアルをどこか神様的(不動明王とか金剛力士は限りなく鬼っぽい)にしたところに、鬼をただの悪者とは思えない無意識の何かがありそうです。

鬼ヤバですねえ。

たしかにカミナリ様も、見た目ほぼ鬼!

鬼は恐れられ、親しまれ、何だかんだ愛されていると思えてきました。

ふわゆさん、どうもありがとうございます!

鬼の生物種名編〜意外な「犬」の立ち位置まで明らかに

トリフィドさんからは生物種名についてコメントいただきました。

ヒメオニヤブソテツ……大きいのか小さいのか、どっちなんだ!

フェアリーがつくのはいかにも小さく可愛らしいイメージです。

もっとも、大型の妖精もいそうですけれど。

私はオオオオハシ、スマトラトラみたいでいいと思いました。

イヌがつく種名も結構あります。

イヌといえば動物界きっての愛されキャラクター、のはずが……!?

似ているけど価値が低いのかあ。

そうなんです、英名キャットミントが和名イヌハッカって面白くないでしょうか。私は単に犬も猫も実はキャットミントが大好きで、日本人は猫より犬に注目したのかと考えたのですが、この解釈、怪しくなってきました。ハッカに似てるけど価値の低い植物って意味なの!?

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↑犬の顔文字(でいいのか?) すばらしい完成度です。

学名は「プセウド」が多いのですね。プセウドは種名以外でも「擬似**」を表す言葉として時々出てきて、似ているけれど違う、擬似的に簡単なもので代用する、などのニュアンスと感じられます。

ฅˆ•ﻌ•ˆฅ

ネコ。素晴らしすぎます。

それにしても種の命名界での犬の立場の微妙さときたら。そういえば花も紅葉も美しい落葉樹・和名ハナミズキは英語では「ドッグウッド」。あれも「つまらない木」みたいな意味合いだと聞いた気がします。ああ、犬、愛されていると思っていたのに。

でも考えてみれば「犬にでも食わせておけ」とか「犬も食わない」とか、慣用表現でも雑な扱いをされています。

かたや「鬼」の使われ方は、恐れられつつも「畏怖」「畏敬」といった、ポジティブ成分がほの見えます。怨霊を神様として祀っちゃう、というのとも似ている?

少し飛躍があるかもしれませんが、人間の、自分より弱いものへの愛も、そしてもちろん強いものへの愛も、実に利己的なんだなあと感じ入ったことでした。

トリフィドさん、どうもありがとうございます!

鬼かわいい生物編〜今日のタイトル絵

さて、「鬼ヤバイ」「鬼暑い」などの鬼ワードはかなり定着してきて、「程度が甚だしい」には違いないけれどちょっと鬼とはミスマッチでは? というジャンルにまで進出している感があります。「鬼かわいい」とか。

鬼かわいい生物と言ったら猫ですよね。

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というわけで、今日は宇宙一の美女こと愛猫ムギ(2021年逝去 享年21歳)の思い出を絵にしました。

節分の時に友達にもらった小さな鬼のお面を装着しようとしたら激しくお気に召さなかったもようで瞬殺の構え(鬼の面を)だったので、慌てて撤収したという思い出ですが。それがどうなったかというと、こちら。

鬼暑いにゃ〜

鬼暑い日にムギが鬼のお面をかぶって鬼になりきり遊び、つまり「鬼ごっこ」している絵にしました。絵なら何でもできます。鬼便利。

では今回はこのへんで。

次回のエッセイは独自テーマ回です。どんなお話になるか、どうぞお楽しみに!

独自テーマ回のお題について、まだまだリクエスト募集しております。ぐっちーさんや斎藤雨梟のTwitter、ホテル暴風雨のコンタクトフォームなどから、ぜひお寄せください。

ご意見・ご感想・ぐっちーさんへのメッセージは、こちらのコンタクトフォームからお待ちしております。

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